メインフレーム市場の縮小は,金融系システムにも大きな波紋を投じている.周辺装置として導入を開始したオープン系マシンの適用範囲が今では,基幹業務システムにまで進出しそうな勢いである.ハード機器の価格低下に加え,性能・信頼性の向上には目を瞠る物があり,大規模を誇る金融系基幹業務システムといえども,ハード面からは十分に適用可能な状況が整いつつある.一方,複雑な金融業務仕様が蓄積されているソフト資産の取扱いについては,既存品質の絶対保証やソフト開発費用抑制の観点から,オープン系特有の言語仕様を用いた再構築には,慎重論を唱える顧客も多い.そこで,稼動中の業務ソフト資産を可能な限り流用する金融系基幹業務システム移行に関して,最大の課題となる元帳ファイル(ネットワークデータベース)アクセス方式の継承を検討し,ソフト資産流用を守りながら,オープン系マシンへのダウンサイジング実現の検討を行った.
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