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PCセキュリティソリューション 導入事例

SMARTACCESS/Premium(スマートアクセスプレミアム)導入事例-株式会社ササクラ様

個人情報保護はもはや企業の社会的責任。社長自らリーダーとして取り組む

中野 史郎 氏

株式会社ササクラ
常務取締役
総務部管掌 兼 経営企画プロジェクトリーダー
中野 史郎 氏

小林 基通 氏

株式会社ササクラ
総務部長
小林 基通 氏

石川 哲司 氏

株式会社ササクラ
総務部 部長付 主務
石川 哲司 氏

海水の淡水化や工場廃液処理、熱交換や騒音防止など、水、熱、音にかかわる環境エンジニアリングメーカーであるササクラは、顧客情報をはじめとする個人情報の保護と、入退出管理を同時に実現するため、FeliCa対応カードを社員証として採用。企業の内部統制まで視野に入れた強固なセキュリティを実現した。

個人情報保護のため、経営課題としてセキュリティ強化を検討

ササクラは、“水を造り、熱を活かし、音を究め、よりよい環境をつくる―。”をキャッチフレーズに、海水淡水化プラント、廃液のリサイクルを可能にした蒸発濃縮装置、熱エネルギーの有効利用を実現する熱交換器、地下鉄・地下駐車場などの騒音を制御するノイズコントロールシステムなどを通して、高度な技術力で豊かな地球環境創造に貢献してきた。

同社は2005年4月の個人情報保護法の施行をきっかけに、社長がリーダーとなり顧客や社員など個人情報の保護に取り組み、営業担当者が社外に持ち歩くPCのセキュリティについて検討を始めた。金融機関や通販会社など、大量の個人顧客を相手にする企業が個人情報保護に熱心なのは当然だが、エンジニアリングメーカーでここまで熱心に取り組む例は珍しい。

その経緯について総務部長 小林 基通氏は、「当社は一般消費者向け製品を扱う業種ではないので、大量の消費者データがあるわけではありません。しかし、社員が持つお客様や取引先の名刺をはじめとする個人情報は、当然法が定める5,000件を越えていますし、社員の情報については、健康診断の結果や家族構成などセンシティブな情報を抱えています。これらを確実に管理することは企業の社会的責任という意味で重要だと判断し、社長自らがリーダーとなり取り組み始めました」と語っている。

PCのセキュリティと入退室管理を同時に実現するFeliCa対応カードに着目

このように、全社を挙げたセキュリティ対策の取り組みが進む中、2004年12月、同社は研究所であるササクラ テクノプラザを着工。2005年9月開所に向けて入退室管理をどうするかについての検討が、2005年早々から始まっていた。テクノプラザは4階建てで、1階は試運転場のため人が常駐しておらず、人の目が行き届かない可能性がある上、取り扱いに慎重を要する機械類が多数配置されることになっていた。

■2005年9月に開所したササクラ テクノプラザ

2005年9月に開所したササクラ テクノプラザ

入退室管理の検討の経緯を、常務取締役 総務部管掌 兼 経営企画プロジェクト リーダー 中野 史郎氏は、「私のような世代の人間からすると、会社は開かれたものであるべきで、出入りを制限するというのは寂しい気もします。しかし、企業の社会的責任としてセキュリティをおろそかにすることはできません。当社の重要な技術情報が流出してしまったら、企業の存亡にかかわります。また、テクノプラザには慎重な取り扱いを要する機械も多数あり、万一お子さんが入って怪我でもされたら大変です。そこで、守るべき物は確実に守るという考え方で、入退室管理に取り組むことにしました」と語っている。

当初PCのセキュリティ強化と入退出管理は別々に検討を行っていたが、小林氏が総務部長として両方に関わっていたため、それらを併せて実現可能にする方法としてFeliCa対応カードに着目。さらに社員証としての活用も視野に入れて検討することとなった。

信頼感と充実した製品ラインナップで富士通を選択

PCのセキュリティに関しては、USBキーの利用も検討したが、入退出管理に利用できないことと、USBキーでは結局差し放しとなってしまい、セキュリティの効果がないと予想されたことから対象外とした。それに対してFeliCa対応カードなら、PCの認証以外に、常に身につける社員証にもなり、入退出の認証用としても利用できる。

また、FeliCa対応カードによる認証なら、大がかりなシステム構築も不要で、FeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PCや、外付けのFeliCa対応カードリーダなどを用意するだけで本人認証が可能になる。

これらの点を考慮した結果、FeliCa対応カードの採用を決定。社員証をFeliCa対応カードに変更し、全社員約320名に加えて、派遣社員や外注先約60名の計380枚のカードを発行した。当初はカード発行会社に発行を依頼していたが、その場合数週間程度の納期がかかり、タイムリーな発行ができなかった。そこで、エンコード(書き込み)から表面印刷までが可能なICカード印刷機を購入し、自社発行に切り替えた。

「高い買い物でしたが、これがないと長続きしないと思い、そこは割り切りました。今ではすぐに発行ができるので、迅速な対応が可能ですし、社員情報を外に出さないという意味でも導入してよかったと思っています」(小林氏)

