*本講座は4回連載です
FUJITSUファミリ会の論文にご興味がある方は「FUJITSUファミリ会 論文」サイト
をご覧ください
|
文章作成は仕事の基本。論理的な内容を正確に伝達し、残しておくためには、やはり文章が一番です。現代人は書くことが苦手といわれますが、考えてみれば毎日の業務日誌やメールのやり取りも同じこと。文章を書かない日など、一日もないといってよいかもしれません。本講座は、「FUJITSUファミリ会2009年度論文 執筆の手引き」をもとに、日常のビジネスシーンで役立つ文章作成力と一般的な論文作成のためのポイントを4回連載でご紹介していきます。ぜひこの機会に文章作成力に磨きをかけてみてください。 第3回 重点先行型のススメ《第3回のねらい》 1. パラグラフとトピックセンテンス興味を引き、意図が理解しやすい文章に不可欠な要素は、明解さとおもしろさです。論理性を追求するあまり、機械的に淡々と続く文章では、読み手の興味をそぐことにつながりかねません。読み手にとって心地よく、かつ明解さとおもしろさをあわせ持つ文章にするには、どうすればよいのでしょうか。 重点先行型の文章を作成するためには、「パラグラフ」と「トピックセンテンス」という言葉をまず理解してください。
トピックセンテンスがパラグラフ全体の要約や結論になっていると、読み手はそのパラグラフの要点を理解した上で、トピックセンテンス以降を読み進めることができます。つまり重点先行型とは、結論を先頭に置き、結論に至る論理を展開する文章構成です。こうした文章構成を意識することは、文章をわかりやすくすることにつながります。 重点先行型文章のメリットの1つは、読み手が一目で書き手の意図を理解できることです。パラグラフの先頭がトピックセンテンスになっていれば、そのタイトルと先頭部分を拾い読みするだけで内容がおおむね把握できます。だからこそ、パラグラフの先頭に伝えたいことを書いておくと効果的なのです。 2.重点先行型の文章構成法それでは、トピックセンテンスによる重点先行型パラグラフとはどういうものなのかをみていきましょう。 〈例文1〉 私は年に2回ほど、学生時代からの友人たちと温泉旅行をします。目的地に着くまでの車中で食べる駅弁は、楽しみのひとつです。みんなで一緒に食べながら、いろいろな話に花が咲く時間でもあります。その駅弁の包装紙をきれいにたたみ、ファイルしておけば、それを開くたびにその時の旅行を思い出せます。私の宝物は、思い出の詰まった駅弁の包装紙です。 例文1は、友人との温泉旅行の話、駅弁の話、包装紙の話などが綴られています。ところが、書き手のいいたいことが自分の宝物の紹介だったということは、最後まで読まないとわかりません。 そこで、重点先行型に書き換えてみます。 〈例文2〉 私の宝物は、思い出の詰まった駅弁の包装紙です。年に2回ほど学生時代からの友人たちと温泉旅行をします。目的地に着くまでの間、いろいろな話に花が咲き、その車中でみんなで一緒に食べる駅弁は、楽しみのひとつです。その駅弁の包装紙をきれいにたたみ、ファイルしておけば、開くたびにその旅行を思い出させてくれます。 例文1の最後にあったセンテンスをトピックセンテンスとして先頭に持ってきたことで、書き手が主張したいことが最初にはっきり理解できるようになりました。これが重点先行型という手法です。ここでのポイントは、何がトピックセンテンスであるかということを、書き手がしっかりと把握することです。 3.箇条書きの活用文章を引き締め伝わりやすくする手法の1つに、箇条書きがあります。 〈例文3〉 グラフとは、情報を視覚的にわかりやすく示したもので、用途にあわせた多くの種類があります。時系列に沿った数量の変化を表す棒グラフ、その中でも傾向を表す折れ線グラフ、全体に対する各項目の構成・割合、相互関係を表す円グラフ・帯グラフ、複数のデータ系列のバランスを表すレーダーチャートなどです。こうしたグラフの選択のポイントは、訴求したいポイントが最適に表せるグラフを使用することです。 〈例文4〉 グラフとは、情報を視覚的にわかりやすく示したもので、以下の種類のほか、さまざまな用途にあわせたグラフがあります。 1つの文章の中で、グラフの種類をだらだらと書くより、箇条書きのほうがスッキリと整理された形で伝わります。また、箇条書きは自分の考えを絞り込むのにも有効な手法です。伝えるべきポイントの確認や、優先順位を明確にするなど、よりわかりやすく見せる手法である箇条書きも身につけてください。 次の課題文を、今回学んだことを意識し書き直してみましょう。 〈課題文〉 当社のバーチャルショップでは、最初の30日は無料お試し期間になっています。もちろん、この期間は全機能をお試しいただけます。契約後は追加料金・手数料も一切不要ですので、お支払いいただく料金は固定料金のみで変動しません。 課題文はバーチャルショップの具体的な料金システムをあげてから、「初心者でも使える」という大前提を述べています。しかも、2つの具体的なシステムの説明にまとまりがなく冗長です。最初に特長を述べてから、詳細を整理したほうがよさそうです。 重点先行型に書き直し、箇条書きで整理すると、次のようになります。 〈解答例〉 「当社バーチャルショップの特長」 1)トライアル30日間 課題文では最後まで読まないと伝わらなかった特長も、重点先行型にすると、読み始めでわかりやすくなります。さらに箇条書きで整理したことにより、料金システムの詳細がはっきりしました。 今回は、重点先行型文章作成法を解説しました。 今日から使える「文章作成力」
【参考サイト】 |
All Rights Reserved, Copyright(C) FUJITSUファミリ会 |