2008年 30号  発行日: 2008年9月19日 バックナンバー

社会全体で取り組む「ユニバーサルデザイン」

アンケート

第3章 富士通の取り組み

富士通では、「誰もが参加できるIT社会を目指して」ユニバーサルデザイン活動を推進しています。ITが使えない、使いにくいといった障壁が生じないようにすること、さらに、ITを活用してこれまで社会参画が困難であった活動や分野に参加できる人が増える社会を目指しています。

富士通の取り組み手段

ITのユニバーサルデザインを推進するために、富士通は2つの軸で製品やサービスの開発を進めています。それが、「利用できる人を拡大すること(アクセシビリティの向上)」と、「使いやすくするための工夫(ユーザビリティの向上)」です。

「誰もが参加できるIT社会を目指して」

富士通のユニバーサルデザインの4つの視点

富士通では製品やサービスが、誰にとっても利用しやすいものであるために、以下の4つの視点をデザインに活かしています。

  1. 五感をおぎなう
    視覚や聴覚など、五感の機能低下が、製品やサービスの利用制限にならないよう、多様な利用方法を提供します。

  2. 身体をいたわる
    体格や筋力の違い、運動・姿勢の制限、車いすの使用の有無などによらず利用でき、負荷や疲労が最小限になるよう、寸法、配置、操作方法などを設計します。

  3. 経験や文化を気づかう
    多様な経験や文化を持つ利用者が使用方法を理解でき、誤解が生じないよう、言葉や表現方法に配慮した情報を提示します。

  4. 使いやすさを極める
    すべての利用者の作業の安全性・安心感、効果・効率、満足感などが高まるよう、徹底的に使いやすさを探求します。

富士通のユニバーサルデザインの3つの構成

ITベンダーとして富士通は、「IT」はもちろん「Work Style(働き方)」「Work Place(働く場)」を含めた「三位一体」の考え方を基礎にさまざまな社内実践を行い、人間中心の最適化を追究しています。

  1. IT
    富士通が提供しているIT製品は、個人が使う携帯電話・パソコンから公共機関で使うATMに至るまで、ユニバーサルデザインに徹底的に配慮したものになっています。

  2. Work Place
    多様化する働く場、そこで働く人、訪れる人に配慮しながら、環境や空間を最適化する取り組みを実践しています。

  3. Work Style
    社員同士・お客様とのコミュニケーション・富士通グループ全体の働き方(ワークスタイル)にユニバーサルデザインを浸透させていくことを目的として、ワークスタイルガイドラインを用意しています。

ユニバーサルデザインの視点からのビジネスプロセス

富士通はユニバーサルデザインを、ものづくりに限ることなく、フィールドイノベーション(ビジネス現場の革新)としてとらえています。ビジネスにおける業務革新の一環として取り組み、自社内でも推進していますし、サービスとして提供もしています。
そのプロセスが以下の図です。
業務改革の実践に向けて、欠かせないのが、最初のステップとなる「正しい現状把握」です。ここでは、以下を分析します。

  • 日常業務におけるムリ・ムダ・ムラを発見する「業務分析」
  • 従業員の行動、オフィス・店舗環境を調査する「空間分析」
  • 現場業務に関わるワーカーの業務に対する意識にフォーカスした「ワーカー分析」
  • ITソリューション導入によるCO2排出量の削減効果を試算する「環境負荷分析」

これらを実施して、解決するべき課題を確実に把握します。これによって、「改善方針の検討」をし、具体的な機器やインターフェース、空間などの設計と生産に入ります。

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