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建設作業所は，建設業における生産拠点であり，また生産情報（建設施設に関するあらゆる情報）の作成・利用場所であるにも関わらず，作業所の立地条件や常設事業所ではないという環境のために，社内ネットワークの中でも一番劣悪な通信環境に置かれていた．特に近年では，ISOに基づく各種文書・帳票類の電子化や図面のCAD化に伴い，取り扱う情報量が大幅に増加し，通信環境の悪さが業務の遂行に多大な影響を与えるようになってきている．
そこで，個人を対象とした高速・定額・低額の通信サービスであるADSLが，建設作業所に不可欠な電話線を利用して実現できることに着目し，企業用ネットワークサービスとして定着しつつあるIP-VPNサービスと組み合わせることにより，作業所における通信環境の大幅な改善と通信コストの削減を実現した．これは，建設業界初の試みであり，対象拠点数（約1,200）の規模から見れば，他産業でも例を見ないものである．
今後は，今回構築した環境をベースに，足回り回線サービスの変化に柔軟に対応し，より高速で信頼性の高いネットワーク環境を建設作業所に提供していきたい．
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