Windows 10移行に向けて
知っておくべき基礎知識
Windows7のサポート終了が2020年1月に迫ってきました。現在、多くの企業でWindows 10への移行を行うの準備が進められているでしょう。そこで、移行に際して押さえておくべき3つのポイントをご紹介します。
ポイント1)自社の環境や要件に合ったアップデート対策の実施
Windows 10は従来のWindowsと異なるWindows as a Service(WaaS)というコンセプトのオペレーティング・システム(OS)であり、定期的に大型のアップデートが実施される特徴があります。高度化するセキュリティ脅威への対策のため半年ごとに機能アップデートが行われます。配信されるアップデートプログラムはファイルサイズが巨大なためネットワークへの負担も大きくなります。そのためWindows 10移行ではアップデート対策を十分検討し計画する必要があります。
また、OSアップデートによって業務システムの動作に影響が出る場合もあるので、アップデート実施の前に検証を十分に行う必要もあります。検証期間を十分に確保するために、最長18ヶ月間アップデートを延期できるにはSemi-Annual Channel(旧名称 Current Branch for Businessというサービシングモデルを推奨しています。
ポイント2)運用を軽減するデバイス管理ツールやクラウド連携の利用検討
Windows 10では、複雑化する権限、認証の設定、アップデート対策を効率的に行うためクラウドソリューションやデバイス管理ツールとの連携が強化されています。ソフトウェアやハードウェアのIT資産情報の収集とアップデート対策に有効な Microsoft System Center Configuration Manager(SCCM)を利用すれば、資産情報を収集する機能を利用しWindowsのバージョンを確認して配信対象を自動的にグルーピングできるため運用負荷の軽減につながります。運用するPCの台数が大規模の場合にとても有効なツールです。
PCに加えてモバイル端末の管理には、Microsoft Intuneとの連携が有効です。IntuneはSCCMと連携し組織のPCやモバイル端末を一元管理できるようになります。Azure Active Directory(Azure AD)とWindows 10の認証機能を連携させることでマルチクラウド環境でのシングルサインオンも実現できます。このように、Windows 10はSCCMやIntuneのデバイス管理ツールやAzure ADと連携をさせることで運用効率が向上します。
ポイント3)Windows史上最強のセキュリティを積極的に利用
具体的な機能の紹介とともにフェーズごとの防御について説明します。防御では、Windows Defenderウイルス対策と呼ばれる高度な機械学習モデルを搭載するアンチウイルスソフトが機能します。検知においてはWindows Defender Advanced Threat Protection(ATP)が各端末の不審な挙動を監視し、異常があれば即時警告を発します。Windows Defender Device Guardはマルウェアがシステムに侵入してもプログラムの実行を防ぎ感染を未然に防止します。また、Windows Defender Credential Guardは万が一の事態に備え認証データなど重要データを暗号化します。BitLockerによるハードディスクの暗号化により端末紛失時の情報漏えいを未然に防ぐことができます。なお、赤字で記載された機能はWindowsの上位エディションであるEnterpriseバージョンに搭載されている機能となりますので、利用を検討される際にはご確認ください。
Windows 10移行には早めに計画することが必要
このようにWindows 10への移行は、単なるPCの入れ替えにとどまらないシステム全体の見直しが必要になります。移行後の運用を見据えたシステム設計やサービシングモデルの選定もポイントです。移行に向けて情報収集と計画立案、検証、を早期に検討すべきでしょう。移行のポイントをまとめた「Windows 10移行ガイド(2019年版)」を提供中ですので、ぜひご覧ください。
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