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タブレット導入事例 -株式会社LIXIL様

ビジネスのこんなところにタブレット。タブレット導入事例-株式会社LIXIL様

タブレットを活用した工場での帳票電子化により
トレーサビリティ・生産性・品質の向上を実現

株式会社LIXILの有明工場は、中四国・九州地区の統括工場であり、ビルや住宅のアルミサッシを原材料から一貫生産している。工場内は生産管理システムによりトータルな管理が行われているが、一部に紙による運用が残っており、トレーサビリティ、生産性、品質管理などの面から課題となっていた。そこで、ビル加工課にタブレットを導入。現場で画面を見ながら検査や加工を行う体制を確立し、効率化と標準化による品質向上などを実現した。

【 課題と効果 】
1 生産工程の多くが紙の指示書に頼っており、トレーサビリティや生産性の面で課題 タブレットを用いて指示を電子化することで、確実なトレーサビリティを実現し生産性も向上
2 生産ラインにおいては、固定端末では入力可能な場所が限られるため非効率であり、かつ業務上手袋が必須なので端末の操作が困難 持ち運び可能なタブレットを選択することで、端末を固定せず様々な現場で利用可能に
3 既存資産のアプリケーション移行に膨大な工数が掛かる Windows 8タブレットを選択することで既存資産を活用し、短納期での構築が実現。また、ペンを活用したタッチ操作を取り入れることで作業効率も向上

導入の背景

生産プロセスの一部を紙で運用、準備や管理に多大な手間と時間を要する

東京ドーム8個分の広大な敷地に800名以上が働き、多種多様なアルミサッシを生産しているLIXIL有明工場。ビル加工課で紙による運用が行われていたのは、サッシの生産工程と検査工程である。まず、生産の5日前に生産管理システムから該当日に生産される予定の指示書を出力する。指示書はそれぞれ1枚しかないので、関わるプロセスの数だけコピーをして配布するが、その枚数が1ラインあたり1日約500枚。全15ライン分ともなると1日約7,500枚を用意することになるため、担当者を2名配置している。しかも、生産計画は日々変わっていくので、変更の度に差し替える必要がある。このコピーと配布、差し替えなどにビル加工課全体で20名が関わっていた。

写真 1:広大な面積を誇るLIXIL有明工場(左)。ビル用アルミサッシの生産には、1ラインあたり1日約500枚もの指示書をコピーし配布する必要があった(右)。

写真 1:広大な面積を誇るLIXIL有明工場(左)。ビル用アルミサッシの生産には、1ラインあたり1日約500枚もの指示書をコピーし配布する必要があった(右)。

株式会社LIXILプロダクツカンパニー 有明工場 ビル加工課 課長 山口恵治氏は、「2010年初頭に、戸頃統括工場長が、システム化が進んでいる他工場から異動してきました。そして、紙の帳票や図面が多く残る現状を見て、帳票の電子化を目指すよう指示があり、取り組みを始めました」と話す。

株式会社LIXIL プロダクツカンパニー 中四国・九州統括工場 工場長付 高田朋宏氏

株式会社LIXIL
プロダクツカンパニー
中四国・九州統括工場
工場長付
高田 朋宏 氏

株式会社LIXIL プロダクツカンパニー 有明工場 ビル加工課 課長 山口恵治氏

株式会社LIXIL
プロダクツカンパニー
有明工場
ビル加工課
課長
山口 恵治 氏

同社が目指したのは、効率化による生産性向上と同時に、トレーサビリティの向上、さらには作業の標準化による品質向上である。

その実現に向けて、LIXIL有明工場では、まずMicrosoft Accessによるアプリケーション開発に着手した。開発にあたった株式会社LIXILプロダクツカンパニー 中四国・九州統括工場 工場長付 高田朋宏氏は、「上位システムにあたる生産管理システムは、全社システムを担当するLIXILインフォメーションシステムズ(LIS)が担当しています。LISに頼んで生産管理システムに機能を組み込む方法もありましたが、今回は新しい試みでもあり、それよりは、現場で作っては試し、現場の要望を聞いて作ることにしました。現場での試行錯誤を25回くらい繰り返し、3カ月程度で作り上げました」と語っている。

アプリケーションの開発と並行して、生産ラインで使う端末の選定も始めた。

導入のポイント

機能や性能が高くサポート力にも優れた富士通のタブレットを選択

株式会社LIXIL IT推進本部 SCM IT推進部 延本敏之氏

株式会社LIXIL
IT推進本部
SCM IT推進部
延本 敏之 氏

当初端末は、ノートPCなども考えたが、ノートPCでは基本的に固定の設置場所でしか使えず、その場所に戻って入力する必要がある。そこで、持ち運べるタブレットに絞って検討を始めた。高田氏は、「開発の容易さを考えると、やはりWindowsが最適でした。また、最近のユーザーはズームアップなどタッチ機能に慣れているので、それができるWindows 8を選びました」と語っている。

一方、本社側でもタブレットを巡る動きがあった。同社では現在基幹システム刷新プロジェクトが行われており、その端末としてタブレットも利用したいと考えていたのだ。ただし、本格的に導入するには標準機として認められなければならない。株式会社LIXIL IT推進本部 SCM IT推進部 延本敏之氏は、「当社ではiPadなども使っていますが、既存のアプリケーション資産やOfficeが使えるWindows 8のタブレットを標準機にしたいと考えていました。そこで、複数のWindows 8タブレットを比較検討した結果、ペンが付随しているなどのユーザビリティなども含めて評価が群を抜いて高かった富士通のタブレットを選び、2013年6月標準機として認定しました」と話す。有明工場側でも、性能やサポート力から富士通製を歓迎。高田氏は、「富士通はサポートがよく、エンジニアも当社のことをよくわかっている人が対応してくれるので、安心して任せられます」と語っている。

