| 2007年 27号 発行日: 2007年12月5日 |
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2007年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2007年11月1日 開催地:リーガロイヤルホテル広島
[Flash/15KB/96秒] Flashによる SLIDE SHOW
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セッション2「マツダにおける“くるまづくり革新プロジェクト”MDI(マツダ・デジタル・イノベーション)の取り組み事例」
MDI-Iの目標と全体像
MDI-Iの活動の総括をお話します。まず目標としたことですが、開発期間、一番上流にデザインという段階があって、そこから開発、設計をやっていくわけですが、デザインを決定してから実際に販売するまでが約27カ月かかっていました。これを半分の14カ月にしようという目標を設定しています。それから、開発工数、開発投資を少なくとも3分の1は減らしたい。5%とか10%ではなく、30%は最低減らすという目標を設定しました。ということは、ちょっとした改善レベルでは追いつかない目標設定です。それから品質、これはベストインクラスというあいまいな表現をしていますが、業界の競争力を維持する品質をつくっていきたい。ということで、いわゆるQ/C/Tをドラスティックに改善していこうという目標を設定しました。
プロジェクトは96年8月にスタートしました。1年半くらいトライアルというフェーズがありました。96年というのはマツダにとって非常にメモリアルな年で、弊社が赤字経営で苦しんでいた96年4月、提携先であるアメリカのフォードから青い目の社長がやってきたというタイミングです。95年、96年、97年、98年あたりは非常に経営が苦しかった時代、赤字経営だった時代です。こういうときに大きなプロジェクトを立ち上げたということになります。
では、具体的に何を行ったのでしょうか。車の開発は、スタイリングつまりデザイン、詳細設計、試作、実験、工場で量産するための準備をしていくといったプロセスでやっています。ITのシステム開発工程とも非常に似ていると思います。(図表2) |
 (図表2)MDI全体構成 |
まずデザインですが、三次元のモデリングをしてクレイモデルを作り、フィジカルなもので検証して3Dモデルにリバースしていくという、データ先行型の3Dデザイン開発を進めました。デザインというのは、非常に長い期間をかけるもの作りの一番頭の段階になります。次はどんな車にしようか、2年後、3年後に世の中に出す車をどういうデザインにしていこうかとデザイナーが考える、頭を悩ますフェーズです。このフェーズで三次元設計をして、デザインの業務のやり方を抜本的に変えていこうということにチャレンジしました。(図表3) |
 (図表3)デザイン開発の基本サイクル |
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