社会福祉法人こざくら福祉会 こざくら保育園様

登降園の時刻をタブレットで自動チェック
延長保育や学童保育の料金計算の手間を削減

ARROWS Tab Q507/PB導入事例

ARROWS Tab Q507/PB

埼玉県本庄市のこざくら保育園は、保育士が園児や児童と向き合える時間をもっと増やしたいという思いを強く持っており、ICT化によってさまざまな業務の効率化を目指す取り組みを開始した。そうした中でビズウインドの保育園業務システム「ママれん!メール」を導入し、登降園の時刻チェックを自動化するとともに、料金計算などに関する事務処理の負担軽減を図った。このシステムを支えるのが高い信頼性を持つ富士通のタブレット「ARROWS Tab Q507/PB(以下、Q507/PB)」である。

導入事例概要

業種
社会福祉法人
ハードウェア
FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q507/PB
OS
Windows 10 Pro(64bit)
CPU
インテル®Atom™プロセッサー x5-Z8550(最大2.40GHz)
課題
効果
課題登降園の時刻チェックを手作業で行っており、送迎が重なると保護者とのコミュニケーションが手薄になってしまう。
効果ICカードをかざし、タブレットの画面上のボタンを押すだけで、園児や児童の登降園時刻を自動的に記録。
課題登降園の記録をExcelに手作業で入力して集計し、延長保育や学童保育の複雑な料金計算をしなければならない。
効果登降園時刻のデータ集計から請求書の出力まで、一連の業務プロセスをすべてデジタルでつないで効率化。
課題これまで使用していたタブレットは処理速度が遅く、フリーズすることも多かったため、品質の良い端末が必要であった。
効果信頼性の高いQ507/PBを採用することで、処理速度が速くフリーズすることがほとんどなくなり、安心なシステム運用が期待できる。

導入の背景

保育士が日常的に担っている業務負担の軽減が急務

 埼玉県本庄市のこざくら保育園は、0歳児から5歳児までの園児の定員が200名。このほかにも学童保育(放課後児童支援)の児童約60名が在籍しており、同市内でも最大の規模を誇る保育園だ。園内は元気いっぱいの子どもたちの歓声にあふれ、わが国が少子高齢化という深刻な課題を抱えていることなど、ここではまるで嘘のように感じるほどだ。だが、大規模な保育園ならではの課題も少なくない。中でも対応を急がれるのが、保育士が日常的に担っているさまざまな業務負担の軽減である。

 例えば、毎夕の時間帯は、どうしても多くの保護者の迎えが集中する。保育士は一人ひとりの園児や児童の登降園の時刻を出席簿に記録しなければならないが、以前はこの対応を手書きで行っていたため、送迎が重なると手いっぱいになり、保護者とコミュニケーションを取れる時間が短くなってしまうのだ。同園の園長である根岸広幸氏は、このように話す。

 「その日にクラスでどんなことを行ったのか、お子さんの様子はどうだったのかなど、できるだけ細かくお伝えしたいのですが、降園チェックに追われる中では、つい簡単な挨拶だけで済まされがちです。これは大きな問題でした」

 一方、保育園の運営面での重荷となっていたのが煩雑な事務処理だ。前述のように、同園では登降園の時刻を手書きでチェックしており、この記録を改めてExcelに手作業で入力して集計し、毎月の延長保育や学童保育の料金を計算していたという。

 「特に学童保育に関しては土曜日や長期休暇などの対応もまちまちで請求パターンが複雑になるため、事務担当は 毎月大変な苦労をしていました」と根岸園長は語る。

写真:社会福祉法人 こざくら福祉会 こざくら保育園 園長 根岸 広幸氏

社会福祉法人 こざくら福祉会
こざくら保育園
園長
根岸 広幸氏

こざくら保育園写真

導入のポイント

延長保育や学童の料金計算にも対応したカスタマイズを評価

 合理化できる業務は可能な限り合理化し、保育士が園児や児童と向き合える時間をもっと増やしたい――。そんな思いを具現化すべく、同園が動き出したのは2015年のこと。国の補正予算で、企業・団体のICT導入を支援することが決まったのがきっかけだ。業務を効率化するICTシステムの導入に際し、その費用を一部国が負担するというこの制度を利用し、こざくら保育園は登降園の記録や保護者への連絡メールを自動化するシステムを導入することにした。

 ただ、実は同園には苦い経験もあった。保育士の業務負担を軽減したいという思いは以前から強く持っており、実際にシステムも導入した。しかし、このシステムは上手く機能しなかったのだ。「当園の運営事情にあわせた細かい対応ができず、たとえば登降園管理システムに登録されたデータを延長保育の料金計算に生かせないなど、結局多くの手作業が残ってしまったのです。保育士や事務担当からは『以前より面倒になった』と不満の声が上がりました」と根岸園長は振り返る。

 同じ轍を二度と踏まぬよう、同園は「柔軟なカスタマイズが可能なこと」を条件に新たなシステムを探した。そうした中で出会ったのが、ビズウインドの保育園業務システムの「ママれん!メール」である。このシステムでは登降園管理機能と、保護者への連絡をメールや掲示板で手軽に行える機能を一体化したシステムだ。「当園における延長保育や学童保育の複雑な料金計算についても、ビズウインド自身がしっかりカスタマイズ対応すると明言していただき、導入を決めました」と根岸園長は語る。

