富士通総研では、2013年4月8日(月曜日)、経団連会館において、特別企画コンファレンス『新たな日中関係の構築 ― 同床異夢ではなく呉越同舟の関係を ―』を開催いたしました。
世界は新たな時代に入っている。金融危機と債務危機により欧米諸国の経済は凋落しはじめている。北アフリカと中東では、独裁政権が倒れたが、ほんとうの意味の春を迎えておらず、政治的権威の不在はさらなる混乱をもたらしている。そのなかで、東アジアの国際情勢も緊張が高まり不穏になっている。その渦の中心は日中の対立である。表面的に日中は尖閣諸島の領有権を巡り対立しているが、本質的には、経済成長に伴う中国の対外的拡張とそれとぶつかる日本の権益との対立である。
日中の対立は文明の衝突というよりも、それぞれの国益を巡る対立である。このままでは、第一期安倍内閣のときに提起された中国との「戦略的互恵関係」は実現できず、「ロス・ロス」という喧嘩両成敗の結末になる可能性が高い。今回の特別企画コンファレンスでは、中国の習近平新指導部の誕生を受け、日中関係の改善に意欲的な安倍政権の取り組みを念頭に、日米中の専門家による率直な問題提起と討論を通じて新たな日中関係の方向性を示唆した。
コンファレンス開催以来最も多い500名近いお客様にご来場いただき、大盛況のうちに終えることができました。
以下に当日の講演者の様子および講演資料(ダウンロード)、アンケート結果等をご案内いたします。
(講演者の所属はコンファレンス当日時点のものです)
来賓挨拶
前 駐中国大使
丹羽 宇一郎
基調講演-1
「日本の新たなチャレンジ―中国とどう向き合うか―」
防衛大学校 校長
国分 良成
基調講演-2
「これからの中国社会、政治と経済」
北京天則経済研究所 理事長
茅 于軾 (ぼう うしょく)
講演資料ダウンロード(日本語) [229KB]
講演資料ダウンロード(中国語) [209KB]
公益財団法人 東京財団 上席研究員
渡部 恒雄
パネルディスカッションでは、 「新たな日中関係のあり方」と題し、新たにモデレーターとして日本経済新聞社 編集委員の後藤 康浩氏が加わり、パネリストとして、基調講演の國分氏、茅氏、問題提起の津上氏、渡部氏、柯により、多彩かつ質の高い議論が交わされました。
パネルディスカッションの様子
(写真左から) 後藤氏(日本経済新聞社 編集委員/モデレーター)、茅氏(北京天則経済研究所)、津上氏(津上工作室)、渡部氏(公益財団法人 東京財団)、柯(富士通総研)