アサヒグループホールディングス株式会社 様

グローバルIT会議での自動翻訳・テキスト化、議事録作成時間の短縮
さらに社員同士のコミュニケーションにも活用

アサヒグループホールディングス様では、急速なグローバル展開で海外売上比率が約30%に達し、海外事業会社との情報共有などを通じて、多くの社員が外国語に触れていく機会が増えていく中で、言語理解度を向上させる補助的ツールとして、富士通の「FUJITSU Software LiveTalk」 (以下、LiveTalk)の導入を決定。2018年2月の会議ではLiveTalkで会議内容を自動翻訳、テキスト化することで、英語議事録作成時間を従来の3分の2程度に縮めることができました。またLiveTalkは聴覚に障がいのある社員用にも導入され、コミュニケーションの円滑化と会議内容理解度の向上に役立っています。アサヒグループホールディングス様では今後、海外事業に従事する社員やグループ内の聴覚に障がいのある社員などにLiveTalkを広げていくことを検討していく予定です。

課題
効果
課題グローバルIT会議での自動翻訳と議事録作成の効率化
効果 自動翻訳・テキスト化で、議事録作成時間を3分の2に短縮
また、聴覚に障がいのある社員の業務上コミュニケーションと会議内容理解度の向上を実現

導入背景

急速なグローバル化に対応した海外事業会社との情報共有やスムーズな意志疎通の増加

アサヒグループホールディングス株式会社様(以下、アサヒグループホールディ ングス)は、アサヒビール・アサヒ飲料などアサヒグループの純粋持株会社です。国内ビール・飲料市場の成熟化の中で、アサヒグループはグローバルでの成長基盤の強化を目指しており、現在海外売上比率は約30%にまで達しています。マレーシアなど東南アジア、中国における事業の成長、オセアニアにおける統合シナジー創出などで、売上の拡大と収益性の向上が進んでいます。さらに、ヨーロッパでは、2016年10月にイタリア、オランダのビール会社、英国のクラフトビール会社と酒類販売会社を買収。加えて2017年3月にはグローバルブランドとして確立しているピルスナー・ウルケルを製造しているチェコのビール会社をはじめとした中東欧5ヵ国のビール会社を買収、グローバル化を進めています。

グローバル化のさらなる発展には、アサヒグループの海外事業会社との情報共有が大切です。アサヒプロマネジメント株式会社様(以下、アサヒプロマネジメント)では、2016年5月に業務システム部にグローバル対応のためのチームを設けました。「東南アジア、中国、オセアニア、西欧、中東欧と、リージョンごとにIT部門長がいます。そのもとで、ITを活用していて、グループとして情報を共有する必要があります。

そのために、グローバルIT会議を開催することにしたのですが、大きな課題になったのが言語でした。スムーズな意志疎通と正確に早く情報共有できる仕組みが必要でした」とアサヒグループホールディングス IT部門 マネージャー 齋藤 宏樹氏は語ります。

アサヒグループホールディングス株式会社
IT部門 マネージャー
齋藤 宏樹 氏
アサヒグループホールディングス株式会社
業務システム部 主任
基幹・グローバルグループ
滝本 早 氏

導入の経緯

多言語・リアルタイム会話支援ツールLiveTalkを選定、国際部門と経営企画部門がトライアルで利用

グローバル対応のチーム発足直後の2016年5月、齋藤氏は東京国際フォーラムで開催された富士通フォーラム2016に行き、ブースで19カ国語に対応できる富士通のダイバーシティ・コミュニケーションツール「FUJITSU Software LiveTalk (以下、LiveTalk)」(開発元:富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ)の話を聞きました。「すばらしいと直感的に思いました。正確に翻訳できますし、議事録も自動的にテキスト化されます。英語と日本語以外の多くの言語にも対応していることも魅力でした」(齋藤氏)。

そして、「富士通様に何回かデモを行って頂きながら、他の製品との比較調査を実施しました。その結果、他の製品は、スクラッチ開発か、開発前提のパッケージであり、別途開発期間が必要で、そのための費用もかかることが分かりました。業務上うまく合うかどうかの見極めも必要であり、クラウド環境での利用も可能なパッケージで、開発が不要なLiveTalkを選び、トライアル利用してきました」(齋藤氏)。

「海外事業との会議は英語で行われるので、場合によっては通訳者を入れて開くこともあり、議事録はノートやICレコーダーの録音をもとに、英語と日本語の両方を作っています。そこで、トライアルとして、LiveTalkを会議の自動翻訳と議事録のメモ作成用で使ってみることにしました。

