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本ページの製品は2024年4月1日より、エフサステクノロジーズ株式会社に統合となり、順次、切り替えを実施してまいります。一部、富士通表記が混在することがありますので、ご了承ください。

 

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ストレージドライブ(HDD,SSD)の基本

通常、ストレージドライブは、サーバ上で唯一直接アドレスを指定できる非揮発性ストレージメディアです。プロセッサやメインメモリなど、他のサーバコンポーネントと比較して非常にアクセス時間が長いので、ストレージドライブを選択する際は、ストレージサブシステムのサイジングと構成に注意が必要です。
サーバでのストレージドライブの使われ方は、デスクトップやノートブックとは基本的に異なります。サーバのストレージドライブはユーザー数が多いため、一般にはるかに大きな作業負荷がかかります。データ転送リクエストが届く可能性が常にあり、届いた際には可能な限り早く処理する必要があります。高いトランザクションレート(IO/s)と短い応答時間(レイテンシー)が不可欠です。さらに、データログやバックアップ/リストア機能には、高いスループット(MB/s)が必要です。同時に、サーバのストレージドライブは一般に長時間動作し、極端な場合、24 時間動作し続けることもあります。こうした大きな作業負荷や、単一のストレージドライブが抱える故障の危険に対応しながら、可能な限り高度なデータセキュリティレベルを確保するため、サーバのストレージドライブは、通常、RAID アレイ(Redundant Array of Independent Disks)で使用します。RAID アレイを使用するのは、個別のストレージドライブより高いスループットを実現するためでもあります。RAID レベルの種類とそれらのセキュリティおよびパフォーマンスの詳細については、RAID構築ガイド (ストレージ構築ガイド)を参照してください。

サーバタスクとストレージドライブ要件

サーバのハードディスクに求められる品質要件は、サーバで実行する具体的なタスクに依存するので、さらに詳細な説明が可能です。次に例を示します。

ファイルサーバ

ファイルサーバは、主にファイルストレージに使用されます。通常、ファイルサーバはストレージドライブを内蔵しているだけでなく、外部アレイ装置にも接続されています。このようなファイルサーバにとって、フェイルセーフ機構は最優先事項です。サーバをアーカイブの目的のみに使用している場合は、ストレージドライブへのアクセスはそれほど多くありません。このような状況では、速度が大きな役割を果たすことはありません。しかし、サーバを日常業務の中心的部分として使用している場合は、動作が異なります。この場合は、ストレージドライブの高レベルなパフォーマンスが必須です。

データベースサーバ

データベースサーバはデータベースを格納し、企業ネットワーク内で、また場合によってはインターネット経由でデータを提供します。ユーザーの視点から見ると、データベースサーバへのアクセスは、通常、アプリケーションサーバまたは Web サーバ経由で行われます。通常、データベースサーバは多くの並行アクセスを処理する必要があるので、この種のサーバでもデータセキュリティと高速な応答は必須です。

メールサーバ

メールサーバは、電子メールの送受信と保存を行うサーバであり、通信の世界で非常に重要です。少量データをアクセス単位とし、スループットが要求されます。このようなシナリオでは、信頼性の高いストレージドライブが必要です。また、迅速な応答時間も要求されます。

アプリケーションサーバ

アプリケーションサーバは、ネットワーク内でアプリケーションプログラムを実行するために使用されます。このようなアプリケーションプログラムには、Web アプリケーションや認証サービスなどが含まれます。つまり、サーバ上で動作し、クライアントとサーバ間のトランザクションに必須のすべてのサービスです。このサーバは、限られた数のユーザーにアクセスを限定することも、すべてのインターネットユーザーに公開することもできます。このような用途で使用する場合、非常に高速でしかもセキュアなストレージドライブが必要です。

ストリーミングサーバ

ストリーミングサーバは、ユーザーにマルチメディアファイルを提供します。通常、24 時間 365 日稼動し続けます。フェイルセーフ機構と高いスループットの両方が、ストレージドライブを選択する際の主な条件となります。

仮想化サーバ

仮想化サーバは、異なるオペレーティングシステムとアプリケーションが動作する仮想マシンです。このようなシナリオでは、非常に高速で信頼性の高いストレージドライブが必須です。
実際には、前述の異なるサーバアクティビティーを任意に組み合わせて、同一のサーバハードウェア上で実行することができます。この場合、タスク別にストレージドライブをグループ化する必要があります。ただし、同じストレージドライブをすべてのタスクで共通して使用することは可能な限り避けます。

仕様・機能

適切なストレージドライブの選択にあたって、概要を知りましょう。
なお、これらの記述はデバイス単体の仕様・機能であり、サーバに搭載された上でこれらの機能を実現しているかは、サーバ仕様を確認ください。

