森永製菓株式会社 様

重要基幹システムを含むサーバ90台以上のシステムを移行
富士通のSI力と運用サポート力、窓口一本化を高く評価

森永製菓株式会社様 社屋

森永製菓株式会社は、富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service for AWS」を導入し、重要基幹システムを含むサーバ90台以上のシステムをクラウドに移行した。富士通採用の理由は、SI力と運用サポート力、窓口一本化など、最もリスクを回避できる提案だったからだ。2017年にスタートしたプロジェクトは2020年3月に計画通りに完了。“食”マーケットの変化にスピーディーに応えるクラウドベースのITインフラが、森永製菓の成長戦略を加速する。

課題
効果
課題重要基幹システムのクラウド移行に伴うリスクを回避したい
効果富士通のSI力とサポート力により、事前に念入りにテストを実施し、2020年正月に計画通りに移行作業を完了
課題サーバ90台以上のシステムを移行するため業務への影響を最小化したい
効果富士通の支援のもと事前検証でデータ転送時間を計測・把握し、停止許容時間内で移行を確実に完了するなど、業務影響を最小化
課題アマゾン ウェブ サービス(AWS)への問い合わせや対応窓口の一本化を図りたい
効果AWS上の動作確認、問い合わせ、各種通知の日本語対応、円建て請求書払いなどワンストップサポートで安心を提供

背景

“食”マーケットの変化にスピーディーに対応するべく
重要基幹システムを含むITインフラをクラウドに移行

1899年創業、「おいしく、たのしく、すこやかに」を企業理念に、日本の西洋菓子づくりのパイオニアとして120年以上にわたり多くの人々に愛され続けている森永製菓。消費者嗜好が多様化する中、徹底したお客様視点に立ち、「価値と感動のある商品・サービス」の提供を通じて新たな食文化の創造に挑戦し続けている同社は、既存領域の強化に加え、新たなブランドの創出・育成、さらなる成長を担うウェルネス領域やグローバル領域の拡大で、持続的成長を目指す。

こうした森永製菓グループをITで支えているのが、森永ビジネスパートナーだ。同社は、ITを活用しグループ各社の業務プロセス改革を支援している。現在、取り組んでいる重点テーマについて、ITグループ システム開発担当 リーダー 大久保 潤一氏はこう話す。 「森永製菓グループでは中期3か年経営計画(2018年度から2020年度)を遂行しています。同中期経営計画の基本方針で掲げている『経営基盤の盤石化と成長戦略の加速』に資するべく、業務視点を中心とした改革が求められており、ITを戦略的に活用し成長の加速化や業務の高度化を推し進めるべく、経営戦略部を中心に全社プロジェクトが進行中です。その一環として、森永ビジネスパートナーとしては、戦略実行に必要なIT基盤の必要性を強く認識し、AWSへの移行を数年前から計画してきました」

2017年、森永ビジネスパートナーは、データセンターによりオンプレミスで稼働する重要基幹システムを含むITインフラのクラウド移行に着手した。

お客様検討経緯と富士通採用ポイント

ハードウェアのライフサイクルから運用を切り離す

なぜ、全面移行するのか。その理由について、大久保氏はこう説明する。「既存のホスティングサービスを利用したシステム運用において、システム数の増加に伴い全体リソースが枯渇してきており、限界が見えていました。今後、ビジネス環境の変化へのスピーディーな対応、IoTなどビッグデータの活用といったデジタル時代のニーズに対応するためには、ハードウェアのライフサイクルから運用を切り離し、柔軟かつ迅速にリソースの増減が行えることが必要でした。“100年使い続けることができるIT環境をつくりたい”とRFP(提案依頼書)にも記載しました。また、利用リソースに対するコストの最適化もポイントとなりました」

DR(災害復旧)対策の強化も重要なテーマの1つだったと、同社ITグループ システム開発担当 川端 聡氏は付け加える。「従来、重要基幹システムのみをDR対象としていたため、業務継続の観点から周辺システムの対応が課題となっていました。クラウドを活用し、災害発生時のシステムの可用性を高めることも重視しました」

