樹木は葉に含まれる水分によって炎を防ぐ防火効果があることが,これまでの研究で知られている.この研究では,樹木の防火効果の有無を判定するのに手計算で値を算出し,防火効果の有効性を判定していた.
そこで判定に要する時間の短縮と計算精度をあげる目的で,コンピュータの中の三次元空間上に,家の壁と樹木と炎をそれぞれの形状とパラメータをもつデータとして配置し,炎から家の壁に届く熱を樹木がどれだけ防ぐか計算して,被熱の割合に応じて壁面の色を変えることで,防火効果の有効性を判定するという手法を開発した.
この手法により,計算時間の短縮を実現しただけではなく,これまで一カ所の比熱量で危険度を判定していたものが,壁面すべてが危険度の判定範囲となった.
今後は開発した手法を使って,都市火災や火災時の地上温度の算出などへの応用が見込まれてる.
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