2006年 20号  発行日: 2006年3月28日 バックナンバー

FUJITSUファミリ会 支部活動

アンケート
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海外視察研修(中国(上海))ご報告

目的: 中国における日系企業進出状況及び現地事情視察
日程: 10月26日(水) 浦東新地区:資生堂殿工場見学
上海市内:富士通上海(FCH)殿訪問
10月27日(木) 浦東新地区:上海リコー殿工場見学、UFJ銀行殿訪問
長谷川香料殿工場見学、上海華之桜信息系統有限公司殿見学
10月28日(金) 上海市内視察、豫園及び周辺散策、上海博物館、上海雑技団鑑賞など
10月29日(土) 上海市内視察、東方名珠、浦東空港(リニアモーターカー試乗)

訪問先概要とコメント

中国の上海浦東新区は、上海市中心部より黄浦江をはさんだ東側に位置しています。1990年より国家主導による本格的な開発が始まり、わずか10年余りで中国最大の開発区として驚異的な発展を遂げています。
中国最大の消費都市上海を控え域内に国際空港と大規模港湾施設を有する恵まれた立地条件に加えて、集中的な外資、多国籍企業の誘致により世界の先端技術が導入され、付加価値の高い製造業が集中しています。中国でも稀有な地域になっています。

■上海卓多姿中信化粧品有限公司(資生堂)

所在地: 浦東新区龍東大道1558号
資本金: 3,120万US$(設立時1,880万US$)
従業員: 281名(アルバイト含む)
敷地: 67,000平米(延べ床面積11,240平米)
設立: 1998年2月(稼動1999年10月)
生産品目: 化粧品350品目
合弁企業: 資生堂日本(63%)、華東CITC(12%)、資生堂中国(25%)

【コメント(参加者アンケートより)】
近い将来、中国の生活レベルが向上し、女性の化粧(美肌)への関心が高まることを視野に入れた同社の事業戦略を興味深く拝聴しました。対応頂いた植木副総経理殿の真摯な対応と、工場見学も写真撮影も自由で当視察研修への協力度の高さが印象的でした。

■富士通上海(中国)信息系統有限公司(富士通)

所在地: 上海市南京西路1168
設立: 2003年11月
従業員: 約300名
資本金: 2600万US$(富士通100%出資)
事業内容: 情報機器・ソフトの輸出入と販売。ソリューション/サービス/サポートの提供
事務所: 北京(傘型企業としての本社)、広州、天津、蘇州、杭州支店、香港(兄弟会社)、深せん

【コメント(参加者アンケートより)】
富士通グループの中国ビジネスへの取り組みのプレゼンは、中国におけるシステム化事業の現状と課題(注意点)が良く解って大変有意義でした。

■上海理光・ファックス有限公司

所在地: No885 Jingang Road, Jinqiao Export Processing Zone, Pudong New Area, Shanghai China
設立: 上海リコー・ファックス有限公司は1993年10月に上海ファックス公司、日本リコー、香港冠軍ファックスの共同出資で設立。本格稼動は1995年より。
資本金: 1780万ドル
従業員: 968人(内465名契約社員)2005.9時点、日本人:28名(3社合計)
製造品目: ファクシミリ及びそのマッチング部品、マッチング設備その他通信、オフィス自動化電子設備
売上高: 115億円(883.7百万人民元)
敷地: 58000平米(内SDR11040平米含む)

【コメント(参加者アンケートより)】
特に中国人従業員の方々と一緒になって、日々の改善活動を行っている雰囲気が伝わり、会社全体の活気が伝わってくるようで良かったです。また、日本人との価値観が異なる点(問題に対する原因追究の発想ではなく、問題が起きた際の処置能力が優れる。失敗を学ばない。)の説明は、非常に印象に残りました。

■UFJ銀行 上海支店

所在地: 浦東新区浦東大道1号中国船舶大厦 16F
従業員: 270人(日本人27名)
取引企業: 1,600〜1,700社(95%以上日系企業)
業務内容: 日系企業進出に関する業務、中国での貸出、預金が主(中国企業との取引をするライセンスを持っていなかったが昨年取得。)

【コメント(参加者アンケートより)】
長副支店長の説明は非常に明快でよどみ無く、あまり聞くことのできない貴重なお話を伺えました。「政治がミスリードしなければ、中国はこれからも右肩上がりで長期的に発展し、世界における地位は上がる。人民元も世界で通用する通貨に近づく。政治、賃金格差のリスクはあるが、中国で仕事をする人は確実に増える。日本が30年かけて行ってきたことを、彼等は10年で達成する。」という長副支店長の私見が、今回の視察研修を通して特に印象に残りました。

■長谷川香料(上海)有限公司

所在地: 浦東新区玉橋路2365号
設立: 1993年(工場操業2000年)独資。日本では102年の歴史がある。
従業員: 103名(日本人9名)
製造品目: 香料(食品120種:飲料、タバコ、お茶、果物、カップラーメン)
(香粧品200種:石鹸、シャンプー、その他家庭でつかわれる香料)

【コメント(参加者アンケートより)】
中国進出企業の一つのケース(状況、側面)を見ることが出来たと言う意味では、貴重な経験でした。やはり工場見学が出来るとよかったと思います。
(※香料の工場で配合そのものが企業のノウハウでどこの企業でも現場見学が困難とのこと)

■上海華之桜信息系統有限公司

所在地: 上海市愚_路546号4号楼3楼
設立: 2001年8月
従業員: 132名(内 技術者 122名、管理社10名)
資本金: 3億円(株)日中テクノパーク(日立製作所44%,大塚商会44%,東芝3%、オリジナルソフト9%)
売上高: 1.8億円(2004年度)
事業内容: ソフトウェアの受託開発、システム保守・運用サービス、ソフトウェア製品・ハードウェア製品の開発販売、日系企業向け技術者派遣

【コメント(参加者アンケートより)】
SIベンダーと言うよりは、一昔前のソフトウェアハウスと言った方が適切で、プログラマ集団という印象を受けました。我々の質問の核心をかわす王総経理の巧みな対応に、外交に長けた中国の交渉術を垣間見ました。

研修全般を通して(参加者アンケートより)

  • 上海の発しているエネルギーに驚嘆しました。
  • 今回の研修においては、中国(上海)の現状を観光含めいろいろな角度から見ることができ、大変有意義なものであったと思います。特に各訪問先企業の方たちには親切に対応していただきよかった思います。企業訪問では、どこの企業でも中国固有の労務管理の難しさや、中国政府系企業との合弁企業時のノウハウ流出対策など、規制のいろいろある国での活動内容を具体例を交えて聞くことができ、苦労している点がよく理解でき、勉強になりました。特に、一番驚いたのが、労を労うことを単純にできないことで、基本的に日本の文化、慣習を取り入れ単純に対応することは難しく、仕事そのものでの苦労より従業員に対する接し方の苦労のほうがあるような気がしました。
Flashムービーによる SLIDE SHOW

Flashムービーによる SLIDE SHOWで、視察風景のダイジェストがご覧いただけます。

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