ASPの最大のメリットは経済性です。コストはアプリケーションを使った分だけの使用料で済み、特別なソフトウェアやハードウェアを購入する必要がなく、ライセンス料や導入コストも不要です。サーバやソフトウェアの運用、保守、管理はASPベンダーが行うため、ユーザー側では維持管理のための人的リソースも不要です。設置スペースなどの環境コストも不要です。機器の調達、設定、ソフトウェアの導入も短期間で行うことができます。
高額なITコストに二の足を踏む中小企業にとっては願ってもない話です。
しかし、デメリットも小さくありません。ASPで提供されるアプリケーションはその多くがパッケージソフトのフロントエンドをHTML化したもので、カスタマイズや他システムとの連携を前提にしたものではありませんでした。そのため、ユーザーの業務に合わせたカスタマイズや他システムとの連携が困難でした。使い勝手や性能にも問題がありました。ネットワーク越しの利用に最適化されているとはいえず、そのネットワークも現在のように高速でありませんでした。そのため、操作性・応答性、性能が十分とは言えなかったのです。さらに、セキュリティ技術が確立されていなかったためユーザーの不安を払拭できませんでした。「これからのコンピュータはASPで」というマスコミの思惑通りにはいかなかったのです。
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