大手企業 A社 様

FJcloud-Vと統合ネットワークサービスを活用し、
広告関連業務のシステムのセキュリティを強化

某大手企業は、広告掲出に関する一連の業務を管理するシステムをFUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-V(以降、FJcloud-V)へ移行。また、高度化するサイバー攻撃に備え、セキュリティに関する見直しも実施することとした。ファイアウォール、SSLアクセラレーター、IPS(不正侵入防止システム)に加えて、海外からのアクセス遮断を実現する国別辞書機能を有するファイアウォールを活用するため、統合ネットワークサービス(IPCOM VE2シリーズ)(以降、統合ネットワークサービス)を採用。短期間でセキュリティ強化を実現し、安心・安全な環境を獲得した。

統合ネットワークサービスを中心に複数の対策を組み合わせ、
以前よりセキュリティを強化できました

課長補佐 F氏

クラウドに移行したことで処理速度が速くなり、
業務がよりスムーズになりました

主任 M氏

課題
効果
課題高度化するサイバー攻撃に備えたセキュリティ強化が必要
効果短納期プロジェクトでセキュリティの強化を実現
課題国内・海外からの攻撃に備えた対策の実現
効果脅威となり得る海外からのアクセスを遮断
課題コスト負担が大きいオンプレミスからの脱却
効果容量増への柔軟な対応と、安定したクラウド環境を構築

背景・採用ポイント

コスト面、将来的な容量増への柔軟な対応を評価し
広告関連業務システムのインフラにFJcloud-Vを採用

同社は、広告事業を手掛けており、看板やデジタルサイネージなど、多様な媒体での広告を管理している。

これらの膨大な数の広告について、掲出の受付から掲出場所の割り当て、広告作業の依頼、精算処理など多くの業務プロセスがあり、それらをすべて確実に管理・遂行する必要がある。その業務を支えるのが、今回、同社がFJcloud-Vを採用したシステムである。

本システムは、富士通の協力を得て開発を行い、2001年に稼働を開始した。本システムは稼働以来2回のリプレースを行ってきたが、一貫して富士通のデータセンターで運用を続けてきた。しかし、2020年の3回目のリプレースにあたり、クラウドへの移行を決定する。その理由を同社の主任であるM氏は、「リプレースごとに必要な物理サーバーへの投資を減らせる点、容量増に柔軟に対応できる点を評価しました。将来的に利用を検討しているAIなどによる機能拡張についても、クラウドであれば柔軟に対応できることがプラス要因となりました。また、FJcloud-Vは導入前に本番環境と同じ環境でトライアルを実施できます。実際に使って検証できたことがクラウド化を決める後押しにもなりました」と説明する。クラウド化への移行を決定した同社は、システムの開発、運用で協力してきた富士通の信頼性を見込み、FJcloud-V を選定。月間サーバー稼働率が99.99%と安定していること、さらに国産のクラウドであることの安心感や、充実したサポート体制を期待しての選定だった。

導入のプロセス

統合ネットワークサービスのFWやIPS、国別辞書でセキュリティを強化

同社がFJcloud-Vへの移行を進めていた際、高度化するサイバー攻撃に備え、セキュリティに関する見直しも検討することになった。クラウドへの移行に伴い、オンプレミスと同等のセキュリティレベルを担保できるか懸念もあった同社は、事故を未然に防げるようWebアプリケーションやネットワークの脆弱性診断を実施。その診断をもとに、外部脅威のリスクに備えた対策をFJcloud-Vへの移行プロジェクトに合わせて取り組むこととなった。

そこで、FJcloud-Vで提供している統合ネットワークサービスの検討を開始した。統合ネットワークサービスは、ファイアウォール(FW)やIPSなどのセキュリティ対策機能、帯域制御やサーバー負荷分散などのネットワーク最適化機能を備えた富士通製の仮想アプライアンスソフトウェア「FUJITSU Network IPCOM VE2シリーズ」を利用したサービスだ。1台でシステムのセキュリティを確保し、帯域を最適化してシステムの可用性を向上させることができる。

IPCOMは様々なシリーズが展開されており、リプレース前にもアプライアンス版製品を利用していたが、本システムをFJcloud-Vへ移行検討していた時期に、統合ネットワークサービスがFJcloud-Vのサービスとして新たに提供されることが発表された。本サービスはオンプレミスで利用していたアプライアンス版IPCOMシリーズと定義互換があり、オンプレミスからFJcloud-Vへの移行に際してもネットワークの機能設計は不要になるなど、スムーズな移行を可能としている。また、移行推進段階で設計変更・構築が必要となっても、柔軟に対応が可能であることもクラウドならではの強みだ。そこで同社は、アプライアンス版IPCOMシリーズで利用していたファイアウォール、サーバー負荷分散、SSLアクセラレーター、IPSなどを統合ネットワークサービスでも活用することを決定。さらに、高度化する海外からのサイバー攻撃に備え、海外からのアクセスをすべて遮断する国別辞書も活用することとなった。

プロジェクトは本来2020年4月にスタートする予定だったが、スタートが7月に延期された。2020年度中のリリースに変更はなかったため短納期のプロジェクトとなったが、プロジェクトは比較的スムーズに進んだとF氏は次のように語る。「コロナ禍によって毎週のミーティングはリモートでも行いました。元々ITの知識がなかったため進行には不安もありましたが、富士通の担当者は初歩的な質問にも都度丁寧に答えてくれ、安心してプロジェクトを進めることができました」。

コロナ禍というイレギュラーの状況の中での導入プロジェクトとなったが、統合ネットワークサービスの利用申込日から6営業日という短期間で無事稼働を開始した。

導入効果

セキュアで安定した環境を獲得
今後はAIを活用した運用も視野に

FJcloud-Vに移行した本システムは、稼働から数カ月が経った現在も安定して稼働しており、セキュリティ面でも問題は起きていない。

セキュリティ対策に関してF氏は、「オンプレミスからFJcloud-Vへ移行し、さらに統合ネットワークサービスを中心に複数の対策を組み合わせることで、以前よりセキュリティを強化することができました。今後も必ず、新たな脅威は登場するので、この対策で十分ということはありませんが、統合ネットワークサービスの機能である監視や脆弱性診断レポートなどで常に警戒し、新たな脅威に対して先手を打って対策できるよう適宜対応していきます」と語る。

今後は、AI活用も進めていく予定だ。一般的に広告表現には一定の基準があり、それぞれのメディアが規程を定めている。現在は人の目で行っているチェック体制を効率化できないかと検討している。「誤字脱字やNG表現の審査には手間がかかるうえ、人によってチェックの精度にバラツキが生じてしまいます。そのようなバラツキを防ぎ、効率よく審査するための補助として、広告表現の基準を学習させたAIを活用できないか考えています。IoTサービスを利用して、AIをどう活用していけるか、一緒に検討していきたいです」(M氏)。

FJcloud-Vと統合ネットワークサービスの導入により、セキュアで安定した環境を構築できた同社のシステムは、今後もさらなる成長を続けていく。

システム構成図 システム構成図

[2021年10月掲載]

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