ワークシーン別に考えるスマートな働き方
迫られるワークシフト 働き方の大転換期にある今求められるものとは

日本の働き方に対する考え方はこの数十年で大きく変わった。平成の30年で昭和的な働き方から脱却し、令和時代を迎えたこれからはさらに変わろうとしている。今までの働き方をどう変える必要があるのか。そして、今までの何を見直すべきか。


働き方の前提が変わりつつある今、何が求められるのか

 今の日本の働き方は高度経済成長期に形作られた。終身雇用を前提とし、頑張れば報われると信じられていた時代だ。モーレツに働く従業員が評価され、長時間労働が基本となった。しかしバブル経済の崩壊で、企業の倒産やリストラが相次いだ。終身雇用制度も崩れ、実力主義の時代に切り替わっていった。

組織に属さない働き方など、ワークスタイルも多様化した。一方で生産労働人口の低下が懸念され、人手不足も年々深刻化する。これらを解決する施策として始まったのが「働き方改革」だ。今まで当たり前だと考えられていた労働環境を見直そうという政府の働き掛けだ。

限られた労働人口で今までと同等の生産力や価値を生み出すには、1人当たりの生産性を高める必要がある。成果を出すためには長時間労働もいとわない“昭和的”な考えは過去の遺物とされ、これからは効率性が重視される。

だが、今の働き方を見てみるとどうだろうか。会議に長々と時間をかけ、結論が出ないことも珍しくない。商談は契約締結までに何度も往訪を重ねる。それでいて就業時間管理は厳格になり、青天井の残業は許されない。

その場で意思決定し、結果を出すためのリードタイムをいかに短縮するかが肝となる。持続性だけではなく「俊敏性」も求められる時代になったというわけだ。
俊敏性を高めるために何を変えるべきなのか。ワークシーン別に必要な視点を見ていこう。

短時間で商談を決める営業スタイルに変えるには

 営業の商談を考えてみよう。プレゼン資料や製品カタログをかばんに入れて訪問する。資料を見せながら商品を説明するが、成約に導く材料を持ち合わせていない場合はいったん持ち帰る。納得してもらうための資料を準備し、改めてアポイントを取る。

顧客の納得が得られた後には見積書の作成や契約書への作成といったフローが控える。一連の流れには時間と工数がかかり、多くの無駄が存在する。短時間で商談を決めるにはどうすればよいか。

解決手段の一つがノートPCの活用だ。富士通の2-in-1PC「LIFEBOOK U939X」ならば、商談の場で資料を見せながらプレゼンテーションするときにはタブレットモードで、見積書の作成になればノートPCモードでといった使い分けが可能だ。紙資料や分厚い製品カタログを持ち歩く必要もなく、LIFEBOOK U939Xで全て解決する。タブレットモードなら拡大や縮小も簡単で、クライアントにもプレゼンテーションしやすい。内蔵されたペンを使えば、その場で電子契約書にサインをもらうこともでき、商談の短縮化につながる。

内蔵されたペンで資料への書き込みも可能

 LIFEBOOK U939Xの持つ機能性が、これまで長々とかかっていた一連の営業活動を効率化するのだ。多くの機能を備えながら約877グラムという軽さも実現した。かばんに入れてもかさばらない。時にはクライアントと十分な時間が取れない場合や、ルートセールスで発注内容を確認するだけなど、その場で話を済ませるシーンもある。タブレットモードにすれば、立っていても簡単に顧客と資料を見ながら話を進められる。立ちながらの商談でも苦にならない重量だ。

商品企画を担当した中野翔子氏(富士通 システムプラットフォームビジネス本部プロダクト企画統括部クライアント商品企画部)は、LIFEBOOK U939Xが持つモビリティーについて次のように語る。

「ノートPCを利用するユーザーに困っているポイントを聞いて回りました。例えば外出先での作業はノートPCで、顧客に資料を見せるときはタブレットをといったようにノートPCとタブレットを2台持ちする営業担当者がいました。その負担を少しでも軽減するには2-in-1タイプのノートPCにする必要があったのです。

軽さには徹底的にこだわりました。ノートPCとタブレットの機能を1台に集約できても、重くては意味がありません。軽くなければ持ち歩いてもらえませんから、『1キロを切ってほしい』と開発サイドに強くリクエストしました」

LIFEBOOK U939Xに内蔵されたペンにも開発者のこだわりがある。田村喜朗氏(富士通クライアントコンピューティング プロダクトマネジメント本部第一開発センター第二技術部)は、次のように説明する。

「薄く軽量の筐体ながらもペンと専用スロットを搭載しています。専用スロットはペンを格納する役割だけでなく、充電機能も備えます。15秒の充電で約90分間利用できます。外出先でペンのバッテリーが切れてもすぐに利用できる状態になります」

