アイサンテクノロジー株式会社様

大規模点群編集ツール「WingEarth」が快適に動作。顧客説明時のデモやサポート業務に貢献

PCワークステーション導入事例

CELSIUS H7510

測量と高精度位置情報における確かな技術力を生かしたソフトウェアを中心とするソリューションを提供するアイサンテクノロジー株式会社(以下、アイサンテクノロジー)。国土交通省が推進するi-Constructionによる建設のデジタル化の流れが加速し、同社の大規模点群編集ツール「WingEarth」のニーズが高まる中、営業先でのデモンストレーション用に富士通のモバイルワークステーション「CELSIUS H7510」を導入。営業や顧客サポートの効率化とともに、場所を選ばないワークスタイル実現にも寄与している。

導入事例概要

業種
情報サービス
ハードウェア
FUJITSU PCワークステーション CELSIUS H7510
OS
Windows 10 Pro
CPU
インテル® Core™ vPro® プロセッサー
課題
効果
課題WingEarthはマシンに高度な処理能力が求められるため、顧客へのデモンストレーション中にスムーズに動作しないケースがあった。また営業担当者のPCは標準化されておらず、デモンストレーションの内容や品質を統一できていなかった。
効果CELSIUS H7510を導入したことによって顧客へのWingEarthのデモンストレーションがスムーズに。
課題一般的なノートPCではWingEarthの動作が遅く、リモートでのサポート業務が難しかった。
効果処理性能の高いCELSIUS H7510による素早いデータ編集で円滑なサポート業務に貢献。持ち運べるワークステーションの活用により、自宅からでもサポート業務を行えるように。

導入の背景

大規模点群編集ツールWingEarthの価値を伝えられるPC環境を構築したい

 1970年の創業以来、測量に関わるシステムの技術発展とともに成長してきたソフトウェア企業であるアイサンテクノロジー。2020年には50周年を迎え、先駆けて取り組んできた自動車の自動運転を支える高精度三次元地図データ作製の分野でも注目される企業だ。国土交通省が建設現場のICT化を推進するi-Constructionを背景に建設業界のデジタル化が進む中で、同社が長年培ってきた高精度測位技術のノウハウを活用した大規模点群編集ツールWingEarthへのニーズも高まっている。

 「WingEarthは、大規模な三次元点群を高速表示可能な新エンジン『3D-PCP(Point Cloud Processing)」を搭載することで、これまで煩雑で時間を要した点群編集を簡単かつ短時間で処理可能です。測量、設計、施工、維持管理などさまざまな分野において、点群データの利活用を幅広くサポートすることで、測量建設業界の効率化に貢献していきたいと考えております」こう話すのは、アイサンテクノロジー 測地ソリューション事業本部 部長の森下貴行氏だ。

 実際にWingEarthは測量調査や敷地調査、公共インフラ施設の維持管理など多様なシーンで業務効率を改善してきた実績を持ち、災害復旧の状況把握やハザードマップ作成など、新たなニーズにも対応している。正確な測量データをスピーディに取り込み、編集できるという強みを持つWingEarthだが、一方でスムーズな作業を行うためには高性能なデバイスが求められるという一面がある。

 「お客様にWingEarthの各種機能をデモンストレーションする際、スペックの低いノートPCでは処理や表示の面で性能が追いつかず、強みや魅力を伝えきれないという声が営業担当者から上がっていました」と森下氏は話す。営業担当全体のマシン環境を統一し、より効率的な営業活動を行うことを目的に、ワークステーションの検証が開始された。

写真:アイサンテクノロジー株式会社 測地ソリューション事業本部 部長 森下 貴行氏

アイサンテクノロジー株式会社
測地ソリューション事業本部 部長
森下 貴行

導入のポイント

検証の結果は良好
性能改善のアドバイスも役立った

 富士通の協力のもと、WingEarthの機能を最大限に発揮できるデバイスの選定に向けて、アイサンテクノロジーは他社の製品も含めて複数のPCワークステーションによるパフォーマンス検証を実施した富士通からはCELSIUSのHシリーズ(モバイルワークステーション)、Jシリーズ(ミニタワーモデル)、Wシリーズ(デスクトップ)の3機種を選定し、WingEarthのメイン機能10項目に対して処理時間を計測してデータ化した。今回の導入を担当した測地ソリューション事業本部 課長 近藤豊氏は次のように検証を振り返る。

 「計測データを比較したところ、処理速度に影響を与える要因はWingEarthの機能に異なることは発見でした。例えば、点群データを読み込む際にはマルチスレッド性能が重要である一方、計測した点群データから人や木などを抽出するフィルタリング機能ではメモリ差が影響します。機能ごとに必要な要素を比較検討できたことは導入に向けてとても参考になりました」

