2. 1 ウイルス対策ソフトの導入
国内におけるウイルス対策ソフトの導入率は約90%に達します(※)が、ウイルスによる被害は後を絶ちません。これはウイルス対策ソフトを導入しただけで安心し、適切な運用を行っていない利用者が多いためであると思われます。ウイルス対策ソフトの本来の性能を発揮させるにはその機能を理解し、適切な運用を行うことが大切です。
※IPA 国内・海外におけるコンピュータウイルス被害状況調査 (2004.4)
より
■ウイルス対策ソフトについて
ウイルス対策ソフトには大きく分けて3つの機能があります。
- ウイルスのリアルタイム監視
アクセスするファイルにウイルスがいないか調べ、侵入や活動を阻止します
(例)インターネットからダウンロードするファイルに含まれているウイルスの検出
電子メールの添付ファイルに含まれているウイルスの検出
- ウイルスのスキャン
パソコン内をくまなく検査し、リアルタイム監視で取り逃がしたウイルスを検出します
(例)ハードディスク上に存在するウイルスの検出
- ウイルスの駆除
リアルタイム監視やウイルスのスキャンで検出したウイルスの活動を止め、パソコンから取り除きます
■ウイルス対策ソフトの運用について
ウイルス対策ソフトの運用時には以下の3点に気をつけましょう。
- 一日一回はウイルス定義ファイルの更新を行う
ウイルス対策ソフトはウイルス定義ファイル (ウイルスの一覧表) を元にウイルスを検出します。したがって新種のウイルスを検出するためにはウイルス定義ファイルを最新のものにしなければなりません。古いウイルスに対しては古いウイルス定義ファイルで対応できることから、ウイルス感染事例の多くは新種のウイルスによるものと考えることが出来ます。つまり、常にウイルス定義ファイルの更新を行わなければ、ウイルス感染を防ぐことが出来ないのです。
ウイルス定義ファイルを常に最新の状態に保つために、ウイルス対策ソフトのスケジューリング機能を利用して、最低でも一日一回は自動で更新が行われるように設定しましょう。
なお、ウイルス定義ファイルの更新時にウイルススキャンエンジンも更新されます。
最新のウイルス定義ファイルとエンジンで検査を行うことで高いセキュリティを保つことができます。
- リアルタイム保護機能を有効にする
リアルタイム保護機能を有効にすることで、アクセスするファイルをリアルタイムにスキャンし、ウイルスの侵入、活動を阻止することができます。パソコンの性能がまだ高くなかった頃は、この機能をはずして定期スキャンや手動スキャンだけでウイルスをスキャンすることもありましたが、現在ではリアルタイム保護機能がウイルス対策ソフトの中心機能になっていますので、必ず有効にしましょう。
- 定時スキャンを設定する
リアルタイムスキャン時にウイルス定義ファイルが古いままだと、パソコン内にウイルスが侵入することがあります。そのようなウイルスを検出するために定時スキャンを利用して、一日に一度パソコン内の全ファイルをチェックするようにしましょう。

【ご参考】
本文中で使用しているウイルス対策ソフトの機能の名称はベンダ毎に異なります。各ベンダのウイルス対策ソフト製品における名称は以下の通りです。
| |
ウイルス対策ソフトベンダ(ウイルス対策ソフト製品名) |
本文中の
名称 |
シマンテック
(Symantec AntiVIrus) |
トレンドマイクロ
(ウイルスバスター2004) |
日本ネットワーク
アソシエイツ
(VirusScan Enterprise) |
| ウイルス定義ファイル |
ウイルス定義ファイル |
ウイルスパターンファイル |
ウイルス定義ファイル |
| スケジューリング機能 |
定時 LiveUpdate |
インテリジェントアップデート |
自動アップデート |
| リアルタイム保護機能 |
ファイルシステムリアルタイム保護 |
リアルタイム検索 |
オンアクセススキャン |
| 定時スキャン |
定時スキャン |
予約検索 |
スケジュールスキャン |
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