運用管理の負荷とコストを削減し、DXに注力!
SPARC/Solaris環境をそのままクラウドに移行

2021年3月19日

DX時代を勝ち抜くためには、クラウドの活用により既存の基幹システムの運用に要している人材やコストといったリソースを削減し、DXに注力することが求められます。しかし、SPARC/Solarisの基幹システムにおいて、PCサーバベースの一般的なクラウドへの移行は多くのコストとリスクを伴うため、一歩を踏み出せない企業が多いのが現状です。FUJITSU Cloud Service for SPARCは、SPARC/Solaris環境をそのまま移行することで、移行の負担やリスク、コストの最小化を実現するとともに、運用管理からの解放、継続的なエンハンスによる付加価値の高いサービスの利用などクラウドのメリットをもたらします。Solaris資産は「所有」から「利用」へ、新たなトレンドの最前線に立つ富士通の技術者に、FUJITSU Cloud Service for SPARCによるマイグレーションのポイントについて聞きました。

  • 宮内 啓次
    富士通株式会社
    プラットフォームソフトウェア事業本部
    第一基盤ソフトウェア事業部
    第三開発部
    マネージャー

  • 堂下 晃広
    富士通株式会社
    プラットフォームソフトウェア事業本部
    第一基盤ソフトウェア事業部
    第三開発部

「既存のSPARC/Solaris環境をそのままクラウドに移行する」という選択肢を提供

SPARC/Solarisユーザー企業の状況と動向についてお聞かせください。

宮内 SPARC/Solarisに限らず現行の基幹システムに関して、多くの企業が運用負荷の軽減やリソース管理の手間を解消し、創出したパワーを例えばDXに注ぎ込むなど新しいビジネス戦略を立てていると認識しています。その手段として、有効な選択肢であるクラウドマイグレーションへの流れは、今後ますます加速していくと考えます。

SPARC/Solarisの場合も、PCサーバベースの一般的なクラウドへの移行を検討されるケースも耳にしますが、容易ではありません。SPARC/Solarisの特性に依存するアプリケーション資産の維持や、システム更改に伴う再設計の負担が壁となるからです。
さらにミッションクリティカルな業務を支える基幹システムは、企業の心臓部にあたるため、移行に伴うリスクもブレーキとなっています。

一般的なクラウドへの移行が困難だからといって、オンプレミスのSPARC/Solaris資産をそのままにしておくことは、運用管理の煩雑化を招きビジネス変革の足枷になりかねません。また、Solaris技術者の確保といった人材面の対応も課題となります。重要な視点は、クラウドへの移行を目的とせず、既存インフラに要している運用管理からの解放を実現する手段、あるいは課題解決に向けた段階的対応と捉えるべきです。
SPARC/Solarisのクラウドマイグレーションでは、既存システムをクラウドに合わせて更改するのではなく、移行の負担やリスク、コストを最小化するために既存システムをそのままクラウドに移して動かすといった選択肢を提供しています。

既存のSPARC/Solaris環境をそのまま移行するために、FUJITSU Cloud Service for SPARCならではの特長についてお聞かせください。

堂下 富士通は、これまで多くの日本企業のお客様にSPARC/Solarisシステムをご導入いただいています。お客様のSolaris資産を守り、ビジネスを支援することは、オンプレミス、クラウドを問わず富士通の責務です。その一環としてFUJITSU Cloud Service for SPARCを位置づけています。一般的なクラウドサービスとは異なり、お客様の移行元のシステム環境をできるだけ変えることなく展開する点が、FUJITSU Cloud Service for SPARCの大きな特長です。

お客様によって異なる移行元環境をクラウド上で構築するためには、単にサーバやストレージ、ネットワークなどを配置するだけでは対応できません。FUJITSU Cloud Service for SPARCでは、これまでの構築・運用で培ったシステムインテグレーションの技術やノウハウのもと、3階層構造やネットワーク構成などお客様の多様なニーズにお応えします。また、SPARC/Solaris対応の代表的なクラスターソフトウェアやミドルウェアの利用も可能です。

既存のSolaris資産をそのまま使えるため、再設計やアプリケーション改修など移行コストを抑制できる点もアドバンテージです。Oracle Solaris 10、Oracle Solaris 11の仮想サーバの提供はもとよりSolaris 10上でSolaris 8、Solaris 9を動かすOracle Solaris Legacy Containersも動作可能であり、これまで次のステップに進めなかった老朽化したシステムもマイグレーションすることが可能です。

共有型クラウドサービスでありながら隔離性を確保し高信頼性を実現

基幹業務への導入が多いSPARC/Solarisシステムにおける移行後の運用において、高信頼性をどのように確保していますか。

宮内 FUJITSU Cloud Service for SPARCは、Solaris資産を「所有」から「利用」へとシフトする共有型クラウドサービス(IaaS:Infrastructure as a Service)でありながら、基幹業務のニーズに応えるために専有型のメリットも追求しています。一般的にIaaSで懸念されるのは、他の利用者の負荷増大に伴い、CPUやメモリがタイムシェアリングされ、性能低下を招く恐れがあることです。FUJITSU Cloud Service for SPARCで採用している仮想化ソフトウェアOracle VMは、仮想マシンごとにCPUやメモリを割り振るため、他の利用者との共有がありません。ストレージも領域を分けており、ネットワークも仮想LANを利用しお客様ごとに隔離性を確保しています。

