新電元工業株式会社 様

迅速なシステム復旧を可能とするBCP対策を
オンプレからクラウド環境への移行で実現

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エネルギー変換効率の最大化を追求するパワーエレクトロニクス製品で、デバイス事業、電装事業、エネルギーシステム事業の豊富なラインナップを持つ新電元工業は、BCPを考慮し飯能工場内にあった基幹システムなどオンプレミスシステムをクラウド 「FUJITSU Cloud Service for VMware NIFCLOUD」と富士通データセンター内のハウジング環境へ移行。2016年に生産ラインを途切れさせないハイブリッドクラウド利用のシステムを実現した。

課題
効果
課題停止できない基幹サーバ群をクラウドへ置くことへの不安
効果高信頼かつ既存環境と同じVMwareベースのクラウド移行による安心感
課題クラウド移行後の運用負荷増大への懸念
効果直観的で使いやすいコントロールパネルの操作性により運用負荷軽減
課題BCPを考慮し、万一に備えたシステム復旧の仕組みが必要
効果DR環境構築により、2日以内のDR復旧が可能に

導入の経緯

主力工場1拠点にオンプレミスでサーバを置くことへの不安

1949年に設立された新電元工業は、デバイス事業、電装事業、エネルギーシステム事業の3事業を柱に、エネルギーの変換効率を追求する数多くのパワーエレクトロニクス製品を製造しており、世界的に高いシェアを持つダイオードや二輪車用電装品のほか、EV用充電器や太陽光発電システムなど幅広く手掛けている。国内に多くの拠点を持つほか、海外展開にも古くから取り組んできた。

情報システムへの取り組みも早く、1960年代には飯能工場に電算室を設け富士通のホストコンピュータを導入していた。そんな同社がクラウド化への取り組みを検討するようになったのは、2011年の東日本大震災が契機になったという。

「東北にある製造拠点では東日本大震災の被害が発生しました。半導体は電力が途絶えて作りかけで放置すると製品化できなくなってしまいます。また、物流のサプライチェーンが途絶え、部品調達がうまくいかないなどの影響もありました。情報システムが現行の飯能工場中心では支障があると思い、BCPを考えるとクラウド化という道が見えてきました」と、新電元工業執行役員の小島卓也氏は振り返る。

新電元工業のサーバは飯能工場サーバルームに収容されており、仮想マシン100台規模で、2010年に開始したメインフレームからのオープン化と同時にVMware vSphere®で仮想化されていた。サーバルームは耐震や免震などの設備が十分ではなく、ハードウェアの管理もお客様自身で行っていたため、大規模災害に見舞われた場合の基幹システム運用に不安があったという。

パブリッククラウドの利用が一般に広まるなか、2015年にクラウドを利用するBCPの検討に入った。同社では通常、システム案件は課の単位で動いているが、クラウド化については部単位の大型プロジェクトとして取り組むことになったと、クラウド化プロジェクトで全体統括と事務局の役割を務めた情報システム部システム課チーフ山本圭介氏は当時を振り返る。

オープン化の際に新電元工業に出向していた新電元熊本テクノリサーチ株式会社の佐藤通彦氏が今回も加わることで、オープン化時に蓄えた知見を活かせる形をとった。

小島 卓也 氏の写真 新電元工業株式会社
執行役員
小島 卓也 氏
鈴木 俊則 氏の写真 新電元工業株式会社
経営企画室 情報システム部長
鈴木 俊則 氏

導入のポイント

必要な信頼性を達成できるパフォーマンスと利用しやすいコントロールパネル

RFPで最重要要件となったのは、取引先からの要望で顧客の生産ライン停止を発生させないため、「DR環境でシステムを2日以内に立ち上げる」ことだ。

このRFPを元に、2015年には複数ベンダーのクラウド評価を行った。トライアルを使用して性能検証を行った結果、ストレージのディスクI/O性能などスペック的にFUJITSU Cloud Service for VMware NIFCLOUD(以下、FJCS for VMware NIFCLOUD)が格段に性能が高く優秀であったことから採用に至った。また、コントロールパネルについても好感触だったという。「コントロールパネルがわかりやすく、ファイアーウォールやルータの設定がGUIベースで簡単でした」と情報システム部インフラ課チーフ福田渉氏は語る。

