| 2007年 27号 発行日: 2007年12月5日 |
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2007年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2007年11月1日 開催地:リーガロイヤルホテル広島
[Flash/15KB/96秒] Flashによる SLIDE SHOW
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セッション3「フィールド・イノベーションとビジネス・フィールドワークのご紹介」
アナロジーの事例
アナロジーの例え話としてメタボリックシンドローム対応を取り上げてみましょう。不適切な生活習慣による体質悪化の負の連鎖。まさしくこれは課題領域です。この課題領域について現状がどうなっているかを可視化し、事実をとらえます。最近はスポーツクラブなどに行けば器具が充実していますし、いろいろなデータも取れます。体重、組成、脂肪、筋肉等の数値を調べて、まず現状を押さえます。このデータに基づいて衝撃を受け、これはまずいと思った後は、個々人の事実に適合したプログラムを作って体質を改革していく、体質イノベーションを推進していくことになります。ただ、一生懸命フィットネスクラブで運動したとしても、家庭に戻ってビールをがぶがぶ飲んでいては元も子もないですから、全体のフィールドをつないで改善を図っていく全体最適化が非常に重要になります。 |
ところで私も最近ジョギングを始めまして、毎週末、頑張って走っています。最近は週末に1時間、10kmくらい走れるようになりましたが、汗をかいて、ジョギングの前と後で体重を量ってみると、1kg、夏場ですと2kg近く落ちるんですね。それでいい気になって、1回で1kg落ちるんだったら月3回走り、それを3カ月続ければ10kg減量なんて簡単じゃないかという妄想が広がっていくわけです。ところがそうはいかず、体重はすぐ戻ってしまいます。実は私自身も運動だけではダメだということに気づいてはいるのですが、事実に向き合うのが、なかなかに難しい。 |
例えばカードローンの多重債務者や破産する人たちというのは、自分の借金総額を知らないそうです。毎月の返済額も知らない。請求書等を足し算すればわかるのですが、足し算すらしない。足し算すると恐ろしい現実が待っているので、目を背けているわけです。
私も勇気を出して実態はどうなっているのか、運動と消費カロリーの関係を自分なりに調べてみました。驚いたことに、例えば脂肪細胞1kgはカロリーでいうと7200kcalに当たるそうです。7200kcal消化するにはどのぐらい運動すればいいのでしょうか。エネルギー消費は体重kg×走行距離kmで簡単に出せますが、例えば80kgの人が一生懸命10km走って800kcalしか消費できないそうです。さらに、実際運動で消費されるのは糖と脂肪が半分ずつなので、脂肪が使われるのは400kcal。そうしますと、脂肪を1kg減らす、7200kcal燃やすには、なんと18回走らなければなりません。10km走るって結構大変ですが、これを18回、月3、4回として約半年続けてやっと1kgだというわけです。 |
私にとっては非常に驚くべき事実でした。これだけ苦しい思いをして走ってるからと自分へのご褒美にビールをがぶがぶ飲んだりしていましたから。運動という個別最適ではよくても、全体最適が図れていなかったわけです。スポーツクラブのフィールドで一生懸命運動することに加え、外出時や家庭のフィールド等々、全体最適化を図っていく、フィールドをつないでいく、これが非常に大事になってきます。 |
このように、現状はどうなっているのか、この起点となる事実をまず押さえます。ここにはいろいろな可視化技術、技法があり、弊社にもIT系のツールが結構ございます。ただ、業務はITだけで成り立っているわけではありません。例えばITシステムから帳票を出して、上司のところへ持って行って説明をして承認をもらって、やっと判子を押してもらって、紙を持ってコピーをとる。そして書棚へ行って箱ファイルを持ってきて自席に戻って、さあファイルしようと思ったら今度は目の前の電話が鳴ったので取り次ぐとか、とにかくITの周りにいろいろな人間系の作業、活動、行動があります。
こういったところも踏まえてきっちり押さえようとする時に、人間系には人間系をということで、弊社では最近、ビジネス・フィールドワークに力を入れているわけです。(図表3) |
 (図表3)多様な可視化技術・技法 |
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