そして2013年8月には全国の工場で合計75台を導入。有明工場には20台が導入された。

写真 2:従来、紙の指示書にボールペンで行なっていたチェック作業(左)。タブレットに置き換わったことにより、作業の標準化・効率化と確実なトレーサビリティを実現(右)。

写真 2:従来、紙の指示書にボールペンで行っていたチェック作業(左)。タブレットに置き換わったことにより、作業の標準化・効率化と確実なトレーサビリティを実現(右)。

導入効果

事前準備の手間が激減しトレーサビリティの観点からも効果

株式会社LIXIL プロダクツカンパニー 有明工場 ビル加工課 鈴見崇氏

株式会社LIXIL
プロダクツカンパニー
有明工場
ビル加工課
鈴見 崇 氏

今回のシステムでは、まず生産前日に必要なデータを生産管理システムから取得。ビル加工課の組み立てラインで、タブレットを使って検査依頼書を見ながら加工前の原材料をチェックする。問題がなければ、次の加工プロセスで必要となる加工指示図面をタブレットに表示。その指示書を見ながら加工し、終わったらタブレットでチェック。組み立てラインへと送り出す。

株式会社LIXILプロダクツカンパニー 有明工場 ビル加工課 鈴見崇氏は、「紙のコピーや配布の手間がなくなり、事前準備の効率化が実現しました。従来は5日前に紙の指示書を出していましたが、データ化したことで前日に出力すればよく、その時点では生産計画はほぼ固まっているので、プロセスの入れ替えに伴う紙やデータの差し替えもなくなりました。また、従来管理できていなかった部分までデータがとれるようになったことも、トレーサビリティの観点から大きな成果です」と語っている。

今回のタブレット導入やアプリケーション開発の一連の取り組みでは、ベテランのノウハウをシステムに取り込むなど、様々な角度から業務プロセス改革を実施。山口氏は、「タブレット以外の改善活動も含め、取り組み全体で約30%の効率化を実現しました。紙の指示書ですと個人の癖が出るメモ書きなども発生しがちですが、タブレットになったことで手順が統一され、標準化も進みました」と成果の一端を話す。

写真 3:加工ラインでは、タブレットに表示される検査依頼書で加工前の原材料をチェックする(左)。自由に持ち運べるので、作業効率向上にも貢献(右)。

写真 3:加工ラインでは、タブレットに表示される検査依頼書で加工前の原材料をチェックする(左)。自由に持ち運べるので、作業効率向上にも貢献(右)。

写真 4:一部の加工工程では、加工の手順を工作機械脇に置いたタブレットでチェックしながら作業。ペン操作なので手袋でも問題がない。

写真 4:一部の加工工程では、加工の手順を工作機械脇に置いたタブレットでチェックしながら作業。ペン操作なので手袋でも問題がない。

今後の展開

帳票電子化の範囲を広げ、さらなる生産性向上やコスト削減を目指す

LIXIL有明工場では、今回の取り組みはまだ工場の一部にとどまっている。ビル加工課では、より一層の効率化に向けて、ライン全体を通して帳票をすべてなくすことを目指している。さらに、ビル加工部門の成果を材料部門や住宅部門に広げ、工場全体の帳票電子化に取り組みたい考えだ。

一方で、現場では新しいプロセスをどう浸透させるかという課題もあるという。鈴見氏は、「今まで紙を使ったプロセスで業務を行ってきましたから、それに慣れているベテランにはやりにくい部分もあると思います。そうしたベテランにも使ってもらえるよう、改善していきたいと思います」と語る。

本社から各工場を見ている延本氏は、「まずは使ってみて欲しいということで、全国にタブレットを配布していますが、技術力がないとなかなか使えません。今回の有明工場の取り組みはいいパッケージになると思うので、全国に広げて全体の底上げにつなげたいですね」と語っている。

さらに延本氏はタブレットについて、「今後最新の富士通のタブレットも導入していく予定です。バッテリーの持ちや軽さも向上しているようなので、期待しています」と話す。

LIXIL有明工場の取り組みは、まだ緒に就いたばかり。しかし、確実に成果は出てきている。着実に活用範囲を広げ、生産性、トレーサビリティ、品質の向上をさらに推し進めていくことだろう。

写真 5:取材に快く応じてくださったLIXIL有明工場の皆様。

写真 5:取材に快く応じてくださったLIXIL有明工場の皆様。

【株式会社LIXIL様 概要】
ユーザープロフィール 株式会社LIXILは、トステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアが2011年4月1日に統合して誕生。住まいや暮らしに関わるあらゆる商品・サービスを提供する総合性と、高い専門性の両方を備える事業展開により、市場をリードしている。北米で138年の歴史を持つ「アメリカンスタンダード ブランズ」の子会社化やドイツの高級水栓金具メーカー「グローエ」の買収など、グローバルな展開も加速させている。
本社所在地 東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング36階
設立 2001年10月1日
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ハイスペック防水タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q704/H」

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高精細防水タブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q584/H」

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注1:耐薬品はカスタマイズです。
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