2008年 31号  発行日: 2008年12月5日 バックナンバー

2008年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2008年10月30日 開催地:ホテル新潟

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アンケート

セッション1 「最新技術を活用したサーバ統合モデルの策定」
〜LS研究委員会2007年度研究分科会最優秀賞〜

山口亮介 氏

山口亮介 氏

株式会社宇部情報システム
情報処理サービス部 IT基盤グループ 主任
山口亮介 氏

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ITインフラが抱える課題

ご紹介にあずかりました山口です。よろしくお願いいたします。
テーマは「最新技術を活用したサーバ統合モデルの策定」ということで、研究を進めていくにしたがって明らかになったサーバ統合までの道筋とプロセス、さらにその先に見えてきたIT基盤全体を見据えた全体最適化について見ていただければと思います。

この研究は、いろんな業種のユーザー企業から集まったメンバー14名と、TA(Technical Adviser)が3名、事務局が1名、合計18名で研究を進めてきました。今回の研究で一番の特徴は、ユーザーの視点でサーバ統合というものを見つめ直して論文にまとめたところだと思います。ですから、共感していただける部分も多いと思います。

オープン化以来、システム、サーバはどういう状況にあったでしょうか。ご存じの通り、サーバの価格は低下し続け、ハードウェア性能は向上し続けてきました。価格性能比は一説によると数倍から数十倍になったそうです。その結果、多くのサーバでリソースが過剰な状態となっているところが散見されました。また、サーバをあちこちで購入、乱立してきたため、それに伴ってさまざまな問題が発生しました。例えば運用管理の煩雑化に関する問題。ハードウェアがリソースを利用できていない、つまり過剰投資ではないかと判断されてしまう問題。インフラの担当者はこういった問題に対し、日々対応で手いっぱいの状態でした(図表1)。

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(図表1)ITインフラが抱える課題1

そういった問題に対して現場ではどのような手が打たれてきたのでしょうか。多くのサーバを管理することになった結果、トラブルの種類が多岐にわたり、その工数が非常に大きくなりました。こういった状況に対して管理ツールなどを用いて管理を一元化してしまおうという管理統合や、各地に散らばるサーバを集めて1カ所で管理することによってコストを削減しようという位置統合、パーティション機能を使って複数のサーバを立てようという論理統合、1台のOSにたくさんのアプリケーションを同居させてしまおうという物理統合、こういったものが既存の統合手法として取り組まれてきました(図表2)。

ITインフラが抱える課題2 クリックすると拡大画像が開きます

(図表2)ITインフラが抱える課題2

しかしながら、こういった昔の手法では、既に稼働しているシステムに対してはシステムの大幅な変更が必要であるとか、コストを削減しようとしたのに実際にはその導入コストが高過ぎて導入できない、もしくは非常に少ないシステムしか対応できないといったことが発生しました。この結果、適用できる場所も効果も限定的になってしまいます。結局、今までのITインフラが抱えていた課題すべてを解決するものではありませんでした。これらを一気に解決してくれるかもしれない概念として、仮想化が出てきたのです。

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