また、既存の仮想化基盤がVMwareベースであったため、同じVMwareベースのFJCS for VMware NIFCLOUDは移行時の安心感があることも重要な決め手になったという。計画立案時に問題となったのは、パブリッククラウドに基幹システムを乗せられるかどうかであった。

「当社の基幹システムでは、フェイルオーバーによる予期しない再起動は データの整合性がとれなくなるため許されません。基幹システムはシステム間連携で他に影響が出るため、サーバシャットダウンの手順が決まっているのです。そこで全体の再検討を行い、2016年2月にハイブリッドクラウドを採用することにしました」(山本氏)

本番系のミッションクリティカルなサーバは富士通データセンターのハウジング環境に置き、試験系などその他のシステムとバックアップはFJCS for VMware NIFCLOUDを利用する形で、それから半年後の2016年8月にすべてのサーバ移行を完了した

トップ要件である2日以内のDR環境への移行も、メンバーで3か月間試験を繰り返しほぼ満たすことができた。今ではFJCS for VMware NIFCLOUDのコンソールの性能が向上し、4半期に一度のリハーサルでも万が一飯能工場が被害を受けたときにも他に影響が出ないような「手順の標準化」でメンバーが誰でも対応できる体制を作り上げた。西日本リージョンに置かれたDR環境は、平常時は本番のハウジング環境と接続せず、西日本リージョンのサーバ群内の接続で別IPアドレスで立ち上げている。万が一の災害や障害発生時には、DR環境への切り替えはDNSサーバにて行うという。

活用イメージ

活用イメージ

効果と今後の展望

BCP導入分を含めても、メインフレーム時代よりコストを圧縮

運用については、2017年9月のFJCS for VMware NIFCLOUDのバージョンアップ以降、安定感が増しさらに使いやすくなっているという。現在はほとんどアラートも鳴らず、また、自動フェイルオーバー(HA機能)(注1)もなく、メンテナンスが発生するときは事前に連絡が来るため、対応が取れている。
フェイルオーバーを許すシステムと許されないシステムの切り分けも進み、当初ハウジング環境に置いていたサーバの約半分はパブリッククラウドに移行した。
「切り分けをしっかりやれば、本番系の9割までクラウドに持っていけると思います」(佐藤氏)

また、クラウド導入の効果はBCPや既存システムの運用にとどまらない。
「基幹サーバ以外の更新や立ち上げもFJCS for VMware NIFCLOUDだと柔軟にテストができます。他の部門への払い出しにも使え、利用範囲は広がっています」(山本氏)

クラウド化によるコストの削減幅は大きく、BCP対策を追加したにも関わらず、メインフレーム運用時よりも低コストで運用できているという。
「事業継続の安心の線引きは難しいが、今回計画していたBCPレベルは予算の範囲内で実現できたと思います。これは取引先との信用の面でも大きなことです」経営企画室情報システム部長の鈴木俊則氏は語る。

富士通への要望としては、「オンプレミスは更新のタイミングでしか手を加えることができないが、パブリッククラウドは常に新しい機能を使えるメリットがあります。今後はDRの立ち上げ日数ももっと短縮し、手順も簡略化していきたいので、そのための相談もしていきたい」と、山本氏は今後のパートナーシップを期待している。

(注1)自動フェイルオーバー(HA機能)
FJCS for VMware NIFCLOUDの物理サーバで故障が発生した場合、当該物理サーバにて稼動していたお客様のサーバは、自動で別の物理ホスト上に移動します。

鈴木俊則氏、小島卓也、佐藤通彦氏、山本圭介氏、福田渉氏の写真 前列左から 鈴木俊則氏、小島卓也氏
後列左から 佐藤通彦氏、山本圭介氏、福田渉氏

新電元工業株式会社 様

本社所在地 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 新大手町ビル
設立 1949年8月16日
ホームページ https://www.shindengen.co.jp/
概要 半導体、電装製品、電源の製造及び販売

[2019年4月掲載]

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