株式会社ナブアシスト 様

富士通のクラウドサービス「K5」を活用したパッケージソフトのクラウド化により、お客様の選択肢を増やし、営業スタイル・導入支援の変革を目指す

群馬県に拠点を置くナブアシスト様は、「一芸ソリューション」と呼ぶ業界特化型のソリューションを開発・展開し、全国に数多くのお客様を抱えている企業です。同社は、富士通が推進するデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc(メタアーク)」の可能性に注目し、その中核サービスとなるクラウドサービス「K5」を活用してパッケージソフトのクラウド化に着手。お客様にオンプレミス/クラウドの2つの選択肢を用意するとともに、営業スタイルと導入支援の変革、さらに他社システムとの連携による新しいビジネス創出への一歩を踏み出しました。

  • 「FUJITSU Cloud Service K5」は、「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O」へ名称変更しました。
  • 本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
課題
効果
課題パッケージソフトの成熟によるクラウド化を検討
効果MetaArcパートナープログラム(注1)の活用により、既存パッケージソフトのクラウド化を容易に実現
課題デモ機やデモ環境の準備を必要とするオンプレミスシステムの営業・導入支援におけるさまざまな課題
効果試用も含めてすぐにお客様に提供できることにより、営業スタイルや導入支援の変革を推進
課題パッケージソフトでは困難な他社システムとの連携
効果K5上で実現できる他社システムとの連携による新しい提案、新しいビジネスの創出

導入の背景

富士通が推進するデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」の可能性にいち早く注目

ナブアシスト様は、1975年創業の群馬県に拠点を置くシステム開発会社です。同社の特徴は、特定の業界にターゲットを絞り、必要な機能を徹底的に追求したソリューション「Navisia(ナヴィシア)」シリーズを展開していることです。同社では、こうした業界特化型のソリューションを「一芸ソリューション」と呼び、すでに数多くの企業に導入されています。

たとえば、飲食店向けのPOS・オーダーエントリーシステム「Navisia外食店舗」は、大手外食企業に採用され、全国の約1000店舗で導入・活用されています。また、運送業向けの車両運行を支援する「Navisia運行支援」、小売業向けの「Navisia労務管理」など、数多くの「一芸ソリューション」を群馬から全国に提供しています。

一方、富士通が推進するMetaArcは、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなどの先端技術と富士通の知見・ノウハウを融合したデジタルビジネスのプラットフォームです。その中核サービスであるクラウドサービス「K5」上には、現在、富士通自身の国内外の全640システムが移行中であり、パートナー各社のシステムも、K5への移行がすすめられています。さまざまなシステムがクラウド化されることで、システム間の連携も容易になり、新たなビジネスの創出が期待されています。

流通ソリューション営業部
次長
葛谷正美 氏
流通ソリューション営業部
流通一課 統括主任
七五三木仁志 氏

導入の経緯

カスタマイズ率の低下した労務管理パッケージのクラウド化とMetaArcの取り組みがシンクロ

MetaArcの可能性に注目されたナブアシスト様は、自社パッケージソフトのクラウド化に取り組むことを決断されました。その第一弾として選ばれたのが、「Navisia労務管理」です。これは、単なる勤怠管理ではなく、店舗におけるパート、アルバイトを含めた適正な人員配置を実現したり、勤務予定や人件費を管理して経費削減に貢献したりできるパッケージソフトとして、全国のスーパーやドラッグストアに数多く導入されています。

しかしながら、MetaArcに合わせて「Navisia労務管理」のクラウド化が検討されたわけではありません。むしろ、同社が「Navisia労務管理」のクラウド化を検討していたところに、MetaArcがよいタイミングで重なったというのが事実です。流通ソリューション営業部 次長 葛谷正美 氏は次のように説明します。

「Navisia労務管理の展開をはじめた5、6年前は、多くの食品スーパーやドラッグストアのお客様は、それぞれ独自に工夫して労務管理をされていました。このため、システムのカスタマイズ率が高く、クラウド化はまだ早いという状況でした。しかし、多くのお客様に導入いただく過程でシステムも成熟し、徐々にカスタマイズの割合が減り、クラウド化も視野に入ってきたところに、MetaArcが重なったのです」(葛谷氏)

さらに、ビジネス的な観点および営業的な観点からも、クラウド化が求められていたと、営業を担当する流通ソリューション営業部 流通一課 統括主任 七五三木仁志 氏は次のように説明します。

「システム更改のタイミングでクラウドを検討されるお客様が増えてきたことも、大きい理由です。また、システムをデモする際、従来はデモ用パソコンを使って『十分なパフォーマンスは出ないのですが...』とお断りしながら実演せざるをえませんでした。しかし、クラウド版があれば、わざわざデモ機を使う必要はありませんし、一定期間、無償で試用していただけるなど、営業のスタイルも変革できると考えたのです」(七五三木氏)

