2008年 31号  発行日: 2008年12月5日 バックナンバー

2008年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2008年10月30日 開催地:ホテル新潟

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アンケート

特別講演「まちをアートで元気に」

記憶をまちに残す

阪神・淡路大震災でわれわれは、最も大切な基本の単位は「村」、つまり、コミュニティーであることを知りました。私がおります代官山は、日本の近代のまちづくりの中では極めて優秀な場所です。2000年秋から「アーバンビレッジ代官山」構想を打ち立てました。コミュニティーを大切にしながら、他を排斥することのないよう、東京のオアシスとしてのまちづくりが始まりました。

その1つが、同潤会代官山アパートの老朽化による解体でした。当時、ここには700人の地権者がおりました。親から子、そして孫と代々頑張ってきた方々の暮らす場所へ、新しい人々が急に入ってくると、その場所が荒れてしまいます。ですから、新住民との新しいコミュニティーをつくるために私は、同潤会の成り立ちから紹介する「さよなら同潤会代官山アパート展」や、「代官山ステキ発見フォトコンテスト」、解体寸前の部屋を借りた「アート展」などのイベントをプロデュースしました。ここで私たちが伝えようとしたことは、そこに生きた人々の「記憶」そのものが、「まち」なのだということです。合理的で、経済的なことだけでは、まちはできない。大切なのは、そこに残っている記憶なのだ。それがまちを本当に強く、やさしいものにすると思ったのです。

アパートの跡地は現在、「代官山アドレス」になり、高層ビルに変化しましたが、さまざまなアートがあり、トレンディドラマの舞台になる場所も出てきました。2年に1回は、多彩な人々が集まり、アートを軸にみんなでまちを楽しくする活動も行っています。

さよなら同潤会代官山アパート展-1

7:さよなら同潤会代官山アパート展-1
<平林薫(日本)> ©S.Anzai

さよなら同潤会代官山アパート展-2

8:さよなら同潤会代官山アパート展-2
<白井美穂(日本)> ©S.Anzai

掃除をせずに残された部屋にアーティストは、そこに残されていたロシアのこれからどうなるというタイトルの本を立てた

代官山アドレス パブリックアート エレクトロニックひまわり

9:代官山アドレス パブリックアート エレクトロニックひまわり
<ピオトル・コヴァルスキー(フランス)> ©S.Anzai

代官山アドレス パブリックアート

10:代官山アドレス パブリックアート ©S.Anzai
風力と太陽光を使った自動発電つきの防災ベンチ。阪神淡路の教訓からつくられ、座面をはずすと災害時役立つ器具が保管されている

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