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タブレット導入事例 -ダンディライアンレーシング様

ビジネスのこんなところにタブレット。タブレット導入事例-ダンディライアンレーシング様

過酷な現場でも使えるコンパクトな防水タブレットの導入で
0.01秒を争う国内最高峰レースにおけるレースマネジメントの革新へ

全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ(以下、スーパーフォーミュラ)は、すべてのチームが共通の車体を用い、国内5か所のコースで全7戦を転戦し“最速の称号”を争うレースだ。そこでは、ドライバーの技量だけではなく、データエンジニアやメカニックなどのスタッフによる様々な戦略、そして、走行の度に収集される膨大なデータの分析・活用といった“総合力”が勝敗を左右する。ダンディライアンレーシングでは、分析データのチーム内共有に富士通のタブレットを導入したことを契機に、今後のスーパーフォーミュラにおけるレースマネジメントの革新に取り組んでいる。

【 導入事例概要 】
業種 レーシングチーム
ハードウェア FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q584/H
OS Windows 8.1 Pro(32bit)
CPU インテル® Atom™ Z3770(最大2.40GHz)
【 課題と効果 】
1 レースにおける様々なデータ分析と活用を、よりリアルタイムかつスピーディーに行いたい タブレット導入により、ドライバーやスタッフへの最新データのフィードバックや共有を実現
2 雨天や高温多湿など、過酷なレースの現場でも問題なく使えるデバイスが必要 防水・防塵対応で、米国防総省が定める厳しい基準をクリアした頑丈設計のタブレットを採用
3 レースに関するあらゆるデータを蓄積し、必要な時に瞬時に呼び出せる仕組みを構築したい チームの工場がある京都ともネットワークを結び、タブレットで全員が情報共有する体制を構想

導入の背景

0.01秒を争う過酷なレースの現場で、リアルタイムかつスピーディーな情報共有手段を模索

ダンディライアンレーシング チーム監督 村岡 潔 氏

ダンディライアンレーシング
チーム監督
村岡 潔 氏

「スーパーフォーミュラ」の前身は1996年に始まった「フォーミュラ・ニッポン」にさかのぼる。2014年現在、全11チーム、19名のドライバーにより争われている。フォーミュラレースの特長はその名の通り、自動車レースのための厳しい規格(=フォーミュラ)に基づいた車両によって争われることだ。各チームは、SF14という同一規格の車体と、2種類のエンジンの選択肢が与えられる。チーム監督である村岡潔氏は、スーパーフォーミュラの本質を「国内最高峰のレースであるだけではなく、アジアの中で行なわれているあらゆるレースの中でも、“地上最速の1台”を争うレースと言えます」と語る。

車体やエンジンの規格が厳密である以上、チームの勝敗を分けるのは、ドライバーのテクニックはもちろん、コースごとに最適なセッティングを行うエンジニアやメカニックの技量に関わってくる。中でも、走行中のデータの収集と分析が、チームを勝利に導く戦略に欠かせないと村岡氏は話す。 「レースを分析する時に、“だろう”とか“かもしれない”という感覚で話をすることはあり得ません。必要なのはデータです。ドライバーも含めて、全スタッフの意識を統一し、チームとして最大のパワーを発揮するにはあらゆる事象の“数値化”しかない。極論を言えば、我々にとってはデータ化することがすべてなのです」

写真 1:2014年8月23日・24日にツインリンクもてぎで開催されたスーパーフォーミュラ第4戦。車体番号40番はルーキーの野尻智紀選手が駆る。

写真 1:2014年8月23日・24日にツインリンクもてぎで開催されたスーパーフォーミュラ第4戦。車体番号40番はルーキーの野尻智紀選手が駆る。

フォーミュラカーの車体には100近くのセンサーが取り付けられ、車速、ステアリングの動き、アクセルワークやブレーキング、車体地上高の変化、エンジン回転数や油温など、あらゆるデータを収集し続けている。それらデータのより迅速な分析と共有、そして的確な判断が、レースの行方を左右するのだ。そうした中、村岡氏が課題として考えていたのが、ドライバーやスタッフへの情報のフィードバックや共有の手段だった。従来、例えば走行後のドライバーへのフィードバックは、走行データをプリントした紙をクリップボードに留めて手渡していた。紙の情報では用意に時間がかかる上、情報量や更新頻度にも限界がある。村岡氏は「そこで、紙に換わって、デジタルでリアルタイムに情報を伝達する手段として、タブレット導入を考えたのです」と語る。

