| 2007年 27号 発行日: 2007年12月5日 |
 |
2007年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2007年11月1日 開催地:リーガロイヤルホテル広島
[Flash/15KB/96秒] Flashによる SLIDE SHOW
|
|
セッション3「フィールド・イノベーションとビジネス・フィールドワークのご紹介」
岸本孝治氏 |
富士通株式会社 生産革新本部ソーシャルサイエンスセンター長 岸本孝治氏 |
セッション3の発表資料を、PDFファイルで一括ダウンロードできます
フィールド・イノベーションの目的と方法
皆様、こんにちは。富士通の岸本と申します。本日は、弊社の新しいメッセージでありますフィールド・イノベーション、このサービスの起点の一つでありますビジネス・フィールドワークについてご紹介させていただきます。
最初にフィールド・イノベーションの目的、進め方、可視化技術、技法をお話しし、アナロジーとしてメタボリックシンドローム対応を使ってフィールド・イノベーションの話をさらに進めさせていただきたいと思います。その後にビジネス・フィールドワークについての目的、実施パターン、特徴と、さらに5つほど事例を紹介させていただきます。 |
最初にフィールド・イノベーションについてです。今年(2007年)の春、4月3日に日経新聞に新しいメッセージとしてフィールド・イノベーションの全面広告を掲載しました。この後、毎週火曜日に関連トピックスを連載もので掲載していきました。例えば「小さな事実の発見で営業店に大きなコスト削減」。これは後ほど紹介しますビジネス・フィールドワークのトピックスですが、こういった関連トピックスを新聞で紹介してきました。(図表1) |
 (図表1)日経新聞の記事 |
フィールド・イノベーションの目的は、企業の革新体質の確立です。最近いろいろなところでイノベーションという言葉が流行っていますね。イノベーションといいますと、人によっては、全く何もないところからぽんと何か新しいいいものができてくるというイメージをお持ちの方も結構いらっしゃるようです。イノベーションの定義の元祖とも言われていますシュンペーターによれば、「生産要素を全く新たな組み合わせで結合して、新たなビジネスを創造すること」と言っています。もともとある資源を必要に応じて取捨選択したり、組み合わせを変えたりして、新しいバリューを作り上げていく。従って、まずは現状がどうなっているんだろうという事実起点が非常に重要になってまいります。 |
フィールド・イノベーションの進め方を簡単にご紹介します。まず最初に「フィールド」、私どもはこれを「課題領域」としていますが、このフィールドとは何かをきちんと定義するところから始めます。フィールドというと例えば工場などの物理的なひとつの現場、場所をすぐイメージするかと思います。もちろんこれもフィールドの一部ですが、課題と捉えた場合は関連する領域が複数あれば複数領域を捉えなければいけません。例えば製品のコストダウンを図っていかないと競争に勝てないという課題に対して、工場で生産性向上を一生懸命やることに加え、例えば設計や開発といったもっと上流のところや、さらには調達、取引先、営業などいろいろ関係してきます。このように課題に関連する対象領域、これらをフィールドとしてきちんと定義しようということでございます。 |
一度この課題領域を定義したら、次に現状はどうなっているかをきっちり押さえる「可視化」が重要になります。可視化によって現状、事実が出てきましたら、そこで多くの気づきを得て、それに基づいて問題意識も変えていく。そしてプロセスを変えて、ITを駆使していくという流れになります。弊社はITベンダーですからITは得意技です。しかし、それだけに常にITから入っていなかっただろうか、何かあるとすべてIT、ITになっていなかっただろうかと、このフィールド・イノベーションでは振り返りました。業務はITだけで成り立っているわけではなく、ITの周りにいろいろな人間系の作業もあります。そういったところもきちんと捉えて可視化し、十分気づいてプロセスを変えて、本当に必要なところにITを駆使していこうというのが、私どものフィールド・イノベーションの考え方です。 |
最適なITを駆使するとしても、個別最適で終わっては仕方ありません。人、プロセス、IT、これを含めて全体最適化を図っていく。これを一過性で終わらせることなく継続的な改善サイクルを回していく、これがフィールド・イノベーションの進め方、弊社の考え方でございます。(図表2) |
 (図表2)フィールド・イノベーションの進め方 |
|