こざくら保育園写真

導入の効果

雨にも埃にも耐える堅牢なタブレットで安全・安心のシステム運用を実現

 こうしてこざくら保育園が2017年3月に導入したママれん!メールの中核となっているのは、富士通のタブレット、Q507/PBである。送迎時に保護者がFeliCa対応リーダーにICカードやスマートフォンをかざし、タブレットの画面上のボタンを押すだけで、園児や児童の登降園時刻が自動的に記録される。

 同園はこのタブレットを計5台導入。どこにでも手軽に持ち運べるメリットを活かし、複数の門からのスムーズな登降園に対応できる体制を整えた。なお、今回ビズウインドが数あるタブレット製品の中からQ507/PBを提案した理由はどこにあったのだろうか。同社 営業企画部 営業課 課長の平瀬正樹氏は、次のポイントを挙げる。

 「まずは充実したサポート体制。富士通がお客様対応の窓口となり、機器に詳しくない先生方からの問い合わせにも丁寧に答えるとともに、万が一の故障時にも迅速に対応してくれます。もう 1つがQ507/PBの堅牢性および信頼性です。一般的なタブレットと一線を画した防塵性、防水性を実現しており、どんな場所でも安全にご利用いただけます。他メーカーの製品と比べると故障自体も減り、弊社から富士通へ問い合わせることも少なくなるなど、非常に信頼性の高い製品です」

 実際、この2つのポイント、中でもQ507/PBの高い堅牢性および信頼性は、同園の安定したシステム運用に大きな安心を与えているようだ。

 「以前使用していたタブレットは処理速度が遅くフリーズすることもありましたが、新しいタブレットではそれもなくなりました」と根岸園長。さらに「タブレットは正門玄関だけでなく、園庭側出入口の下駄箱の上にも置いて運用したいと考えているのですが、落としてしまったり、園庭で砂ぼこりが舞ったり、うっかり園児が触ったり、雨の日に保護者が濡れた手で操作しても大丈夫なのかと、当初はさまざまな不安を感じていました。しかし、ビズウインドの話を聞き、こうした懸念はすっかり払拭されました」と語る。

 また、今回のシステム導入の大前提となっているカスタマイズについて、ビズウインド 営業企画部 営業課 春名美咲氏は、「自社開発したシステムならでは、お客様と話し合いを重ねながら、細かい要望にもお応えしています」と語る。根岸園長も「毎日の登降園のチェックから月末のデータ集計、集金袋に封入する請求書の印刷まで、一連の業務をすべてデジタルでつないで効率化することができました。おかげで保育士や事務担当の負担を軽減するめどが立ちました」と話し、ビズウインドの対応に高い満足を示している。

写真:株式会社ビズウインド 営業企画部 営業課 課長 平瀬 正樹氏

株式会社ビズウインド
営業企画部 営業課
課長平瀬 正樹氏

写真:株式会社ビズウインド 営業企画部 営業課 春名 美咲氏

株式会社ビズウインド
営業企画部 営業課
春名 美咲氏

写真:ママれん!メール図「ママれん!メール」では、登降園管理も保護者との連絡も非常に簡単になる

今後の展望

園児の身体計測や保育士の勤怠管理など視野を広げたICT活用を推進していく

 こざくら保育園は2017年6月にまず学童保育でママれん!メールの運用を開始。続いて7月からは一般保育でも使用開始した。同園はこの取り組みを継続し、今後に向けてさらに広範な業務のICT化を推進していく計画だ。

 「ママれん!メールは、もともと保育園を対象としたシステムですが、当園では学童保育にも問題なく流用できたことから、今後は一時保育や休日保育などでも利用できないかと検討しているところです。また、園児の身体計測データの管理、保育士の勤怠管理、子育て支援センターの本の貸出など効率化したい業務はまだ数多くあり、スマホアプリをベースにしたシステムの開発など、視野を広げながらICTの活用を進めていきたいと考えています」と根岸園長は構想を語る。

 これを受けて平瀬氏と春名氏も、「ビズウインドとして、その取り組みを全面的に支援していくことは“当然”です」と意気込みを示す。そうした基本姿勢を根岸園長も、「私たちの要求・要望に対して『できない』とは絶対に言わず、必ず受け止めてくれるのがビズウインドの一番信頼しているところです」と評価している。こざくら保育園とビズウインドの二人三脚の取り組みのもと、今後もさまざまなチャレンジが続くことになりそうだ。

社会福祉法人こざくら福祉会 こざくら保育園 様

事業分野 文化財、コンテンツ制作
設立年度 1968年
ホームページ http://www.kosodate-web.com/kozakura/01/index.html
概要 「自主独立の精神を養う保育」を基本理念とし、心身共に健やかな子ども、思考力のある子ども、忍耐力のある子ども、仲良く遊べる子ども、自分のことは自分でする子どもを育てている。

[2017年8月掲載]

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