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「私たちユーザ部門が主導となり、低コストかつスピーディに
業務アプリケーションの開発が可能だという提案を受け、RunMyProcess の採用を決めました」

クラウド導入事例 ハウスフーズアメリカ社様

ハウスフーズアメリカ社様 導入事例


House Foods America Corporation(以下、ハウスフーズアメリカ)では、「FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcess(以下、RunMyProcess)」を活用して、「食材発注システム」を構築した。
House Foods America Corporation.Restaurant Division Production Manager 竹内 志朗氏(写真右)と荻窪 丁稔氏(写真左)に、RunMyProcessを導入した経緯と効果について伺った。

「FUJITSU Cloud PaaS RunMyProcess」は、
「FUJITSU Cloud Service RunMyProcess」へ名称変更しました。
[ 2015年12月3日掲載 ]

ハウスフーズアメリカの事業概要

ハウスフーズアメリカは、1981年、カリフォルニア州・ロサンゼルスに設立。以来30年以上にわたり、ロサンゼルスとニュージャージー州の工場において米国最大規模と言われる豆腐の生産・販売を手がけている。
加えて、日本式カレーを中心としたメニューを提供するレストラン「Curry House カレーの館(以下、Curry House)」の経営やハウス食品製品の輸入販売も展開。北米における日本食ブームの先駆者的な存在として知られている。
「『Curry House』は、現在、カリフォルニア州内に11店舗を展開しています」(木下氏)。

店舗からサプライヤに食材を発注するシステムをRunMyProcess上で構築

ハウスフーズアメリカでは、RunMyProcessの開発環境を利用したウェブアプリケーションとして、「Curry House」の各店舗の端末から食材を発注するシステムを構築。そのデータを一元管理する仕組みを実現した。具体的なシステム利用の流れは以下の通りだ。

  1. 各店舗では夜中の12時までに、PCの発注画面から発注する食材と数量をエントリー
  2. サプライヤではPC上で受注内容を確認し、データをダウンロード
  3. 運営本部では、発注状況や受注状況などのステータスをリアルタイムで確認することが可能。また、商品マスタ(約250品目)や価格データなどの登録や変更ができる

「Curry House」の店舗の様子の写真
提供されているメニューサンプルの写真
「Curry House」の店舗の様子と提供されているメニューサンプル(写真提供:House Foods America Corporation)

店舗利用・サプライヤ利用・本部利用の各操作画面

業務のボトルネックやリスク要因となっていた手作業による発注業務

House Foods America Corporation.Restaurant Division Production Manager 竹内 志朗氏の写真
「表計算ソフトとメールによる発注業務は、さまざまな課題やリスクが内在していました」(竹内氏)

これまで「Curry House」の各店舗では、表計算ソフトを使って作成した発注伝票ファイルをメールに添付してサプライヤに送っていた。しかも、サプライヤを1社に絞ったのにもかかわらず、食材の種類によって発注先が異なるため、ほぼ毎日、3箇所にメールを送付しなければならなかったという。
そのため、サプライヤ、店舗、そして運営本部において、次のような課題や問題点が内在。店舗の業務のみならず、店舗運営のボトルネックとなり、リスク要因となっていたと竹内氏は説明する。

店舗における課題

  • 転記(コピペ)のミスやセルの位置がズレてしまうといった、表計算ソフトならではのミスを防ぐのが困難
  • 発注する食材を複数の伝票に分類して作成・送付するのが面倒
  • 添付するファイルや送信先を間違うなど、メールならではのミスを排除するのが困難
  • メールが正常に配信されないことがある(その状況をリアルタイムで把握するのも困難)

サプライヤにおける課題

  • 受注データの整理や管理に手間がかかる
  • 発注の追加・修正への対応に手間がかかる

運営本部における課題

  • 発注状況や発注内容を把握できない(必要な場合は、個別に電話等で確認)
  • 130ファイル以上の月次発注データを手作業で集計するため、手間と時間がかかる(集計作業に1日以上かかっていた)
  • 請求書が来るまで、正確な仕入れコストを把握できない(価格改定をリアルタイムで反映するのが難しい)
  • 注文内容と納品内容の差異をチェックするのに手間がかかる
  • 紙のインボイスを各店舗から本部に集めていたが、手間がかかり紛失のリスクもあった

システム化を阻む要因となっていた2つの背景

House Foods America Corporation.Restaurant Division Production Manager 荻窪 丁稔氏の写真
「IT の専門家が推奨してくれるクラウドサービスなので、安心して使い続けることができます」(荻窪氏)

もちろんハウスフーズアメリカでは、これまで手をこまねいていたわけではない。
食材発注業務をシステム化することで課題を解消し、業務プロセスの改善と効率化、さらにはガバナンスの強化を図ろうとしてきた。
しかし、ゼロからサーバなどのハードウェアを用意して、スクラッチでシステムを開発。さらに保守・運用していくとなると情報システム部門に頼らざるを得ないが、情報システム部門ではほかに大きなプロジェクトを抱えているため人的リソースに余裕がなく、仮にシステムの運用をアウトソーシングするにしてもコスト負担が大きいことから、実現にはいたらなかったという。
また、現場のオペレーションを変えるとなるとそれなりのパワーが必要となる。上手くいかなかったから元に戻すとか、簡単に別の方法を試すとかいうわけにもいかないので、「システムの構築には慎重にならざるを得ませんでした」と、荻窪氏は説明した。