SI力と運用サポート力、最もリスクを回避できる富士通を採用

ホスティングサービスがリースアップする2020年の完了を目指し、2017年にITインフラのクラウド移行プロジェクトがスタート。同社は、重要システムと、その他システムでフェーズを分けて移行を進めた。「フェーズ1とフェーズ2のそれぞれでRFPを作成しクラウドサービスを選定しました。結果的に、両フェーズとも富士通の『FUJITSU Hybrid IT Service for AWS』を採用しました。特に重要基幹システムを移行するフェーズ2では、慎重に検討を重ねました」と大久保氏は話し、富士通採用の決め手について説明する。「テストから移行、移行後の運用、DRまで総合的なサポートとコスト面で、当社の要望に適っていたのが富士通でした。重要基幹システムの移行となるため、リスクをいかに減らすかが、移行プロジェクトの大きなテーマでした。最もリスクを回避できる提案が、SI力と総合力を駆使した富士通だったのです」

運用サポートの観点では、窓口一本化も高く評価したと川端氏は強調する。「FUJITSU Hybrid IT Service for AWSは、富士通の運用・サポート部門が担当し、AWS上の動作確認はもとより問い合わせ、各種通知の日本語対応、円建て請求書払いなどをスムーズに対応してくださいます。ここまでのワンストップサポートは、他社にはありませんでした」

導入のプロセス

移行用の回線増強、スケジュール調整により
業務への影響を最小化

2018年6月にフェーズ1がスタートし同年10月に作業完了。フェーズ2は2019年4月に開始し周辺システムの移行を進め、2020年正月に重要基幹システムの移行を実施、両フェーズ全体でサーバ90台以上のシステムをAWSに移行した。

移行では、業務影響の最小化が重要なテーマになった。「データ転送時間と、それに伴うシステムのダウンタイムが大きな課題となりました。移行用に回線を増強するとともに、富士通の支援のもと事前検証でデータ転送時間を計測し把握した上で、停止許容時間内で移行を確実に完了するなどの工夫をしました。また、重要基幹システムに関しては事前に移行テストを実施し、念入りに確認して本番移行に臨み、スムーズかつ計画通りに作業を完了できました」(大久保氏)

移行で技術的なポイントとなったのは、物理筐体サーバを多重化し可用性を高めていたクラスタ構成を、そのままクラウドに持って行くのが困難だったことだ。「富士通からAWSで可用性を高めるための構成を提案していただき、移行後も安心して利用できる環境を構築できました」(川端氏)

効果と将来の展望

周辺システムを含むDRサイトをAWS上に構築し
業務継続性の向上を実現

2020年1月にサービス利用開始後、FUJITSU Hybrid IT Service for AWSによる新しいITインフラは安定稼働を続けており、現在100以上の仮想サーバが動いている。導入効果について大久保氏はこう話す。「お取引先様とのEDI(電子データ交換)に要していた処理時間が2割〜5割短縮できました。また、ディスク領域の拡張、テストサーバの一時的な構築・破棄などパブリッククラウドの利便性を実感しています」

2020年3月、懸案となっていた周辺システムを含む重要基幹システムのDRサイトにおけるシステム面の初回訓練も完了し、業務継続性の向上も実現した。「以前は、本番システムを止めてDR訓練を行っていましたが、今は完全にネットワークを切り離し、本番システムを止めることなくDR訓練を実施できます。今後、ユーザーを巻き込んだ訓練を行う場合、休日に限らず平日でも行える点も大きなメリットです」

今後について大久保氏はこう話す。「クラウドファーストからクラウドネイティブに転換を進め、クラウドサービスを最大限活用したシステム開発や運用を行っていきます。現在、AWS上に開発環境を移行するべく、PaaSの検討も進行中です。さらにビジネスへの貢献度を高め、新たな価値創造に寄与するべく、クラウド活用シーンを広げていきます。富士通にはクラウドネイティブな運用体制における高度なサービス提供とコスト適正化の両立とともに、当社と共創しグループの持続的成長に貢献するべく今後もご協力をお願いします」
富士通はこれからも先進技術と総合力を駆使し、森永製菓グループの成長を支援していく。

左から 森永ビジネスパートナー株式会社 川端 聡 氏 大久保 潤一 氏左から 森永ビジネスパートナー株式会社 川端 聡 氏 大久保 潤一 氏

森永製菓株式会社 様

本社所在地 〒108-8403 東京都港区芝5-33-1
設立 1910(明治43)年2月23日 [創業 1899(明治32)年8月15日]
資本金 186億1千万円
代表取締役社長 太田 栄二郎
社員数 1,414名(平均年齢42.4歳)
ホームページ https://www.morinaga.co.jp/
事業内容 主要な事業として、菓子(キャラメル・ビスケット・チョコレート等)、食品(ココア・ケーキミックス等)、冷菓(アイスクリーム等)、健康(ゼリー飲料等)の製造、仕入れ及び販売

[2020年10月12日掲載]

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