「任して任さず」(2010年9月)
LS研幹事 パナソニック電工インフォメーションシステムズ株式会社 常務取締役 運用・CIO・人事担当 サービスビジネス本部長 黒野 尚氏 |
私が松下電工(現パナソニック電工)に入社したのは、今から30年以上前になりますが、仕事の仕方として、繰返し教えられたのは「任して任さず」の考え方です。
パナソニック電工では、「ものをつくる前に、ひとをつくる」という理念のもと、「任して任さず」という職場環境の中で、社員一人ひとりが自主的に仕事をする事が社員の成長、 リーダーの育成に繋がっています。
「任して任さず」とは、仕事をするにあたって権限を委譲し、任された責任者の判断で仕事をしていってもらうが、しかし任せっぱなしにせず、適時適切に報告を聞き、 必要であれば的確な指導・助言を与えるという事であり、それが上司の務めであるという考え方です。任された方も、「任す」と言われたからといって、まったく勝手にやっていい訳ではなく、 任した上司の思いを理解・実践し、適時適切に報告・相談して仕事をする事が求められる訳で、またそうしてくれる人間と判断したからこそ、上司も仕事を「任す」訳です。
私もリーダーの育成の為、仕事の大小を問わず「任して任さず」を実践し、責任者の心構えとして部下の責任者に説明し実践して貰っています。 「任さず」は本来部下が適時適切に報告を上司に上げれば必要ないかも知れませんが、それが中々難しいようで、「任せっぱなし」にすると大きな問題になったり、 簡単に解決する事ができなくなったりする場合が多々あります。「任さず」は、上司が適切なタイミングで「あの仕事、どうなっている?」と聞くだけで良いのです。 その時の部下の反応や報告を素直に聞けば、大きな問題になる前に、的確な指導・助言が与えられます。
「任して任さず」を実践する事により、部下に大きな仕事を任せ、成功させる事ができますし、リーダーとして育成できます。
皆さん、今日から「任して任さず」を是非、実践してみて下さい。