Windows 11の導入から運用まで 概要
スムーズな移行のためのデバイス展開方法の見直し
従来のキッティング方法を見直すべきタイミングに
新しいOSへ移行するには、従来はデバイスごとに各種設定やアプリケーションのインストール等を行う作業(キッティング)が必要でした。たとえば、マスターを用いたOS移行では、マスターの作成・管理・更新等多くが手作業で個別設定を行わなければならず、IT管理部門への負担が大きいという問題がありました。
最近では、従来の『マスター作成方式』だけではなく、『Windows Autopilot』や『プロビジョニング方式』といった選択肢が増えました。IT管理部門の負担をより軽減できるという面では、Windows Autopilotの活用が主流となりつつあります。
Windows AutopilotでOS移行するメリット
Windows Autopilot はクラウドを活用した移行方法です。信頼されたハードウェアベンダーから調達したデバイスを利用者が受け取り、電源を入れて簡単なセットアップを行うだけで、組織が設定したポリシーの適用及びアプリケーションのインストールを実現します。これによりPCキッティングの工数を大幅に削減し、IT管理者または利用者による簡単なセットアップが可能です 。OS移行時にWindows Autopilotを用いる具体的なメリットは以下のとおりです。
- IT管理部門はリモート対応でOSに必要な初期設定、OS移行時に必要なアカウント設定、Wi-Fi設定、アプリケーションのインストール等のセットアップが行える
- 利用者側はアカウント情報を入力するだけで、デバイスの初期セットアップが可能
- 以前のPCからのデータ移行もスマートフォンのようにシンプル
- 利用者にとってセットアップがシンプルになるので、IT管理部門としてマニュアル作成に費やす時間と労力が削減可能
Autopilot以外のWindows 11への移行手段
Windows Autopilotの導入が困難な場合、主なOSの移行手段としてプロビジョニング方式、またはマスター作成方式が検討対象になります。
プロビジョニング方式でOS移行する場合
プロビジョニング方式とは、OS部分を除いた設定情報とアプリケーション情報のみをパッケージ化して配布するキッティング手法です。この方式には以下のようなメリットがあります。
- 一括設定により、大量のデバイスやアカウントを効率的に準備できる
- プロビジョニング方式は機種依存しないため、管理や対応工数を抑えることも可能
- マスター作成と比較しデータ容量が少ないため配布が容易で、パッケージをパーツ化することで複数の出荷パターンにも対応可能
ただし、この方法でのOS移行にも条件があり、プロビジョニング資産を格納するためのUSB/NAS/ファイルサーバ等のストレージが必要です。
マスター作成方式でOS移行する場合
Windows Autopilotとプロビジョニング方式、共に利用が困難な環境でOS移行をする場合は、マスター作成を用いることになります。マスター作成を用いたOS移行のメリットは以下のとおりです。
マスター作成方式のメリット
- 大量のPCを一気にキッティングできる
- アプリケーションの種類に関係なくアプリケーションからOSまで細かく設定ができる
- 各端末からインターネットに接続できる環境が整備されていない場合でも対応できる
- 自社で構築した業務システムのような、サイレントインストールに対応していないアプリケーションにも対応できる
一方、マスター作成を用いたOS移行には、マスターの作成・管理・更新時の作業工数が多いことからIT管理部門の負担が大きくなります。
マスター作成方式のデメリット
- マスター作成・管理・更新等、作業工数が多い
- アプリケーション配布を頻繁に実施している場合、キッティングの作業ボリュームが増加する
- OSのアップデートの際は、作成したマスター数の分だけ最新化が必要
Windows 11導入支援サービス
エフサステクノロジーズではWindows 11導入支援サービスをご用意しております。Windows Autopilot、プロビジョニング方式、マスター作成等、あらゆる移行パターンのお手伝いが可能です。
以下の関連リンクに情報を掲載しておりますのでご確認ください。
よくあるWindows 11への移行に関するご相談
・既存PCのOSをWindows 11 に移行するにあたり、事前準備として社内システムの動作検証が出来るよう、検証用端末を構築したい
・OS移行の際には、既存の環境やデータを維持したまま、ソフトウエアを新規のものに入れ替えたい