こうして、2016年3月から「Navisia労務管理」のK5移行プロジェクトがスタート。2016年4月から5月にかけて移行作業が行われて、無事、移行を完了しました。現在は、クラウド版の「Navisia労務管理」がK5上で稼働し、お客様から要望があれば、いつでも提供できる状態になっています。

なお今回、パッケージソフトのクラウド化においてMetaArcパートナープログラムを活用することにより、検証環境の利用やさまざまな技術支援などの細やかな支援を受けることができ、クラウド化に対してのノウハウを習得もできました。

導入の効果

クラウド版のメリットを活かした営業スタイルの変革と新規顧客の開拓に期待

クラウド版の「Navisia労務管理」が準備できたことは、同社のビジネスにとって、大きいインパクトを与えることになると、葛谷氏は次のように語ります。

「1つは営業のスタイルを変革できることです。従来のように、商談の際にデモ機を持って行く必要はありませんし、クラウドに接続するだけで、実際のレスポンスを体感していただけます。また、導入支援のプロセスも変わります。たとえば、導入前にはフィット&ギャップ分析を行って、どの程度、カスタマイズが必要かを判断しますが、クラウド版であれば、実際の画面を見ていただきながら分析できます。同様に、現場の方々にも、実際に使っていただきながら説明できるので、導入サポートのスタイルも変革できると思います」(葛谷氏)

もちろん、クラウド版は、同社のお客様にとっても大きいメリットをもたらします。

「オンプレミスのシステムは、導入から約5年でリプレースが必要になります。システムだけでなく、サーバやOSのリプレースも必要になるため、我々、営業担当者は、御見積を持ってお客様を伺うことになります。しかし、クラウド版であれば月額課金ですので、リプレースが不要になり、継続的に末永く使っていただけます」(七五三木氏)

さらに、クラウド版によって導入の敷居が下がり、これまでとは異なる新しいお客様の開拓にもつながるだろうと、葛谷氏は次のように期待を語ります。

「クラウド版が用意されたことで、まずはノンカスタマイズで使ってみたい、というお客様が増えてくると考えています。その後、どうしても使いづらければ、カスタマイズを行うというアプローチがありうると思います。これは、カスタマイズを前提に、まずは要件を伺うところから始まっていた従来とは、まったく異なるアプローチです」(葛谷氏)

また、その際には、クラウド基盤として富士通のK5を使っていることを積極的にアピールしていく予定です。

「K5を活用することで、我々のシステムに富士通のブランドが加味されることは大きい価値です。もちろん、富士通のデータセンターを初めとした、高い安全性・信頼性の担保された設備で運用されていることは、お客様にとっても大きい安心感につながると確信しています」(葛谷氏)

今後の展開

K5上での他社システムとの連携によってさらなるビジネス拡大を目指す

現在、システムの更改時期を迎えている十数社のお客様と、クラウド版も含めた商談が進行中です。今後は、クラウド版/オンプレミス版双方のメリットを提案し、お客様に選んでいただくことになります。また、クラウド版については、無償で利用できるトライアル版も準備中です。ただし、ただ試していただくだけでなく、お客様に積極的にアプローチし、導入した際の効果検証まで行う予定です。

「単に使っていただいて、期限がきたら使えなくなるというのではなく、トライアル中に我々からお声がけし、効果検証まで実施させていただきたいと思っています。確実に効果が出ることが確認できれば導入提案をさせていただきますし、効果がなければ、我々のシステムもしくは営業スタイルを変えなければならない、と考えています」(葛谷氏)

さらに同社は、「Navisia労務管理」に続き、既存のいくつかのパッケージのクラウド化もすすめており、すでに「Navisia外食店舗」はクラウド化の検証を完了しました。ラインアップは今後も増える予定です。また、他社システムとの連携も始まっています。現在、日本システム様のBIシステムである「Linxgate(リンクスゲート)」がK5に移行中ですが、移行が完了すれば、「Navisia労務管理」との連携が計画されています。葛谷氏は、こうしたK5上でのパートナー間の連携について、次のように語ります。

「富士通には、K5上のパッケージをさらに増やしていただければと思います。さまざまなパートナーのシステムがK5にあれば、いつでも連携できるので、パートナー間の連携・協力がさらに進展し、新しいビジネスが広がると期待しています」(葛谷氏)

富士通が推進するデジタルビジネスプラットフォーム「MetaArc」の可能性をいち早く見抜き、既存パッケージのクラウド化の推進をすすめられているナブアシスト様。今後も富士通は、同社のビジネスを支え、ともに成長するとともに、多くのパートナーとの連携をさらに拡大・深化し、「MetaArc」によるビジネスのデジタル革新を加速していきます。

株式会社ナブアシスト 様

代表取締役社長 望月 明夫
設立 昭和50年12月22日
従業員数 165人
ホームページ https://www.nav-assist.co.jp/

[2017年5月掲載]

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