そのなかのひとり、ジョージ・ハリスンが、昨年末に惜しくも他界しました。グループの中心メンバーであったポール・マッカートニーが解散前後に「ウィングス」を率い、華々しい活動を開始したのに比べ、あまり目立たなかったジョージですが、ソロ後半では、「全盛時の勢い復活か?」と思える活動をしました。それが、「クラウド・ナイン」というアルバムのヒットと、「トラベリング・ウィルベリーズ」というグループ(「プリィティ・ウーマン」で有名なロイ・オービソンや、トム・ぺティなどが参加)でのスマッシュ・ヒットです。
これらをプロデュースしたのが、「エレクトリック・ライト・オーケストラ」というロックグループ(バーミンガム出身のバンドで、前身はビートルズと同時期の1960年代に結成された「ザ・ムーヴ」。1970年代に日本初のレーザー光線を取り入れたライブを行なった)のリーダーの「ジェフ・リン」という人物です。彼はビートルズに限りなく憧れており、ジョージのアルバムをプロデュースしその復活に寄与しました。その曲調は、ジョージの声質をうまく活かしながらも「限りなくビートルズ的」であり、もしかのビートルズが復活したなら、こういうアルバムを作っただろうと思わせるものでした。
何度も復活劇が噂されたビートルズも、いまやポールとリンゴ・スターのみとなってしまい、もはや噂の実現もありえない状態です。とはいえ、ポールはつい最近、新しいアルバムを発表したばかりです。久しぶりに、あのサウンドに浸ってみるのも良いかも知れません。
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