PCにはペン専用のスロットを内蔵

 LIFEBOOK U939Xは、ペン入力のための専用ショートカットボタンを搭載する。ボタンを押すと「Windows Ink ワークスペース」が起動し、素早く専用アプリなどにアクセスできる。

「『ペンをスロットから抜いたタイミングで起動する』などさまざまなアイデアがありましたが、どんなシーンでも使いやすい方法を検討した結果、専用ショートカットボタンになりました。ボタンを押すときはペンを手に持っていると考え、ペン先でも押しやすい形状になっています」(田村氏)

ノートPCは、持ち出して利用するケースも少なくない。耐久性や堅牢(けんろう)性も気になるところだ。

大石 進太郎氏(富士通クライアントコンピューティング プロダクトマネジメント本部第一開発センター第三技術部)は、「ノートPCモードとタブレットモードを頻繁に切り替えるだろうと想定し、ヒンジ部分はかなり過酷な耐久検査を行いました」と語る。

営業担当者は、一日を外出先で過ごすことも珍しくない。しかし、日報の提出や残務のためだけに帰社するという声も聞く。LIFEBOOK U939Xがあれば、そうした作業を全て外出先で片付けられる。ノートPCに切り替えればよいだけだ。LIFEBOOK U939Xは、営業担当者の業務を効率化する機能を多く備えるのだ。

「先が見えない会議」をノートPCでどう解決するか

 会議の在り方も見直す必要がある。資料を作成し、数時間議論した末に結論が出ず、日を改めて議論をやり直すといった無駄な会議を繰り返してはいないだろうか。

LIFEBOOK U939Xを活用すれば、会議や打ち合わせの際に資料を印刷する必要がなくなる。タブレットモードで資料を表示してその場で情報を共有でき、議事内容も手書きで資料に書き込める。

LIFEBOOK U939Xのリアカメラで撮影しメンバーに共有

 ホワイトボードにまとめた内容は、LIFEBOOK U939Xのリアカメラで撮影して議事録にできる。それをメールで送れば、タイムラグなくメンバーに議事内容を共有できる。ホワイトボードの内容に補足が必要であれば、撮影した画像にペンで書き加えて共有すればいい。

最近では会議のスリム化を目的に、空いたスペースを使って短時間で行う会議スタイル「ハドルミーティング」に注目が高まっている。そうした小規模な話し合いの場でも、メンバーから出たアイデアを素早くまとめ、意思決定までの時間を短縮できる。会議資料作成や議事録作成といったステップを簡略化でき、会議の効率化が期待できる。

LIFEBOOK U939Xのカメラに施した工夫について、飯島 崇氏(富士通クライアントコンピューティング プロダクトマネジメント本部第一開発センター第三技術部)は次のように語った。

「タブレットやスマートフォンの多くは、カメラが右端もしくは左端に配置されています。サイズの大きいノートPCで装置端にカメラを配置すると、ユーザーの視点とカメラの撮像にズレが生じ、ホワイトボード全体が収まるように調整することが難しいケースもあります。LIFEBOOK U939Xのリアカメラは中央に配置されているため、そうした調整は不要です」

「誰がいるのか」「何を言っているのか」が分からないWeb会議

 働き方改革を実現する手段の一つにテレワークがある。だが、会議や報告のために週に何度か出社するといったケースもあるようだ。そこでWeb会議という選択肢が浮かび上がる。

何も大仰なWeb会議システムを準備する必要はない。ノートPCでも十分に役目を果たせる。ただし、何を話しているのか分からない、誰が映っているのか分からないといったことでは困る。

LIFEBOOK U939Xはフロントカメラにもこだわった。コンマ数ミリ単位で徹底的に薄型化した筐体に高精細なフロントカメラを搭載するのは難題だったが、このテレワーク時代にノートPCのフロントカメラの存在は重要だ。Web会議で相手の顔と声が正しく聞き取れるように徹底的に研究した。

「下から見上げる角度で顔を映されることに抵抗を感じる人もいます。そこでフロントカメラを画面上部に配置しました。ビデオ会議でも自然な目線で会話できます。

また、2-in-1のLIFEBOOK U939XをノートPCモード、タブレットモードのどちらで使っても音声がきちんと聞こえるように、スピーカーを本体側面に配置しました。ボックス型スピーカーを採用したことで、より高品質な音を実現しました」(飯島氏)

働き方改革が本格化するこれからの時代、生産性を上げるためには「たかがノートPC」と軽視できない。最も基本的な業務ツールであるノートPCを変えるだけでも、仕事の進め方や効率はここまで変わる。従業員の生産性と俊敏性を高める手段としてLIFEBOOK U939Xを検討してほしい。

LIFEBOOK U939Xの開発に関わったプロジェクトメンバー。
左から飯島 崇氏、田村喜朗氏、中野翔子氏、大石 進太郎氏