Windows 11の導入から運用まで 概要
Windows 11 移行前に検討すべきこと
Windows 10サポート終了に伴うWindows 11への移行
2025年10月にWindows 10のサポート終了に伴い、多くの企業や官公庁・自治体、文教のお客様においてWindows 11への移行を進めています。しかし、旧モデルのPCを活用したWindows 11への移行ではスペック不足やセキュリティの問題が発生する可能性があります。特にハイブリットワークに対応したスペックやシステムの互換性が重要です。また、Office 2016や2019のサポートも同時期に終了するため、Microsoft 365への移行も検討が必要です。
移行準備の重要性
Windows 11への移行には事前の準備が欠かせません。新たな機能の理解や周辺機器との互換性の確認はもちろんですが、従業員一人ひとりの働き方に合わせたデバイス選定を行うことで、生産性の向上が期待できます。
働き方に合ったデバイス選定
働き方にあったスペックや機動性、セキュリティ面、運用管理、保守の対応等の観点や移行スケジュールの計画等からも、業務を止めず、スムーズに業務を行える環境を整えることが重要です。旧PCからのWindws 11移行はスペック不足の懸念もあります。
長期的な計画の必要性
事前に検討すべき事項が多いため、導入完了時期を見据えた長期的な計画が求められます。ただし、多くのIT管理部門が以下の課題に直面しています。
IT管理部門が抱える問題
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1PCの利用実態を把握できていない
従来のように、全てのPC利用者がオフィスに出社して業務するのではなく、時間や場所を選ばず柔軟にPCを利用するスタイルに変化しています。このため、効率よく業務を行うには、利用者のニーズ把握が重要となりますが、実施できていない企業が多くあります。 -
2デバイスの一元管理ができていない
部門によってPCの管理部門が異なっていたり、複数人による使用で利用者が特定できていなかったりという企業も多いようです。このため、盗難や紛失等が起きてしまった場合に迅速に対応できていない企業も見受けられます。 -
3最新アップデート対応・パッチ適用ができていない
利用者にメール等でアップデート対応を依頼しても、なかなか徹底できていない企業が多いのが現状です。早期に未対応者を特定しコンプライアンス違反を知らせることが出来ないまま、PCの利用を容認してしまう企業もあるようです。
このように組織内のPCを一元管理出来ず、適切に運用されないまま使用を続けてしまうと、以下のように業務に影響を及ぼす可能性があります。
問題点から生じる業務への影響
セキュリティリスクの増加
OSアップデート、最新のパッチ適用がすべての利用者に対して徹底できていない場合、マルウェア感染等のセキュリティのリスクが急激に高まります。感染したPCは制御不能となり、「情報漏えい」から「業務停止」につながる恐れがあります。
また、自組織のPCから第三者に対する攻撃に悪用されることで「攻撃の加害者」となる可能性もあります。セキュリティ対策に問題があるだけでなく、お客様や取引先に迷惑をかけてしまい、企業姿勢を問われることにもなりかねません。
生産性が上がらない
テレワークの導入により働き場所はオフィス以外の選択肢も増え、柔軟な働き方が定着しつつあります。その半面、コミュニケーションが希薄になり、ついつい長時間残業が増えてしまうこともあるようです。
また、業務内容に合わせた環境が整備されず、かえって自宅では作業しにくいといったケースもあります。外回りの多い営業職とバックオフィス勤務者では、通信環境や画面サイズ等選択すべきデバイスのスペックは異なり、利用者のパフォーマンスに影響を及ぼしてしまいます。従業員一人ひとりの状況に合わせた環境づくりやデバイス活用が求められます。
IT管理部門の管理コストの増加
古いPCをWindows 11にアップデートして利用することは可能ですが、長期的には管理コストが増加する恐れがあります。システム要件を満たすために、メモリやストレージの増設が必要になる場合があり、TPM 2.0に対応していないPCでは新しいデバイスを導入する必要があります。
さらに、互換性の問題が発生した場合には追加のサポートや修正が必要となり、パフォーマンスの低下が業務効率の悪化を招く可能性もあります。最新のセキュリティ機能を十分に活用できない場合には、セキュリティリスクが高まり、追加の対策やサポートが求められることがあります。
加えて、故障リスクが高まることで修理や交換の頻度が増え、サポートやメンテナンスの負担が大きくなるため、結果的に管理コストが増加する可能性があります。
PC導入の費用対効果を簡単にシュミレーションできる以下のサイトが参考になります。
『Windows 11 Pro導入シミュレーション』 日本マイクロソフト株式会社より委託を受けた株式会社クリエイティブバンクのページ
Windows 11移行に向けた準備とステップ
ステップ1:利用デバイスの現状を把握
- 稼働資産や資源の配布方法等、現在の運用方法を確認
- どのような使われ方をするのか部門毎に社員へのヒアリング
- 使用しているアプリケーションの互換性の確認
- 交換が必要なPCやスマートデバイスをリストアップ
ステップ2:要件の整理
- 生産性の改善やセキュリティ対策等、どのような改善をしたいのかを明確化
- 生産性を上げるために、利用者が求めているデバイスのスペックを特定
- 安全に利用できるように、IT管理者が求めるデバイスセキュリティの基準やパッチの適用の管理方法を明確化
- 具体的にどのPCやスマートデバイスに入れ替えるのか、デバイス候補を選定
AIに最適化されたデバイスへの入れ替え
AI PCは、AI処理に特化したハードウェアとソフトウェアを一体化したコンピュータのことです。このPCは、特にAIや機械学習の作業を効率化するために設計されています。主な特長は以下の通りです。
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Neural Processing Unit (NPU)
AI処理専用のプロセッサーを搭載しており、高速かつ省電力でAIタスクを実行可能です。 -
ローカルAI処理
クラウドを使用せずにローカル環境でAIタスクを処理するため、データのプライバシーとセキュリティが向上します。 -
高性能なCPUとGPU
AI関連タスクだけでなく、一般的な作業もスムーズに行える性能を備えています。
これらの特長により、AI PCはWeb会議での背景ぼかし処理、リアルタイム翻訳やカメラ画像認識、生成AIなど、さまざまな高度なAI機能をローカルで実行できるため、より迅速で効率的な作業が可能になります。その結果、迅速で効率的な作業環境を提供し、業務データを保護しながら生産性向上のサポートします。
ステップ3:方針と計画の策定
何から着手すべきかわからない場合はWindows 11 導入支援サービス
このように、Windows 11への移行前に確認するべきことや整理するべきことは多岐に渡ります。
IT管理部門の方は、移行のご検討の際には実績豊富なエフサステクノロジーズまでご相談ください。
エフサステクノロジーズでは、お客様の利用シーンを基点としたデバイス分類を行い、既存インフラ活用も考慮した対策をお客様と共に検討します。その上で、運用観点含めたコスト最適化されたデバイス管理の方針策定を支援します。