2014年6月4日
クラウドが注目されている中、基幹データベースのクラウド化は難しいと考えられています。一方で、富士通は変化対応力に優れたSPARC M10により、多くのお客様の基幹データベースクラウド構築をご支援してきました。このノウハウにより、4月より「高速データベースオファリング」の提供を開始しています。
サーバ開発者としての経験を生かし、エンタープライズ系サーバの技術支援を担当している志賀が、事例をまじえながら、データベースクラウドのポイントやビッグデータ時代のデータ活用方法についてご紹介しました。
開催日時 | 2014年5月15日(木曜日) 14時10分~14時40分 |
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セミナータイトル | 富士通だからできる、一歩先のデータベースクラウド環境
~UNIXサーバによる変化対応力の高いICTインフラへの変革~ 講演資料 (5.62 MB ) |
スピーカー | 富士通株式会社 プラットフォーム技術本部
プロダクトソリューション技術統括部 部長 志賀 真之(シガ マサシ) |
データベースは、ビジネスの心臓部です。ビジネス活動の中核となるデータは基幹システムに集まっており、そこにお客様のノウハウがあるはずです。ビッグデータ時代の今日、基幹データベースの中からいかにしてイノベーションを生みだしていくかが重要だと考えています。
また、昨今、クラウドにも注目が集まっていますが、一般的には、クラウドと基幹データベースは相容れないものと考えられています。
例えば、クラウドはコンピューティングを「量」でみますが、基幹データベースは「質」で見るなどの違いがあるからです。
クラウド上で動くシステムでは、処理を速く行うために、リソースを増やし、さばける処理量を増やします。しかし、基幹データベースに求められるのは、レスポンス(質)であり、サーバを横に並べても速くなるものではありません。
クラウドには、低い導入コスト・要求に合った柔軟な増強・メンテナンスの容易性など、多くのメリットがあり、できればこの技術を適用したい。しかし、基幹データベースに期待されている高いレスポンス性能や信頼性・長期安定稼働などを損なわずに適用する方法があまりなく、決め手に欠けていたのが実際です。
一般的には相容れない、クラウドと基幹データベースですが、SPARC M10であれば両方の要件を満たした基幹データベースのクラウド環境が実現できます。
SPARC M10は、基幹業務を支える安定した処理性能と信頼性を備え、既存データベースの移行やビジネスの変化に対応できる迅速なシステムリソースの増強などが可能です。そのため、基幹データベースのクラウド化に最適なプラットフォームです。
SPARC M10とFUJITSU Software ServerView Resource Orchestratorを組み合わせることで、仮想サーバの自動化やリソースの見える化を実現でき、運用の効率化を図ることができます。既に、SPARC M10ではプライベートクラウドとしての導入実績があります。
SPARC M10は、この4月に新プロセッサ「SPARC64 X+」をリリースしました。
ここで、SPARC M10がデータベースクラウドに適しているポイントをご説明しましょう。
SPARC M10は、ゲストOSのライセンス費用がサーバに含まれているため、仮想化に伴う新たなライセンス費用が発生しません。そのため、統合するサーバを増やすほどコスト削減効果を発揮します。PCサーバの導入コストと比べても、決して高くないことがお分かりになるでしょう。
また、データベースのライセンス費用も、SPARC M10では実際に使用するCPUコアの数だけ課金されるので、コストを低減することができます。
UNIXの価格は高いものだと思われがちですが、富士通のUNIXサーバはコストパフォーマンスと信頼性の両立を実現しています。
SPARC M10に採用されているプロセッサであるSPARC64 X+やSPARC64 Xは、1CPUあたり16コアを搭載していますが、1コア単位でリソース追加ができるCPUコア アクティベーションを活用し、柔軟にCPUコアを増設できます。
性能不足の場合など、CPUコアのアクティベーションキーとデータベースのライセンスを購入していただくだけで、増強できます。
さらに、CPUコアアクティベーションは、同じ機種であれば他のサーバに転用できます。
性能が十分に足りているサーバからアクティベーションキーをはずし、性能が不足している他のサーバで使用することが可能です。
富士通は、購入していただいたサーバのリソースを有効に活用していただけるよう、仕組みを作っています。
クラウド環境の運用/管理/構築では、サーバの種類をできるだけ区別せずに同一のイメージで管理したいと考える方が多いと思います。
富士通は、FUJITSU Software ServerView Resource Orchestratorという製品で、PCサーバやUNIXサーバを、物理環境だけでなく仮想環境までも、同じGUIで管理することを可能にしています。
他社ではPCサーバだけのクラウド環境を提供している場合がほとんどですが、富士通はPCサーバとUNIXサーバが混在する環境でクラウドを可能にしています。
仮想化機能「Oracle VM Server for SPARC」(以下、OVM)は、ハイパーバイザを使用した仮想化機能です。ハイパーバイザはファームウェアの一部として動作しており、CPUやメモリなどのハードウェア資源を物理アドレス単位で分割して、直接仮想サーバに割り当てます。このため、仮想化によるオーバーヘッドがありません。ハードウェアリソースをゲストOS間で共有しないので、障害隔離性もハードウェアパーティションに近い信頼性になります。
また、SPARC M10では、OVMを使ってもI/Oは仮想化しない、ダイレクトI/Oが可能です。これにより、基幹データベースのレスポンスを確保しながら、CPUやメモリの増設/減設ができます。
一度構築したデータベースは、長期間使用し続けたいものです。お客様のデータベース環境、古くはOracle9iからOracle Database 10g、Oracle Database 11gまでを、SPARC M10上にそのまま移行することができます。最新のサーバに移行すれば、CPU性能の向上により、使用するCPUコア数の削減につながります。これにより、ソフトウェアのライセンス費用など、コストダウンが可能になるのです。
さらに最新のOracle Database12cをOVM上に構築して、旧データベースから段階的に移行しましょう。
同じサーバ内で、旧データベースに使っていたCPUやメモリリソースを新しいデータベースに割り当て変更していくだけで、サーバ資源を無駄なく活用しながら、確実に、基幹データベースの移行ができます。
富士通は、多くのお客様に基幹データベースのインフラとしてSPARC M10をご利用いただいております。
富士通は、多数のお客様検証を通じて蓄積したノウハウをもとに、性能を最適化したデータベースシステムをご提供するサービス「SPARC M10 高速データベースオファリング」を開始しています。既に、様々なお客様に評価いただいた結果、圧倒的な性能向上を実証しております。
購入前のお客様には、浜松町にある富士通トラステッド・クラウド・スクエアで性能評価を実施していただくことも可能です。是非、お問合せください。
ビジネスの根幹を担う基幹データベースには、ビジネスチャンスが眠っています。その基幹データベースに蓄積されているビジネスデータと、ビッグデータと呼ばれる多種多様で大容量なデータの両方を同時に分析することがビジネスイノベーションにつながると富士通は考えています。
SPARC M10は、その高いコンピューティング・パワーにより、ビジネスデータとビッグデータのリアルタイム連携を可能にし、ビジネスイノベーションを実現します。
これからのデータベースに求められるものは、
です。これらを合わせると、偶然にも SPARCになります。(笑)
今後もSPARC/Solarisサーバは進化を続け、お客様のビジネスに貢献してまいります。
熱弁をふるう志賀
講演会場