大きな転機となったRunMyProcessの活用提案

そのような状況下、システムベンダー(JBS USA, Inc 以下JBS)からRunMyProcessの活用を提案されたことが、大きな転機となったと竹内氏は振り返る。
「RunMyProcessは、一般的にクラウドと呼ばれるサービスが提供するのと同様、サーバやOSといったシステムインフラを自社で導入・運用する必要がなくサービスとして利用できます。 それに加え、ウェブアプリケーションの開発・実行環境も提供されているので、発注システムを容易に開発できるとJBSから説明を受けました。
もちろん、容易といっても業務アプリケーションの開発は専門家であるJBSに任せる必要があります。しかし、ゼロからプログラミングするのに比べると数分の一の手間で済むということから、次の4つのポイントに着目して、本格的に「発注システム」の導入を検討することにしました」(竹内氏)。

ポイント.1

低コストでシステムを構築・利用できる

ハードウェアの選定や導入、運用が不要なので、初期導入コストはもちろん、ランニングコストを平準化でき、トータルコストを抑えることができる。
しかも、RunMyProcessではユーザ数ではなく使用量、すなわち当社の場合、「発注回数」に応じた課金体系での利用も可能。システムインフラに関して、まるで電気や水道のように使った分だけを負担すれば済む。
また、開発環境が充実しており、システム開発にかかる工数が従来に比べて数分の一で済むという点もコスト削減につながる。

ポイント.2

手離れ良くシステムを利用できる

インフラの導入・運用に関して、ユーザ部門はもちろん、情報システム部門への負荷もほとんどかからないという点も重要なポイントだった。また、時間や手間をかけずスピーディにシステムを構築・拡張できるという点にも期待した。

ポイント.3

ユーザ部門の主導で開発・運用が可能

システムの開発が容易なので要望を反映してもらいやすく、ユーザ部門が主導で、システムを開発できるという点も大きな魅力だった。改編などにかかる時間とコストも抑えることができるので、機能の追加や改善がしやすいという点にも惹かれたという。

ポイント.4

信頼性が高い

手元にサーバがなくネットを通じて利用するので、セキュリティなどに関して不安視する声もあった。しかし、RunMyProcessは富士通がグローバルに提供するクラウドサービスで、専門機関から表彰された実績もあり(「2014 Global Award for Customer ValueLeadership」Frost & Sullivan社)、ITの専門家であるJBSが推奨してくれるサービスなので、安心して使い続けることができると判断という。

効率的かつ正確な発注が可能となり、発注状況や発注内容もリアルタイムで把握可能に

「発注システム」を導入したことで、「発注データを一元管理できるようになり、さまざまな課題や問題が解決されました」と荻窪氏は、導入効果について説明する。

店舗における効果

  • 操作がシンプルで、転記ミスなども解消された
  • 発注先を意識することなく1つの画面から発注できるようになった(発注先はシステムが自動で仕分け)
  • 確実に発注データがサプライヤに伝わるようになった
  • 追加発注や訂正が手軽にできるようになった
  • 逆に、締め切り時間後は店舗からは発注内容を変更できないようにした

サプライヤにおける効果

  • 受注データの整理や管理が容易になった
  • 締め切り後のデータをチェックすれば済み、追加・修正への対応は不要になった

運営本部における効果

  • 発注状況や発注内容をリアルタイムもしくは、期間を指定して把握できるようになった
  • データを一括ダウンロードできるので月次の集計が15分で済むようになった
  • あらかじめ単価を入力しておくことで、発注時に正確な食材コストを把握できるようになった(一部、青果などを除く)
  • インボイスがメールで受け取れるようになり、紛失などのリスクもなくなった
  • 発注締め切り後も、本部からはオーダーの修正を可能にした
  • 注文内容と納品内容の差異のチェックが容易になった
  • 仮に発注と納品に差異が発生した場合でも、原因や責任の範囲を明確に追跡できるようになった
  • 店舗やサプライヤが増えても、柔軟に対応できる体制を確立できた

クラウドインフラをさらなる活用を検討

このように、ハウスフーズアメリカにおける「発注システム」の導入は大きな成果を上げている。しかし、竹内氏も荻窪氏もまだ満足をしている様子はなく、すでにその視点は次の段階に移っている。

「現段階で、滞りなく発注業務を正確にできるシステムの構築は実現できました。さらに、業務を効率化して成果を上げるために、オーダーが入れた項目だけをチェックしたり、オーダー数の異常があれば警告のメッセージを表示するなど、使い勝手を高め、同時にヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みなども組み入れていきたいと思っており、すでに開発を進めています」(荻窪氏)。
「将来的には別の業務でもRunMyProcessというクラウドインフラを活かして、ガバナンスの強化や店舗運営の効率化にも活用できればと思っています」(竹内氏)。

【ハウスフーズアメリカ社(House Foods America Corporation)様 概要】
本社所在地 カリフォルニア州ガーデングローブ市
設立年 1981年
従業員数 300名(2015年8月取材時)
事業内容 豆腐等の製造販売・レストランの経営・当社製品の輸入販売
ホームページ ハウスフーズアメリカ社 ホームページ 新規ウィンドウが開きます
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(注)
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は取材当時のものです。(取材日:2015年8月)
また、改善などのため予告なしに変更する場合がありますのでご了承ください。