ブロードバンド化が着実に進められている日本のネットワーク事情において,「ラストワンマイル」という言葉がよく使われる.これは,「最後の1マイルに回線を敷設するのは難しい」という意味であるが,特に集合住宅やホテル,総合病院といった大規模な施設においてこのような現状がある.原因としては,施設の構成的に新規の回線導入が不可能であるといったものや,導入にコストがかかりすぎるといったものが主である.
これらの問題に対応するための一技術として,電話回線を利用した通信手法であるVDSLがある.これは電話とデータ通信を共用する技術であり,最大で50MbpsのLANが実現可能である.電話回線はすでに引かれている設備であるため,新規で回線導入を行う必要がない.また,小規模の工事で済むため導入時のコストダウンも可能である.
このように「ラストワンマイル」に非常に対応した技術であるVDSLであるが,今回の検証では企業内LANなどにも利用可能であることが確認できた.
|