2007年 27号  発行日: 2007年12月5日 バックナンバー

2007年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2007年11月1日 開催地:リーガロイヤルホテル広島

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アンケート

セッション2「マツダにおける“くるまづくり革新プロジェクト”MDI(マツダ・デジタル・イノベーション)の取り組み事例」

滝口哲郎氏

滝口哲郎氏

マツダ株式会社
ITソリューション本部IT戦略担当(首都圏リエゾン)
滝口哲郎氏

セッション2の発表資料を、PDFファイルで一括ダウンロードできます

MDIの戦略と全体構成

こんにちは。ただいま御紹介いただきましたマツダの滝口です。皆様方の具体的なお仕事にどれだけお役に立つか、自信はありませんが、何らかのヒントがあればいいかなと思っています。お話するのは自動車の事例ですが、ベースはエンジニアリングの技術的な世界の話です。しかし、こうしたイノベーションが、マネージメントの面で例えばどうプロジェクトマネージメントしていけばいいのか、あるいは経営的視点から見たときにどういうふうにこれをステアリングしていけばいいのかといった点でご参考になればと思います。

今日はできるだけわかりやすく、ビジュアルにお見せするなどの工夫はしていますが、ちょっと欲張りまして盛りだくさんのマテリアルになっています。こういうイノベーションをどう進めるべきか、今後どうあるべきかといったところにフォーカスを当てて、細部にとらわれずにマクロにお聞きいただければと思います。

マツダでは、自動車の開発、生産の場における車づくり、ものづくりの革新プロジェクトとしてMDI(マツダ・デジタル・イノベーション)というプロジェクトをここ10年くらい進めてきました。

まず戦略イニシアティブですが、キーワードを「機敏な開発」としています。我々は英語でagileな開発という言い方をしていますが、これはどんどん変わってくるお客様の志向に即座に対応できる業務プロセスにする必要があるということを意味しています。また、マツダは小さな自動車会社ですから、たくさん車が売れるわけではありません。それでも利益を出していかないと企業が存続できませんから、小ロットでも利益が出る体質にしていく必要があります。仕事のやり方を抜本的に変えるというプロジェクトですので、商品企画から工場での生産まで、上流から下流まですべてを対象にして革新を図っていきます。当たり前ですが、ITを使ってこれを実現していこうというプロジェクトです。

MDI全体構成(図表1)ですが、横軸が時間軸で、開発工程と考えてください。製品は自動車という物理的な商品ですから、実際には図の中段にあるような、モデルがあって、試作があって、実験、生産という工程がある。こうしたフィジカルな世界と、デジタルの世界、加えて、全体をコントロールする情報の世界、デジタル・モノ・情報という3つの世界で同時にイノベーションを図っていこうというのがMDIの大きな狙いで、この情報基盤をPIM(Product Information Management)と言っております。(図表1)

MDI全体構成1 クリックすると拡大画像が開きます

(図表1)MDI全体構成1

実際には、約10年前、1996年8月にMDI-Iがスタートしております。約8年かけてとりあえずの目標を達成できたということで、2004年からMDI-IIという次のステージに入りました。来年(2008年)の3月まででMDI-IIもほぼ最終コーナー、ネクストフェーズで何をやるかということを今プランニングしている段階です。

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