また、物理インフラには最新のUNIXサーバ SPARC M12とSPARC M10を採用し、高信頼性、高性能を実現しています。富士通のUNIXサーバは、ご導入いただいているお客様から、その高信頼性を高くご評価いただいています。その真価はFUJITSU Cloud Service for SPARCでもいかんなく発揮されています。クラウド基盤として100台以上のSPARCサーバを運用していますが、サービス開始から5年が経過した現在までサーバの故障によりお客様のシステムを止めたことはありません。

安全・安心の観点では、最新鋭の技術を投入したデータセンターでの運用に加え、SPARC/Solarisの開発や運用に携わったエンジニアがFUJITSU Cloud Service for SPARCの運用やサポートを行い、お客様の基幹業務を支えます。お客様はSPARC/Solarisの運用管理から解放されるとともに、継続的な資産保護を実現できます。

お客様のご要望に応えて継続的にエンハンスを行い、付加価値の向上を図る

2020年のエンハンスのポイントについてお聞かせください。

堂下 FUJITSU Cloud Service for SPARCは、これまでもお客様の声を反映し、エンハンスを継続的に行うことで付加価値を高めてきました。2020年には、基盤リソースを大幅に強化し、より高いパフォーマンスを必要されるお客様のニーズにお応えしています。単に既存システムを移行するだけでなく、最新技術や先進機能をサービスとして利用できることは、クラウドの大きなメリットです。またお客様の選択肢を広げるべく、コアやメモリのバリエーションを増やすなどラインナップも拡充しました。

クラウドへの移行で懸念されるのが、I/O性能などのパフォーマンスの問題です。FUJITSU Cloud Service for SPARCはこれまでも、他のお客様からの影響を回避しお客様が求める性能を実現できるよう、最適な提案を行ってきました。今回、お客様のパフォーマンスに関するニーズを踏まえて、お客様がより緻密なサイジングを行えるよう、I/O性能が異なる複数の新規ストレージメニューを提供しました。

また、お客様から多かったご要望の1つが、バックアップサービスです。日々のバックアップ運用の負荷軽減はお客様にとって重要な課題です。今回のエンハンスでは、クラウド基盤を構成する富士通の高性能・高信頼ストレージETERNUSの機能()を利用したバックアップサービスを用意し、高速バックアップを実現します。万が一、誤ってデータを削除しても復元できます。オンプレミスで利用していたバックアップと遜色のない機能を提供するとともに、Web APIを利用したバックアップの自動化も可能です。

FUJITSU Cloud Service for SPARCは、今後もクラウド基盤の進化やサービス強化に注力していきます。また、クラウド移行後にお客様のさらなる運用負荷軽減につながる機能改善を図ることで、お客様のビジネス変革に寄与していきます。

  • : QuickOPC相当の機能

OLTP、DWH、DR、マルチクラウドなど様々な用途に対応

FUJITSU Cloud Service for SPARCによるケーススタディをご紹介ください。

堂下 既存SPARC/Solarisシステムの運用負荷の軽減を目的に、FUJITSU Cloud Service for SPARCを導入・検討されるお客様は多くいらっしゃいます。なかには、Solaris 8やSolaris 9のシステムを移行したケースもあります。クラウドを活用したSolaris資産保護のニーズは大きいと感じています。また優れた移行性に加え、高いI/O処理を必要とする業務を実現できる点もご評価いただいています。さらに、業務変動が少なく、長期間利用が想定される基幹システムにおいてコストメリットを享受できる「3年コミット型料金プラン」もご用意しています。
導入効果としては、資産を保護しながら、サーバ、ストレージ、ネットワークなどオンプレミスの運用管理から解放され、新しいビジネスにリソースを当てることができるといった声をよくお聞きします。

活用シーンとしては、OLTP(Online Transaction Processing)、DWH(Data Ware House)、DR(災害対策)など様々な用途でお使いいただいています。また、利用量に応じた柔軟なリソース増減により、必要な時に必要な分だけ利用できるため、一時的に負荷の集中する業務や開発環境などにも適しています。

FUJITSU Cloud Service for SPARC商談の半数以上が、ハイブリッド/マルチクラウドです。オンプレミスのSPARC/Solaris基盤とのハイブリッド連携に加え、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud-O(以下FJcloud-O)」と連携し、セキュアかつ短期間でLinux/Windowsも含めたマルチOSクラウド環境を構築し、全社的なクラウド移行も実現できます。さらに他社クラウドサービスと連携することも可能です。

お客様の持続的成長に貢献するSPARC/Solarisのためのクラウドサービス

不確実な時代を生きるSPARC/Solarisユーザー企業にメッセージをお願いします。

宮内 SPARC/Solarisは、高い信頼性が求められる基幹システムで数多くご導入いただいています。時代の変化に関わらず、基幹業務のニーズに応えるサーバの重要性が変わることはありません。不確実な時代では、基幹システムをより安全・安心かつ効率的に運用管理することが重要です。FUJITSU Cloud Service for SPARCは、SPARC M12をはじめ高信頼・高性能のクラウド基盤を擁し、SPARC/Solarisにおける豊富なノウハウと知見を有するエンジニアがしっかりとサポートする、SPARC/Solarisのためのクラウドサービスです。今後も、お客様の資産を長期に維持するべく全力を尽くすとともに、メニューの拡充、新機能の追加、Web APIを活用した機能強化などに積極的に取り組んでいきます。
富士通は、FUJITSU Cloud Service for SPARCの提供を通じて、お客様とともに新しいビジネス変革の“基幹システムのあるべき姿”を実現することで、お客様の持続的成長に貢献します。

SPARC/Solarisクラウド

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