豊かに生きる誌上セミナー HUMAN HUMAN


スマホだけで簡単! 動画活用のススメ
第3回 見てもらえるスマホ動画作りのポイント

動画制作講師・コンサルタントとして活躍される金澤月子さんを講師に迎え、スマホだけで可能な動画制作について解説いただいてきたこの企画。最終回となる今回は、実際に動画活用にチャレンジしようという方のために、動画制作で失敗しないためのポイントを紹介します。

第一回はこちら:スマホだけで簡単! 動画活用のススメ


第二回はこちら:ビジネスからプライベートまで、スマホ動画の活用法

Profile

民放テレビ局の番組制作ADとして視聴率No.1を競うバラエティ番組を数多く担当したあと、ドキュメンタリー番組のディレクター、プロデューサーを経て、映像制作講師として独立。テレビ番組制作現場で約20年にわたり培った知識と経験を活かし、幅広いユーザーを対象に、プロフィール動画や集客動画など、スマホ1台で可能な動画制作をサポート。埼玉県の子育て支援団体NPO法人ふうせんの副代表理事を務めるほか、手相鑑定のYouTubeで1.7万人の登録者を集めるなど、多方面で活躍中。

初級編 ポイント1:ターゲットと目的を明確に

動画に限らず、あらゆる情報発信の基本となるのが、誰に、何のために見てもらうのかを考えること。特にターゲットの属性を明確に設定することは、要素の取捨選択や表現方法を考えるうえでの大前提となります。
イメージしやすいよう料理動画を例にとると、「料理をしたことのない人」に基礎から解説するのか、「日常的に料理をしている人」を対象にワンランク上の調理法を伝えるのかによって、動画の内容が大きく異なります。前者をターゲットとする場合。例えば玉ねぎの皮の剥き方、切り方から説明する必要がありますが、後者にとっては当たり前のことなので、かえって「早く本題に入ってほしい」と思わせてしまいます。
このように、動画制作で必要なのは、知識やスキルよりも想像力や共感性。あなたの作った動画を見た人の笑顔をイメージするところから始めましょう。

初級編 ポイント2:わからないことは動画で調べる

これまでお伝えしたように、動画制作はスマホ1台で始めることができますが、実際にやり始めてみると、もっと工夫したい、もっと本格的な動画にしたいという想いが出てくるかもしれません。そんなときこそ、ネット上の動画を活用してください。
知りたいこと、疑問に感じていることなどを、一般の検索サイトではなく、YouTubeなど動画SNSで検索してみれば、該当する動画がすぐ見つかるはず。テキスト中心の記事では理解できなかったことが、短時間でスムーズに理解できるでしょう。
参考までに、動画制作でよくある疑問にお答えする動画を紹介します。このほかにもYouTubeやホームページ、メルマガで多くの記事を掲載していますので、興味のある記事からご覧ください。


中級編 ポイント3:「1動画1テーマ」で短くまとめる

近年、動画SNSの主流は「リール」と呼ばれる縦長の短編動画。スマホの普及により動画も縦型の時代になました。短ければ15秒、長くて90秒というコンパクトさが人気の秘訣です。
ビジネス用の動画制作でも、特にYouTubeなど動画SNSに投稿する際は、できるだけ短く簡潔にまとめたいものです。お金を払ってでも見たいという名作映画ならともかく、たまたまSNSで見つけた動画を長々と視聴してくれる人は、ほとんどいないと考えるべきです。
まずはポイント1で述べたターゲット設定をもとに、伝えるべき内容を絞りこみましょう。どうしても要素が多くなるなら、「1動画1テーマ」で短く区切った動画を複数作成しましょう。おせち料理の料理動画なら、黒豆やごまめなど1品ごとに映像を分ける、着物の着付け動画なら、肌着、着物、帯で分けるといった具合です。
そうすることで、視聴者は必要な部分だけを選択でき、興味があれば関連動画も見ることができるので、「知りたい情報がすぐに見られない」というストレスを与えることなく視聴してもらえます。