そのような状況の中でLiveTalk導入の検討が社内に周知され、聴覚に障がいのある社員も使いたいという声が上がり、試してみることにしました」とアサヒプロマネジメント 業務システム部 主任 基幹・グローバルグループ 滝本 早氏は語ります。

システム概要

グローバルIT会議の内容の自動翻訳と議事録用のメモ作成に利用、 スムーズに翻訳を実行

アサヒグループホールディングスの国際部門と経営企画部門でLiveTalkをトライアルしてみたところ、グループ社内の独自の言葉や人の話し方の癖、マイクを通した音声認識の仕方などから、現段階では100%確実な翻訳は難しいですが、補助的ツールとして活用するには十分ではないかと感じました。一旦、第一弾は、翻訳・議事録作成の補助的なツールとしてまずは展開していくことにして、2017年12月に導入しました。

LiveTalkは、英語を中心にした多言語翻訳機能のためにMicrosoft Azure Cognitive Servicesと組み合わせて利用しています。翻訳用にはアサヒプロマネジメントの業務システム部グローバルチームで検証用に導入し、一台iPhoneでも利用できるようにしています。また、聴覚に障がいのある社員とその上司も使っています。

グローバルIT会議は2017年7月と2018年2月に開催されました。まず7月にLiveTalkの紹介を兼ねて、英語、中国語、ロシア語などでそれぞれ話して試しました。2月の会議は約30分のセッションで使いました。「業界の専門用語の翻訳については難しい部分もありましたが、日常用語はスムーズに翻訳できました。利用シーンに合わせたマイク選定を行ない、今回の利用シーンにおいてはワイヤレスマイクを参加者に回しながら発言してもらい、様々な話し方の方がいても翻訳できると判断しました」(齋藤氏)。

一方、聴覚に障がいのある社員とのやり取りは今まではコミュニケーションツールを用いたチャットと口の動きの読み取りで行っていました。その方法ではチャットの入力が追いつかないことがあり、長文になると発話とタイピングがずれてしまうこともありました。また、毎朝の朝礼は手話ができる人がいないと全て理解していただくことが難しい状況でした。「それらの問題がLiveTalkで改善されたので、『社員同士の会話をリアルタイムに理解でき、世界観が変わった』と導入した部門の方からの声もあり、業務上のコミュニケーションの改善に大きく役立っています」(滝本氏)。

導入の効果と今後の展望

議事録作成時間を3分の2に短縮。今後のLiveTalkの展開について

グローバルIT会議の議事録は英語と日本語の両方で作成し、英語版を海外事業会社のIT部門長に送ります。前回の会議は録音とノートに記録したメモを元に、議事録を作成していたので、文字起こしだけで数日、修正やチェックも含めると2~3週間かかっていました。それが今回は小規模会議でLiveTalkを利用してみて、議事録のベースになるCSVファイルが自動作成できたため、書き起こし段階での内容確認が大幅に効率化できました。その結果、今までの3分の2ほどの時間で完了させることができました。今回使ってみて、小規模、短時間の会議では、LiveTalkを使うと効率的であると実感しました」(滝本氏)。

アサヒグループホールディングス様では2018年度下期中に、LiveTalkの進化と翻訳精度の向上を見極めながら海外事業に従事する社員向けにLiveTalkを追加導入し、コミュニケーションの補助的ツールとして導入しようと考えています。

「LiveTalkの翻訳はズバ抜けていて、翻訳スピードも速く、文章が一瞬で確定、表示されます。また『あのー』など話し始める時の話者の癖もカットして表現されるので、議事録にする時に大変楽です。どんどん進化し、賢くなっていくので、今後に大いに期待しています」と齋藤氏は語ります。

本システムでは「FUJITSU Software Live Talk」に、音声認識クラウドサービス「Ami Voice Cloud」と多言語翻訳サービス「Microsoft Azure Cognitive Services」を組み合わせて運用しています。

(写真左より) 齋藤 宏樹氏/滝本 早氏

アサヒグループホールディングス株式会社 様

事業分野 製造
所在地 東京都墨田区吾妻橋1-23-1
代表者 代表取締役社長 兼 CEO 小路 明善
設立 1949年9月1日
資本金 182,531百万円(2017年12月31日現在)
従業員 274名(2017年12月31日現在)
事業内容 酒類事業、飲料事業、食品事業、 国際事業、その他事業(機能性 食品・飼料)
ホームページ http://www.asahigroup-holdings.com/
  • (注)
    本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

[2018年6月1日掲載]

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