 パフォーマンス検証の結果を受けて、WingEarthの性能を十分に活かせるCELSIUSが選定され、営業担当者向けには、持ち運びが可能なモバイル型のH7510が導入された。

 「検証データを元に富士通の担当者様からは、『同じコストで考えた場合、グラフィック性能を高くするよりも、スレッド数を含めたCPU性能を重視して構成を決めたほうが高いパフォーマンスを維持できます』というアドバイスをいただけたことも選定において有益な情報でした。売り切りではなくパートナーとして相談に乗っていただける点は非常に有難いです」(近藤氏)

写真:アイサンテクノロジー株式会社 測地ソリューション事業本部 課長 近藤 豊氏

アイサンテクノロジー株式会社
測地ソリューション事業本部 課長
近藤 豊

導入の効果

WingEarthの営業活動を効率化
問い合わせ対応もスムーズに

 パフォーマンス検証結果を受けて、同社の営業担当者全員に対して15.6型ワイド モバイルワークステーションCELSIUS H7510が導入された。同機種を使って顧客にWingEarth活用のプレゼンテーションを行っているという測地ソリューション事業本部 西日本測地営業部 東海営業所 主任 石原将一氏は導入効果を次のように語る。

 「現在は、測量に用いられる3Dスキャナーの性能も向上し、より高密度で精密な点群データを活用するケースが増えているため、編集するデバイスにもハイパフォーマンスが求められています。一般的なノートPCでは、点群データを読み込み表示する際などに画面がカクカクしてしまい、WingEarthの性能を伝えきれない面が多々ありました。CELSIUS H7510を活用するようになってからは、実際の業務での利用イメージを明確にお伝えできるようになり非常に重宝しています」

 ハイスペックなワークステーションを持ち運べるということは、営業活動のシーンだけでなく、測量を行う企業にとっても大きなメリットだろう。 「持ち運びのしやすさに加え、堅牢性、強靭なボディによる安心感があることもCELSIUS H7510の強みだと思います。場所を選ばずに作業ができますので、測量などの現場においても作業ができる点は、生産性向上につながります」(石原氏)

 一方で、WingEarthに関する顧客からの問い合わせ対応やサポート業務に従事する、測地ソリューション事業本部 CS課の中島匠郷氏はこう話す。

 「ハイスペックなワークステーションを持ち運べるようになったことで、リモートワークでの顧客サポートが可能になりました。自然災害やパンデミックなどの緊急時にもスムーズに対応できるため、顧客満足度の向上にも役立つでしょう」と話す。CELSIUS H7510の活用により、スピーディに問い合わせ対応できるようになったことに合わせて、WingEarthとCELSIUS H7510をセットで導入した顧客に対しては、リアルタイムでのサポートが可能となり好評を得ているという。

写真:アイサンテクノロジー株式会社 測地ソリューション事業本部 西日本測地営業部 東海営業所 主任 石原 将一氏

アイサンテクノロジー株式会社
測地ソリューション事業本部
西日本測地営業部 東海営業所
主任
石原 将一

写真:アイサンテクノロジー株式会社 営業企画部 CS課 中島 匠郷氏

アイサンテクノロジー株式会社
営業企画部 CS課
中島 匠郷

今後の展望

WingEarth×CELSIUSの組み合わせで
建設分野の業務効率化をサポートしていきたい

 営業担当全員がCELSIUS H7510を活用しはじめたことで、PC環境の平準化とともに、ハイパフォーマンス化を実現したアイサンテクノロジー。顧客へのスムーズなデモンストレーションが可能となることで、WingEarthの販売拡大にも貢献しているはずだ。

 「当初の課題であったPC環境の平準化という目的を超えて、今ではCELSIUS H7510が営業シーンで欠かせないツールとなっています。引き続き、富士通からの有益な情報提供やハイスペックなシステムの追求を期待しています」と森下氏は期待を示す。

 今回のWingEarthのように高度な処理性能が求められるソフトウェアを販売するビジネスでは、ハイパフォーマンスを発揮できるデバイスと組み合わせることは欠かせない。「今後も測量建設分野で3Dの利活用ニーズが高まっていく中、お客様にWingEarthとCELSIUSをセットでご利用いただくことで、業務を効率良く進めていただけることを訴えていきたいと思います」(森下氏)

イメージ

アイサンテクノロジー株式会社 様

事業分野 情報サービス
ホームページ https://www.aisantec.co.jp/
概要 公共測量・登記測量・土木建設業向けCADシステムの設計・開発・販売及び保守業務、世界座標化への解析ソフト・変換モジュールの受託開発業務、三次元地図整備のためのソフトウェア研究開発業務、三次元地図計測業務、モービルマッピングシステム販売事業 など

[2021年5月掲載]

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