動画編集ソフトの使い方:テーマごとに20~30秒の画像を10本用意しています。

中級編 ポイント4:視聴者に興味あるシーンからスタート

1分程度の短い動画であっても、最後まで見てもらえるとは限りません。視聴者に最後まで見てもらえるかどうかは、冒頭の数秒で決まります。例えば、ゴルフレッスン動画だったら、まずはスイングから、釣り動画だったら、まずは釣れた魚を手にしたシーンからなど、冒頭で視聴者の興味を引き付けることが重要です。
ここでも、ポイント1で述べたターゲット設定が前提になります。想定する視聴者の身になって、どんなシーンを見たいかを想像することが、見てもらえる動画制作のポイントです。

上級編 ポイント5:事前に簡単なシナリオを用意

動画作成に慣れてきて、より訴求力のある動画を作ろうと考えるなら、事前にシナリオを作成することをお勧めします。
シナリオといっても文章力は必要ありません。伝えたい情報を整理し、そのために必要なシーンをリスト化するだけで十分です。そのリストをもとに、撮影・編集を進めることで、訴求力のある動画をスムーズに制作できるようになります。
例えば、料理動画を作る際にありがちなのが、下ごしらえから完成まで、すべての手順を撮影したため、編集に苦労するというものです。時間がかかるだけでなく、取捨選択に迷った挙句に長編動画となり、誰も見てくれないということにもなりかねません。反対に、ポイントとなるシーンを選んで撮影したところ、必要なシーンを撮り忘れて、もう一度料理するといった失敗例も。
事前にシナリオを用意することで、必要なシーンだけを漏れなく撮影し、効率的かつ効果的な編集ができるでしょう。

上級編 ポイント6:ターゲットの興味を検索ワードに

せっかく制作した動画も、その存在を気づいてもらえなければ視聴してもらえません。検索結果が表示される際に、1ページ目、それも上位に表示されなければ、見てもらえる可能性は非常に低くなると認識すべきでしょう。
そこで重要なのが、投稿サイトでの「検索ワード」の設定です。専門用語だと「SEO(Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化)対策」と呼ばれますが、要は、視聴者が見たい動画を探す際に、どんなワードで検索するかを想定し、検索結果上位に表示されるための工夫です。
ここでも重要なのがターゲット設定で、相手がどんなワードで検索するかを想像してみましょう。想像が難しいという場合は、実際に検索サイトで、検索予測を調べてみることをお勧めします。詳細は以下の参考動画をご覧ください。

番外編 ポイント6:デジタルネイティブな若手を活用する

ここまで、動画制作のポイントをいくつか紹介してきましたが、「興味はあるが、やはり自分には馴染みがない…」という方には、いっそ若手社員にお任せすることをお勧めします。
デジタルネイティブな若者たちは、普段から動画に親しみ、動画SNSに投稿した経験を持つ人も少なくありません。社内の人が知らないだけで、実はプライベートでは動画SNSで名を馳せているインフルエンサーだったということも、ありえないことではありません。
そうした若手社員に仕事として動画制作を任せることで、単に良い動画ができるというだけでなく、社員の自己肯定感やモチベーションの向上も期待できます。
その際、若手社員に丸投げするのでなく、できる範囲で関わってみてはいかがでしょう。特に「世代の壁」を感じている場合、一緒に動画制作に取り組むことで、お互いに職場で見えなかった側面を見出し、コミュニケーションを深めるきっかけになることでしょう。
本記事をご覧いただいた皆さんに、動画制作が様々なメリットをもたらすことを願っています。

スマホ動画コンテスト2023 開催!

スマホ動画制作にチャレンジしてみませんか?
グルメやファッション、趣味など、身近なテーマで短い動画を制作し、ファミリ会の皆様にシェアしてください。
これをきっかけに、動画制作のスキルが身に磨きをかけて、ビジネスにもお役立ていただければ幸いです。
応募作品はFAMILY NEWSサイトに掲載され、その中から入賞作品を選出します。
皆様からのたくさんのご応募をお待ちしております。

応募テーマ【スマホ動画に初挑戦!】
動画の作り方は、掲載中の各記事を参考にしてみてください。
まずは、1分くらいの短い動画を作ってみることをおすすめします。

第一回スマホだけで簡単! 動画活用のススメ
第二回ビジネスからプライベートまで、スマホ動画の活用法
◆応募締切:2023年9月15日(金)
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