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本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

 

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入力電源と電源ユニット

電力会社から供給される電源は比較的安定していますので、お客様は電源系統やコンセント形状や口数などしか意識しないのではないでしょうか。サーバの不安定な動作に入力電源が影響している例も数多く見受けられます。入力電源について平時に予想される事象と、サーバの電源ユニットについて解説します。


入力電源条件

商用電源

身近なACコンセントの商用電源は、通常電力会社から供給されます。この電源は電力会社の発電所から50万Vや27.5万Vの高電圧で消費地まで送電線で運ばれ変電所とトランスでAC100 / 200Vとして一般住宅や企業に供給されます。大量の電力を消費する工場やビルでは高圧電源を受け、自社の動力機器に必要な電圧にダウンして使用しています。

電源の品質は電子機器に多大な影響を与えますので、IDCセンターなどでは自家発電装置や無停電装置 (CVCF) を持って安定した電源を供給することが重要なサービスの一つとなっています。また、社会システムや大病院などで停電してもサービスを維持できるのはこのような設備に守られているからです。

商用電源には歪や変動が発生します

電源が発電所からサーバに届くまでは、経路の変更や落雷などの自然現象、動力源(エレベータやモータ)のON / OFFによる負荷変動などでさまざまな影響を受け、図1のような電圧変動、瞬間的な電源断に加えノイズ・歪みなどが発生します。


図1

サーバへのAC入力電源が図1のような変動や歪みがサーバの電源として許容できるか、影響が出るかは難しい判断となり、歪の値によってはサーバの電源回路の補正能力ではカバーできない場合もあります。

これらの影響を極力排除するには次のような対策が必要となります。

  • サーバの電源ラインにレーザプリンタや家電製品を接続しないでルートを別けてください。
  • 入力電源の異常を補正し、停電にも対応できるUPS装置を設置してください。

AC100Vと単相AC200Vの比較

AC100Vと単相AC200Vの供給方式

商用電源AC100V / 200Vは、最終段トランスの分電盤の配線方式で決まります。AC200Vは図2の通りの接続で容易に得られ利用できる電源となっています。

電源方式には、下記二つの電源供給方式が多く採用されております。
一般的にエレベータがあるようなビルでは、最寄の分電盤まで単相3線方式が採用されています。また、単相2線式は一般家庭(及び小規模施設)に採用されています。

単相3線式

「単相3線式」は、3本の電線のうち真ん中の中性線と上または下の電圧線を利用すれば100ボルト、中性線以外の上と下の電圧線を利用すれば200ボルトが利用できます。

単相2線式

「単相2線式」は、電圧線と中性線の2本の線を利用するので、100ボルトしか使用することができません。


図2

AC100V と比較し AC200Vでの消費電力は数%ダウンします

例えば、RX300 S3を仮にAC100V / AC200Vどちらでも使えるサーバとしますと、消費電力はどちらの入力電源で使用しても687Wで同じとなります。
しかし、一般的には次項の伝送効率を含めて消費電力と呼びますので、消費電力は数%ダウンすることになります。

AC200VはAC100Vと比較して伝送効率は良くなります

例えば、100Vで100Wの電球を使用しますと1Aの電流が流れます。

電線には抵抗があり仮に1オームとすると1ジュールの送電損失が発生します。
これが200Vならば同じ電球の使用では0.5Aの電流で0.25ジュールの送電損失となり、AC電源は高電圧ほど伝送効率が良くなり、発電所から高電圧で送電するのもこのような理由からです。

100Vと200Vの差


図3


コンセントの違い

PCサーバで使われるAC100Vと単相AC200V(図4)のコンセントは、形状が異なり、誤接続を防止しています。

NEMA L6-30P

図4


サーバの消費電力

カタログ記載の最大消費電力ではなく、実稼働構成(メモリやHDD)から消費電力の目安が求められる確認ツールを提供しています。

電源に関する情報

省エネルギー基準達成率

エネルギー消費効率とは省エネ法で定める測定方法により測定した消費電力を、省エネ法で定める複合理論性能(単位:ギガ演算)で除したものです。
カッコ内は省エネ法基準達成率であり、その表示語Aは達成率100%以上200%未満、AAは達成率200%以上500%未満、AAAは達成率500%以上を示します。

待機電力

サーバの電源がOFFであっても数Wの電力を消費しています。この電力は主に電源スイッチやLANやCOMポート、スケジュール運転などで電源をONにする回路に使われています。従って、非同期に遠隔地からサーバの電源をONするなどをしなければ、サーバ未使用時には入力電源は必要としませんので、AC100Vを設備ごと断とする利用ができます(サーバ内部時計などは電池で保護されています)。

国際エネルギースタープログラム適合の認定を受けた製品は、米国環境保護局(EPA)とエネルギー省が定めた、省エネルギーに関する厳格なガイドラインに適合しており、待機電力はほぼ「0」となっています。

サーバ稼働中に突然電源が切断されたら(UPSが無いと)

サーバシステムの稼動終了はシャットダウン処理でメモリデータのセーブなどの終了処理をして電源をOFFします。このようなプロセスを経ずにサーバの電源が切断されると、そこで処理していたメインメモリのデータは全て失われます(一部バッテリーで保護されているSCSIアレイコントローラカードのメモリデータなどは残ります)。

ハードディスクの場合は、書込途中であればそのセクターデータが破壊されてしまうばかりでなく、通常記録面から浮いてリード / ライトしているヘッドが記録面に接触しディスクがエラーとなってしまう場合もあります。Windows OSを終了させると電源は自動的に切断されます。このように、電源は必ず正しいシーケンスで切断してください。

AC100Vの平行2Pアース付きコンセントの使用

配線や回路は絶縁体で保護されていますが、万一絶縁体が破損して漏電した場合には、アース線は電気を逃がす通路となり感電を防ぐことができます。コンセントのアースはぜひ取り付けてください。

サーバの電源ユニット、冗長電源の仕組み

サーバの電源冗長構成は同じ電源ユニットを複数台並列に動作させてベースボートや内蔵された機器の電力を分担して供給しサーバを稼働させています。
一台の電源ユニットに故障が発生すると、残った電源ユニットですべての電力をカバーします。これら冗長構成の電源ユニットはホットプラグ機構に対応しており、サーバ稼働中に故障電源ユニットの交換作業ができます。 また、電源ユニットにはACケーブルが各々付いており、電源系統を別けて供給できることで、電源経路の異常にも冗長化への対応ができる構成ができます。

図5


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