デュアルポート機能

SAS ハードディスクにはポートが 2 つあるため、2 つの異なるコントローラーを介して同時に操作できます。2 つのコントローラーのうちいずれか 1 つが故障した場合でも、この冗長性によってハードディスクにアクセスできます。
SATA ハードディスクでは、2 つのコントローラーを接続するためにポートセレクターが必要です。したがって、同時アクセスはできません。最初のコントローラーがアクティブでない場合、2 番目のコントローラーは SATA ハードディスクにのみアクセスできます。

転送プロトコル

SATA および SAS プロトコルは、コントローラーとハードディスクとの間のデータ交換に使用されるインターフェース規格です。両方のプロトコルについて、転送速度を次に示していますが、これはハードディスクのスループットとは別のものです。ハードディスクの実際のスループットは、インターフェースの設計上のスループットよりも小さくなります。次に挙げるインターフェースには、後方互換性があります。たとえば、SATA 6.0 Gbit/s インターフェースは SATA 3.0 Gbit/s インターフェースを備えたサーバ上で動作できますが、低い転送速度に限られます。インターフェースがボトルネックにならないようにするためには、その転送速度がハードディスクの最大スループットより大きくなるように設計する必要があります。

SATA インターフェース

SATA(Serial Advanced Technology Attachment)は、ストレージメディアを駆動するための ATA インターフェースの後継規格です。ATA では 16 ビットをパラレル転送できますが、SATA ではシリアル転送です。現在のところ、SATA 規格には 3 世代が存在します。次に示す理論上の転送速度(MB/s)は、それぞれの世代の SATA に関して規定されている転送速度の約 80 %です。

  • SATA 1.5 Gbit/s は、最大 143 MB/s のスループットを実現します。
  • SATA 3.0 Gbit/s は、最大 286 MB/s のスループットを実現します。ホットプラグ、スタッガードスピンアップ、NCQ が導入されるとともに、それまでより長いケーブルを使用できるようになりました。
  • SATA 6.0 Gbit/s の最大スループットは、572 MB/s です。改善された NCQ(ストリーミングコマンド)および省電力機能も実装され、特別なコネクター(LIF、ZIF)が導入されました。

SAS インターフェース

SAS(Serial Attached SCSI)は、ストレージメディアを駆動するための SCSI インターフェースの後継規格です。SCSI の最終世代である「Ultra-320 SCSI」は 16 ビットパラレル転送でしたが、SAS ではシリアル転送です。現在のところ、SAS 規格には 2 世代が存在します。理論上の転送速度は、それぞれの世代の SAS に関して規定されている転送速度の約 80 %です。

  • SAS 3 Gbit/s は、最大 286 MB/s のスループットを実現します。
  • SAS 6 Gbit/s は、最大 572 MB/s のスループットを実現します。
  • 現在、最大 1144 MB/s のスループットを実現する SAS 12 Gbit/s が計画されています。

SATA インターフェースを持つハードディスクは、SAS インターフェースを持つコントローラー上でも動作します。

SSDの動作・機能

ソリッドステートドライブ(SSD)が普及するようになって、かなりの時が経過しました。SSD は従来型のハードディスクと違って可動部分がなく、フラッシュメモリをベースとしています。外部的な設計とインターフェースは、従来型のハードディスクに対応しています。従来型のハードディスクと比較して、SSD は短いアクセス時間、機械的堅牢性、低ノイズ、および低消費電力の点で優れていますが、今日ではまだ容量が非常に小さく高価です。
SSD はいわゆる NAND フラッシュメモリの SLC(single level cell:シングルレベルセル)または MLC(multi level cell:マルチレベルセル)に情報を格納します。MLC ベースのドライブに比べ、SLC ベースの SSD は容量が小さくなります。その反面はるかに耐久性があり、書き込みパフォーマンスが明らかに優れています。SSD は一般に読み取り回数は無限ですが、書き込み回数は無限ではありません。しかし、SSD 内に存在するコントローラーによって、すべてのフラッシュメモリセルにわたって均等に書き込み操作が行われるように制御されるので、全体が均等に消耗します。従来型のハードディスクと同様、SSD も S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)によって監視することができます。
SSD は一般に、従来型のハードディスクよりも高いスループットを実現します。ただしこれは、SSD がライフサイクルのどの時点にあるかに大きく依存します。SSD の最初の書き込みアクセスは、空のセルだけに書き込まれるので、最も高速に処理されます。その後しばらく時間が経過すると、書き込み操作のたびにまず古いデータを削除する必要が生じるため、スループットが低下しそのまま停滞します。実務上意味があるのは、この時点でのスループットです。このようにパフォーマンスが低下した時点で比較しても、SSD は従来型のハードディスクより(少なくともランダムアクセスに関して)はるかに大きなスループットを実現します。

SSD に関するFAQ

SSD に関してよく寄せられる質問とその回答(FAQ)をまとめたこのホワイトペーパーです。従来型 SSD と PCIe-SSD の技術面について、その寿命に重点を置いて解説するとともに、PRIMERGYでのSSDの最適な使用方法についても説明します。
ソリッドステートドライブ-FAQはコンポーネント別性能情報(ホワイトペーパー)を参照ください。

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