ユニバーサルデザインの考え方は海外からもたらされたものであり、日本人はそれに追随しているばかりに聞こえるかもしれません。ところが、ユニバーサルデザインの具体的な製品になると、日本は海外に先駆けて量産し、リーダー的な役割をしています。「障がいの有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいように」というユニバーサルデザインは、宗教的、人種的影響が他国よりも少ない理由もあり、日本から世界に向けて発信している文化と言えます。
ユニバーサルデザインの自動販売機
従来よりも飲み物の取り出し口が上に配置されている自動販売機が多くなってきました。これがユニバーサルデザインの一例です。しゃがみこむ必要がなく、楽な姿勢で飲み物を取り出すことができます。車いすの使用者、足腰が弱くなった人やけがをしている人の体への負担を軽減できます。
また、飲み物を購入するためのボタンを、上段と下段の両方に配置しています。上段のボタンに手が届きにくい車いすの使用者や子どもにとっても、押しやすいように配慮されています。

ユニバーサルデザインの駅
駅では、エレベーター、エスカレーター、階段など、利用する人が自分にあった手段を選択できることが大切です。現在、車いすを使用する人、ベビーカーを押している人、足をけがした人、足腰が弱くなった人、スーツケースやキャリーカートを引いている人など、さまざまな人にとって利用しやすい駅が多くなってきています。さらに、音声で操作や到着階をガイドする、扉が前後にあり方向転換しないで通り抜けられるようにスルー方式を採用する、などの工夫がされています。
転落防止柵を設けたホームも多くなりました。誤ってホームから転落する事故を未然に防ぐことができます。

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