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メモリは、プログラムやデータを一時的に記憶する半導体素子で、CPU速度に合ったデータ供給性能が求められ、サーバの安定動作に重要な役割を果たしています。一方、PCサーバが大規模システムまでに広がり要求されるメモリ容量が増加し、従来の1ビットのエラー修正機能 (ECC) に加えて、高度な信頼性が求められるようになっています。
DDR2 SDRAM とは、DDR SDRAM(注)をさらに高速化した規格のメモリです。
DDRより高性能な上に消費電力が少ないため、一般的に広く利用されています。DDRとの互換性は無く、DDRソケットにDDR2を挿すことは出来ません。
Fully Buffered-DIMM とは、メモリにバッファ用チップを載せたメモリ規格です。
通常のメモリと同じDRAMを使用しますが、メモリモジュール上にあるAMB(Advanced Memory Buffer)チップに、全てのデータを一時的にバッファします。
メモリ・コントローラとAMBチップ間の接続に、シリアル方式のデータ転送を用いることで、チップセットからのチャネル数の増加や、1チャネルあたりに接続可能なDIMM枚数の増加が可能となるため、システム全体のメモリ搭載量を増やすことができます。
(注) DDR SDRAM (Double Data Rate SDRAM)
外部クロックに同期して動作するDRAMをSDRAMといいます。
「DDR」とは「Double Data Rate」の略称で、外部クロックと同期を取る為のクロック信号の立ち上がり時と立ち下がり時の両方でデータの読み書きが行えるように改良されており、通常のSDRAMの2倍の転送速度を実現します。DDR2と区別するため、DDR1と呼ばれる場合もあります。
メモリをはじめとする半導体製品は、原材料に含まれる微量放射性元素や宇宙線などの影響により、記憶されたビットが反転してしまうことによるエラーは避けられません。また、大容量化に伴う小型化が進むほど、このエラーは発生しやすくなります。
メモリに障害が発生すると予想外のシステムダウンが発生する場合もあるため、「不可避のエラーをどれだけ修正できるか?」ということは信頼性向上のための重要なポイントとなります。
メモリの信頼性確保のための技術には、メモリ素子の信頼性を高める技術と、DIMMの冗長性を高める機能があります。
ECCメモリとはデータにパリティデータを追加する事で、メモリエラーの存在と発生箇所を検出して1bitエラーを修正する機能を持ったメモリです。
PRIMERGYのメモリは全てこの機能を搭載しています。
メモリは複数のメモリ素子で構成されており、それぞれ4bitもしくは8bitで構成されています。そのためデータを連続した領域に格納すると、障害発生時にメモリ素子のbit数分のマルチビットエラーが発生します。
そこで、データを分散させて格納し、メモリ素子が壊れると1bitエラーが複数箇所で起きるようにしました。この考え方とECCを組み合わせたものがSDDCです。
これにより、最大8bitのエラー修正が可能(x8 SDDCの場合)になり、より高い信頼性を実現します。
PRIMERGYでは、2WAY以上のサーバにこの機能を搭載しています。
エラーチェック機能により検出されたエラーが一定回数に達したメモリは、そのメモリの内容をスペアメモリにコピーし、サーバの停止を伴わずに問題の発生したメモリを切り離します。
メモリミラーリングと比較すると比較的少ない待機メモリで冗長化を実現できますが、データの修復機能はありません。
メモリを二重化し、二重化したメモリの両方にデータを書き込みます。
片方のメモリで訂正不可能なエラーが発生した場合には、もう一方のメモリのデータを使用する事で、ECCでは訂正不可能なマルチビットエラーなどからデータを保護し、システムの継続運転と安定した動作を実現します。
スペアメモリと比較すると使用可能なメモリ量は減少しますが、データの安全性とシステムの冗長性は向上します。
サーバへ搭載するメモリはこれまで解説した技術をふまえ、以下の点を考慮の上で選択してください。
サーバが必要とするメモリの容量は通常、OSが必要とする量と、OS上で動作するソフトウェアが必要とする量を考慮して算出します。また、サーバ導入時の必要量のみではなく、稼動させるシステムのバージョンアップやアクセス数の増加なども考慮し、十分な余裕を持って搭載することをお勧めします。
一般的に大容量のメモリほど高価ではありますが、スロット数や将来の拡張性を考慮の上搭載メモリを検討して下さい。
富士通のPRIMERGYに搭載可能なメモリは、全てECCに対応しているため、1bitエラーを回避する事は可能ですが、さらに高信頼が要求されるサーバには、マルチビットエラーや物理的な故障への対応が必要です。このような場合には、SDDCに対応したサーバ機種の導入や、スペアメモリやメモリミラーリングなどの冗長化構成の導入をご検討ください。
メモリの冗長化を行うと、搭載メモリ枚数、消費電力、使用スロット数などが増大しますが、システムの信頼性は向上します。
また、ECCやSDDCによるエラー修正頻度が上がることは、将来的には修正不可能なエラーを生じる可能性が高くなっていることを意味しています。
そのため、サーバの監視を必ず行いこれらの兆候を見逃さず対処することが必要です。お客様のシステム環境や運用要件により、最適な構成を選択して下さい。
DDR2 SDRAMのメモリにはデータの転送速度を示すモジュール規格があり、CPUの種類によって選択可能なメモリが異なる場合がありますのでご注意ください。
PRIMERGYでは以下の3種のメモリを使用しています。
メモリモジュールの動作ブロックの単位をランクといい、1枚のDIMMで1ランクを使用するメモリをシングルランクメモリ、2ランク使用するメモリをデュアルランクメモリといいます。
ランクの総使用数を多くするとメモリのアクセス性能が向上しますが、メモリ・コントローラによって制御可能なランク数が異なり、メモリスロットが余っていてもランク数の上限を超えてメモリを搭載する事はできないため注意が必要です。