導入のポイント

雨天や多湿の環境でも使える性能を備えた富士通タブレットを導入

紙に換わる情報伝達手段としてダンディライアンレーシングが選定したのが、富士通のタブレット「FUJITSU Tablet ARROWS Tab Q584/H」(以下Q584/H)だ。その選定理由の第一は、水没にも耐える強力な防水性能だった。村岡氏は「レースには雨がつきものです。屋根のないピットレーンでタブレットを見たり、ピットに戻ったドライバーが濡れた手袋で持ったりしても、故障や誤動作は許されません。また、夏のレースは非常に高温多湿の環境になりますが、“多湿”というのはイコール“濡れる”ことと同じです。ですから、防水性能を備えたタブレットが必須でした」と話す。

写真 2:雨天のツインリンクもてぎを疾走するダンディライアンレーシングのフォーミュラカー。

写真 2:雨天のツインリンクもてぎを疾走するダンディライアンレーシングのフォーミュラカー。

写真 3:屋外での使用に耐え、雨や湿度に負けない堅牢なタブレットがレースに求められた。

写真 3:屋外での使用に耐え、雨や湿度に負けない堅牢なタブレットがレースに求められた。

ダンディライアンレーシング データエンジニア 古田 泰之 氏

ダンディライアンレーシング
データエンジニア
古田 泰之 氏

一方、慌ただしいピット内で、故障や破損を気にすることなく使えることも重要な要件だった。Q584/Hは、米国防総省の規格、いわゆるMILスタンダードに準拠した高い堅牢性を備えている。その点について同チーム データエンジニアの古田泰之氏は次のように語る。

「ピット内では、全員が、一刻も早く車両をコースに送りだすために作業をしています。その中で、タブレットも工具と同じ感覚で、ポンッとその辺に置くケースが考えられます。ちょっとした衝撃で壊れてしまっては、作業に集中できません。その点、富士通のタブレットは非常に堅牢なので、安心して導入できました。また、データロガー(走行データ分析に利用されるフォーミュラレースで標準となっているソフトウェア)との連携を考える上では、OSがWindowsであることも前提でした」

写真 4:ピット内では多くのスタッフが所狭しと動く(写真左)。バックヤードでは、車体から収集した走行データをタブレットにダウンロード(写真右)。

写真 4:ピット内では多くのスタッフが所狭しと動く(写真左)。バックヤードでは、車体から収集した走行データをタブレットにダウンロード(写真右)。

導入効果

タブレット導入で迅速かつ精度の高い情報共有と意思決定が加速する

Q584/Hは、2014年8月に栃木の「ツインリンクもてぎ」で開催されたスーパーフォーミュラ第4戦から投入された。狭いピット内で安全に持ち歩くために、タブレットには専用のハンドストラップも装備した。導入効果について村岡氏は次のように語る。

「紙と違って、タブレットには多種多様な大量のデータを入れておけるので、データエンジニアやメカニックなど、スタッフごとに必要な情報をその場で呼び出して、即座にミーティングができます。また、“前回のデータはどうだったろう?”という時にも、ワンタッチで過去データが参照できる。ネットに接続もできるのでレース中の気象情報など、外部情報のチェックにも役立っています」

写真 5:タブレットを参照しながらスタッフとミーティングを行う村岡氏。タブレットならスタッフごとに必要な情報を呼び出せる。

写真 5:タブレットを参照しながらスタッフとミーティングを行う村岡氏。タブレットならスタッフごとに必要な情報を呼び出せる。

データエンジニアの古田氏は、「ドライバーや他のエンジニアと会話をする際に、“じゃあ、他の部分はどうか?”など、関連したデータをさらに細かく掘り下げていくことができるのが大きい。今までだと、一旦バックヤードに戻ってプリントして、ということになるので。スピードと精度が上がります」と話す。

写真 6:ドライバーとエンジニアの打ち合わせにタブレットを活用。コンパクトなボディはコックピット内で扱いやすく、ハンドストラップにより、片手で画面を固定できる。

写真 6:ドライバーとエンジニアの打ち合わせにタブレットを活用。コンパクトなボディはコックピット内で扱いやすく、ハンドストラップにより、片手で画面を固定できる。

ダンディライアンレーシング ドライバー 野尻 智紀 氏

ダンディライアンレーシング
ドライバー
野尻 智紀 氏

一方、ドライバーにとってのメリットはどうだろうか。ドライバーが主にピットで参照しているのは直前の走行データだ。自分の感覚と、実際にマシンから収集したデータを照らし合わせ、ドライビングを調整していく。2014年から新戦力としてチームに加わった野尻智紀氏は、タブレットの第一印象を次のように話す。

