富士通ユーザー研究団体 FUJITSUファミリ会 語りあう夢、きそいあう知恵
10/09/13 更新
 

論文詳細

プロジェクトマネジャのなすべきこと
-システム開発プロジェクトにおける実践的PMBOK(R)適用ガイドライン-

明治安田システム・テクノロジー株式会社(FUJITSUファミリ会研究委員会
2006年度研究分科会)
論文要旨

 従来のプロジェクトマネジメントは、PM(プロジェクトマネジャ)個人の裁量や経験で行われており、手法も様々で他のプロジェクトに応用可能な手法が確立されているとはいい難い。しかし、プロジェクトが多様化、複雑化する現在、プロジェクトを成功に導くためにはPMの役割はより重要となり、新たなマネジメントの手法がますます必要となっている。
 PMに必要な知識体系として、デファクトスタンダードともいえるPMBOK(R)が普及しているが、実際のプロジェクト現場では、PMBOK(R)の知識だけではうまくいっていないという現状もある。
  また、プロジェクトを進める上で、QMSや開発標準・開発ルールを持っている会社は多々あるが、プロジェクトマネジメントに対する基準やルールを策定している会社は非常に少ない。この現状を踏まえ、プロジェクトマネジメントに特化したガイドラインが必要になっていると考えた。
 このため、最初にPMBOK(R)をベースとしたより実用的なプロジェクトマネジメント手法を確立し、第二に誰もが応用可能で、PMの道しるべとなるよう心がけ、第三にプロジェクトの成功率を向上させる「HOWTO」を取り込み、実務に役立つ実践的なガイドラインを開発した。
このガイドラインの特徴は、(1)PMBOK(R)の知識エリアと開発工程を融合、(2)各開発工程で、マネジメント・チェックシートとして利用、(3)ノウハウや経験則も重視したマネジメントツールとしても活用、といった点を持つ。
 更に、18企業48名のPM有識者による有効性検証を行い、十分実用に耐えることを検証。この過程で浮き彫りになったマネジメントの問題点も明確にし、解決策を提示した。
 これにより、抽象的で開発工程の概念がないPMBOK(R)の課題を解消し、実際の現場でも十分活用が可能となった。また、開発工程ごとにPMがなすべきことを網羅的に抑えることが可能であり、段階的に高度なマネジメントが実現できる。このため、PM初心者にもプロジェクトマネジメントの全体像を捉えやすく、PMBOK(R)が理解し易くなり、社内のPM教育にも活用できる、という付帯効果も望めるようになった。

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