FUJITSUファミリ会-語りあう夢、きそいあう知恵-

論文詳細

IT資産管理とセキュリティの確保について
株式会社 ジーエス情報ネットワーク
論文要旨

[背景/問題定義]
   1996年夏,1人1台として約1,500台のパソコンを全社に導入した. 当時はそれら情報機器の管理・利用・活用方法について各部門キーマンを選出し,運営していたが,2001年夏に新規パソコンへリニューアルする際,旧式パソコンの回収に多大な労力を要したため,正確な資産管理が求められた.
   また時代の流れと共に,国内モバイル利用化や海外拠点での利用といったグローバル化が進み,コンピュータウィルスや盗難・事故・情報漏洩と様々な問題について一層の対策が求められる事となった.

[手法]
   1998年春,我々情報部門が分社化し「株式会社ジーエス情報ネットワーク」(以下,GSNETという)として編制された事も追い風となって,全グループ会社への情報機器はGSNETから供給するよう促し,またソフトライセンスや修理保守など盛り込んだレンタル契約によるパソコン配布を実現,同様にウィルス対策やセキュリティ確保のための社内統制をすべく,ルールの見直し及びインフラを整えた.

[効果]
   改善による具体的な効果は次の通りである.
   (1)全社内パソコンの情報をデータベース化する事により,把握・管理を実現し,管理業務そのものの工数を低減する.
   (2)全グループ会社のソフト統一化(マイクロソフト製品のバージョン統一化)を実現する事により,情報共有する上での弊害を無くす.
   (3)情報機器取扱いの徹底,申請・承認による許可制を導入する事により,セキュリティの確保を実現する.
   (4)社内情報機器導入における社内統制基準化(稟議決済簡素化)により,導入までのプロセスを省略し,より迅速に情報機器配布を行う.
   (5)コスト把握,費用振替等の事務作業軽減
   (6)機器修理作業の軽減

[今後の課題]
   IT資産管理として精度の高いデータベース化とデータ活用が実現できた.しかし,情報機器を利用する上でのモラルやコンピュータウィルスといった外敵からの防御策,及び危機管理については継続して運営しなければならない.よりIT技術を活用することによってIT統制(ITガバナンス)の整備が課題である.

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