2006年 22号  発行日: 2006年9月21日 バックナンバー

ハイビジョンと最近のテレビ事情

アンケート

第2章 これからの放送(ハイビジョンを楽しむ)

現在、ハイビジョン放送を行っているのは、「BSデジタル放送」、「110度CSデジタル放送」、「地上デジタル放送」です。

なお、「BSアナログ放送」でもハイビジョン放送は行われていますが、2007年には停波が予定されていますのでここでは触れません。

BSデジタル放送

BSデジタル放送は、放送衛星BSAT-2aを使い、2000年12月に放送が開始されました。BSは放送衛星(Broadcasting Satellite)の略です。

NHK BS−1・BS−2・BShiと、民放のBS日テレ、BS朝日、BS−i、BSジャパン、BSフジ、有料放送のWOWOW(デジタル)、スター・チャンネルBSが番組を放送しています。

契約が必要なWOWOW、スター・チャンネルBS以外は、機器を用意すればすぐに視聴できます。ただし、放送の限定受信およびコピー制御(コピーワンス)が実施されていますので、B-CASカードを受信機器にセットしないと視聴できません。

また、BSデジタル放送の民放局は、マスメディア集中排除原則のため、地上波の放送局によるBS放送の兼営が認められておらず、別法人となっています。そのため肖像権や著作権の関係で、地上波放送の番組をBSで放送することが簡単にはできず、視聴者獲得には苦戦しているようです。

110度CSデジタル放送

東経110度の通信衛星を利用したCSデジタル衛星放送で、2002年にサービスが開始されました。CSは通信衛星(Communications Satellite)のことで、本来はケーブルテレビ向けのテレビや企業内または企業間の通信用の衛星です。放送法の改正により1992年に通信扱いの一部のチャンネルで個人向けの放送が可能になりました。
110度CSデジタル放送は、BSデジタル放送衛星と同じ角度に衛星が上っているので、BSデジタル放送とアンテナを共用することができ、チューナーも共通化されています(一部に110度CSデジタル放送を受信できないものもあります)。

2007年8月現在、110度CSでは2社が放送を行っています。

1社はスカイパーフェクトコミュニケーションズです。「スカパー!110」(SKY PerfecTV!110)の名称で、スポーツ、音楽、映画など約70の専門チャンネルを有料放送しています(一部に無料放送もあります)。ハイビジョン放送も一部のチャンネルで行っています。「スカパー!110」は、従来からある有料の多チャンネル放送「スカパー!」(SKY PerfecTV!)とは別のサービスです。受信に必要な機器、チャンネル数、受信契約の内容は異なっています。

もう1社は、WOWOWです。「WOWOWデジタルプラス」の名称で、2つの情報系のチャンネルを有料放送しています。こちらも衛星放送のエンターテインメント中心のWOWOWとは別のサービスです。

地上デジタル放送

2003年に開始され、受信エリアを拡大中で、2006年8月現在、国内のほとんどの主要エリアで視聴できるようになっています。

地上デジタル放送では、地上波アナログ放送と同じ番組がハイビジョンで放送されています。デジタルに完全移行する2011年までの間は、この状態が続くようです。

現在のところ、4:3のSDTVで作成した番組に左右の余白を追加して、16:9の番組として放映する番組が目立ちます。地上デジタル放送の特徴のひとつ「マルチ編成」もほとんどありません。地上デジタル放送は、まだデジタル放送の本来のメリットを生かした番組が少ないのが実状です。

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