「まだスーパーフォーミュラに参戦して間もないので、自分の感覚がレースに追い付いていない点があります。データがあれば、調整とその結果がどうなったかを、正確に判断できます。このタブレットはまず、大きさがコックピットで扱うのにちょうどいい。高精細画面なので、微妙な走行軌跡の比較など、紙では判別しづらい情報も、タブレットなら拡大して確実にチェックできます」

写真 7:タブレットで自分の走行データをチェックする。高精細画面なので複数のグラフなどをカラーで比較し易く、グローブをしたままでもペンによる操作ができる点もポイントだ。

写真 7:タブレットで自分の走行データをチェックする。高精細画面なので複数のグラフなどをカラーで比較し易く、グローブをしたままでもペンによる操作ができる点もポイントだ。

今後の展開

クラウド化やビッグデータ活用も見据えスーパーフォーミュラにおけるレースマネジメントの革新へ

ダンディライアンレーシングでは、タブレットの活用をさらにチーム全体に広げていく構想だ。古田氏は「エンジニアやメカニックごとに、必要な情報をタブレットに入れて各自が活用する体制を考えています。データロガーと連動させた動画データ分析など、新たな活用にもチャレンジしていきます。そして、このようなレース現場で得られたタブレットに関するデータをノウハウとして富士通にフィードバックし、製品開発に役立ててもらいたい」と話す。

そして、チーム監督の村岡氏はさらに進んだデータ活用の形を視野に入れている。その構想を村岡氏は次のように語った。

「現在はピット内に閉じたタブレット活用を、ネットワーク経由で我々の京都のファクトリー(工場)とつないで活用する予定です。データの閲覧だけでなく入力デバイスとしてもタブレットを活用し、あらゆるレースのデータを蓄積、ピットだけではなく、工場ともリアルタイムに共有できるクラウドシステムを構築し、ビッグデータ化する。そうすれば、レース開催中の部品の補充なども、今までとはまったく違ったスピード感で可能になります。スーパーフォーミュラにおける新しいデータ活用の形を追求し、レースマネジメントの革新につなげたい」

他のチームに先駆け、過酷なレース現場で使える防水タブレット導入を契機に、スーパーフォーミュラにおけるレースマネジメントの革新に取り組むダンディライアンレーシング。今後の同チームの躍進に期待がかかる。

【ダンディライアンレーシング様 概要】
ユーザープロフィール チーム監督である村岡潔氏が1989年に発足させたレーシングチーム。厳密な規格に基づいて争われるフォーミュラレースのみに専念し、活動を続けている。他の多くのチームがメーカー色の濃いスポンサードを受けているのに対し、発足当初より自主独立の精神を貫き、そこに共感した優秀なドライバーとスタッフが結集している。
本社所在地 兵庫県西宮市松生町18-24-101
ファクトリー 京都府亀岡市稗田野町太田土井ノ上2-1
ホームページ ダンディライアンレーシング様 ホームページ 新しいウィンドウで表示

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ご紹介した製品

法人向けタブレット「ARROWS Tab Q584/H」

ご紹介したタブレット「ARROWS Tab Q584/H」の外観の写真

約640gの軽量・コンパクトなボディで、紙のように手軽に使える高精細防水タブレット。屋外での利用時の急な雨にも安心な防水・防塵設計(IPX5/IPX7/IPX8、IP5X準拠)により過酷な現場での活用が可能。耐薬品設計も施され、医療現場や飲食店でも安心して使える。ボディにはオプションでハンドストラップを取り付けることができ、片手で持って移動しながらの作業も快適だ。また、2560×1600ドットの高精細10.1型ディスプレイにより、様々な情報を詳細に確認できる。本体には雨天でも使用可能なIPX2準拠の防滴ペンを内蔵しており、ペンや指によるタッチ操作が可能。OSはWindows 8.1で、既存業務アプリの導入も容易だ。

※事例記事内のハンドストラップは標準オプションと一部仕様が異なります。

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