| 2007年 27号 発行日: 2007年12月5日 |
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2007年度FUJITSUファミリ会 秋季大会
開催日:2007年11月1日 開催地:リーガロイヤルホテル広島
[Flash/15KB/96秒] Flashによる SLIDE SHOW
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セッション1「プロジェクトマネジャのなすべきこと」
プロジェクトマネジャの落とし穴
このアンケートの中で、現場の第一線で活躍されているプロジェクトマネジャの方に、「いつもマネジメントで心掛けていることは何か?」という質問も実施しました。まずは、意識です。PMとしてPMBOKの工程中のどのエリアを特に意識して仕事をしているか?いただいたコメントの内容を分析し、キーワードを9つの知識エリアに配置して、そのポイントを積み上げてみました。
やはりプロジェクト全般についての統合管理は、常に頭に置いているようです。残る8つの知識エリアに関しては、圧倒的に、コミュニケーションをしっかりしなければいけないと意識していることがわかりました。次に多いのが、人的資源です。メンバーをどうアサインするか。どう引っ張っていくかということを、常に意識していることが読み取れる結果となりました。(図表17) |
 (図表17)マネジメントで意識することは? |
「実際にどの局面で、どの知識エリアを重視していますか?」という問いに関しては、当然ながら統合に関しては、プロジェクト全域にわたって、特に立ち上げと最初の要件定義を意識しながら作業をしていることがわかります。(図表18) |
 (図表18)実際に重視している作業は? |
スコープ定義に関しては、ここで設計をしなければいけないので、要件定義をしっかり行って、そのスコープ範囲がずれないように、プロジェクト全域にわたって意識しています。タイム・マネジメントというスケジュール管理も、常に意識しているようです。しかし、人的資源とコミュニケーションを見ると、ほかに比べて意識と実作業の差が大きいことがわかります。作業ベースではあまり重視されていない印象です。 |
スケジュールの管理とコスト意識、品質管理をどう見ているかという、QCDに関わる知識エリアのタイム・コスト・品質では、スケジュール管理は上流工程も下流工程もしっかり意識しているようです。コストについては、上流工程では非常に意識していますが、下流に行くにつれてあまり意識しなくなっている結果が出ています。品質工程は、上流工程ではそれほど重きを置いていませんが、最後のテストフェーズになると、がぜん重視する傾向があるようです。(図表19) |
 (図表19)こんな傾向も… |
ここから我々は、プロジェクトマネジャの「落とし穴」を分析してみました。その一つは、コミュニケーション・マネジメントと人的資源に関して、重要性を理解しているにも関わらず、行っている意識があまりないのではないかということです。コミュニケーションが当たり前に思われていて、おざなりになっていないか?メンバーに対する意識や、どれだけ人がいなければいけないかということも含めた人的資源が、作業ベースでPMの仕事として浮かび上がってこない実情があるのではないかと思われます。(図表20) |
 (図表20)落とし穴を回避しよう! |
もう一つは、品質マネジメントとコスト・マネジメントのバランスの悪さです。今回の結果を見ると、品質マネジメントは、最後で帳尻を合わせれば良いと思われがちなのではないか?コスト・マネジメントは、立ち上げ時点でとりあえず予算内に収まれば良いと思い、後の工程ではほとんど意識されずに仕事をしているのではないか?PMBOKではこれらの重みづけはどこにもうたわれていませんので、こうしたものをフェーズごとにバランス良く、しっかりマネジメントしていかなければいけないのではないかと考えております。 |
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