■社員証はすべてFeliCa対応カード

社員証はすべてFelica対応カード

現在、社員証はすべてFeliCa対応カードになっている。社内では、常時携帯するのが決まりだ。

まず2005年9月に竣工したテクノプラザの入り口およびサーバルームの入退出管理をFeliCa対応カードで開始。PCのセキュリティに関しても、外に持ち歩くノートPCから順次FeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PCに入れ替えを始めており、WindowsログオンにFeliCa対応カードを利用している。2006年12月現在、全ノートPC110台のうち大証に送る開示資料を扱うPCやモバイル利用を行っているPCなど約70台がFeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PCとなっている。また、人事総務・財務など機密性が要求される部門や社外の方の出入りが多い現業部門のデスクトップPCは、外付けのFeliCa対応カードリーダを利用している。

■テクノプラザ入り口のリーダにICカードをかざす

テクノプラザ入り口のリーダーにICカードをかざす

テクノプラザの入り口は、基本的にFeliCa対応カードの社員証がないと入れない。外出する際は、昼間はカードがなくても出られるが、6時以降は出る時もカードで認証する。会社にカードを置き忘れて、翌日入ることができなくなるのを防止するためだ。

■ノートPCにICカードをかざしてログオン

ノートPCにICカードをかざしてログイン ノートPCにICカードをかざしてログイン

PCを起動すると「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセスプレミアム)」が起動。カードをかざすよう促されるので、PCのFeliCaのマークがある辺りにFeliCa対応カードをかざすとWindowsにログオンできる。

同社は今回入れ替えたPCに富士通製品を選択。その理由について小林氏は、「他社製品とも比較しましたが、当時FeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PCは、富士通製しかありませんでした。また、以前からネットワーク構築などを富士通に頼んでいたこともあり、信頼感がありました」と語っている。

富士通のPCでFeliCa対応カードの認証を制御するのは、PCセキュリティソフトウェア「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセスプレミアム)」だ。その運用について情報システムを担当する総務部 部長付 主務 石川 哲司氏は、「SMARTACCESS/Premiumは、機能が多く何でもできる点が優れていると思います。現在はFeliCa機能のみを利用していますが、今後はセキュリティチップなどとも組み合わせて、より強固なセキュリティを実現したいですね」と語っている。

セキュリティの強化と共に運用効率も向上

FeliCa対応リーダ/ライタ内蔵PCを導入することによって、新たに利用を始めたPCのセキュリティ機能にスクリーンセーバーのロックがある。従来パスワードの入力が面倒なためほとんど利用されていなかったが、カードをかざすだけで認証ができるので、全員利用することにした。これにより、離席中のPCをのぞき見られるリスクが大幅に減少した。

また、セキュリティが向上したと同時に運用が楽になったと石川氏は次のように語る。「以前はIDとパスワードによる認証を行っており、かなりの頻度でパスワードを忘れたという問い合わせがありました。その度にIDを取り直して再発行しており、これに手間がかかっていました。今はこの問い合わせがなくなったので、かなり楽になっています」

■FeliCa対応カード+「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセス・プレミアム)」によるササクラの情報セキュリティ

FeliCa対応カード+「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセス・プレミアム)」によるササクラの情報セキュリティ

→「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセス・プレミアム)」ご紹介

社員のセキュリティ意識徹底のため、社長自らが研修の講師を担当

同社は現在PCのセキュリティとして、FeliCa対応リーダ/ライタ以外に、4つのボタンの組み合わせで本人認証を行うセキュリティボタンを利用。ネットワークアクセスに関しても部門ごとにアクセス制限を設けており、自分の部門に関係のないデータにはアクセスできないよう設定している。「たとえば年賀状などを送ろうとしても、全部の顧客データを一度に出力できないので、社員からは不満が出ます。しかし、セキュリティ対策というのはそういうもので、そこは諦めてもらって、確実に顧客情報を守ることを優先しました」(小林氏)

ここまで厳密に個人情報の管理を行っている同社が、特に重視しているのが社員教育だ。中野氏が「セキュリティ対策は、どこまでやっても絶対にガードできるというものではありません。必要な対策は行った上で社員教育を十分に行い、リスクを社員に自覚してもらうことが重要だと考えています」と語るとおり、導入時には社長自らが研修の講師となり、社員に意義を説明した。今後も年1回のセキュリティ研修は継続していく予定だ。

本社・支社の入退出管理や内部統制など、さらなる活用に期待

現在FeliCa対応カードを利用した入退出管理を行っているのはテクノプラザの入り口とサーバルームのみだが、今後は研究室など部屋ごとの管理や、本社の入退室にも利用していく予定。支社についても、一部設置が困難な支社を除いて、順次設置していく方向だ。また、PCのセキュリティにおいては、SMARTACCESSを利用し、セキュリティチップと連携した電子証明書を用いた無線LAN経由での認証にもFeliCa対応カードを活用する予定で、さらなるセキュリティ強化を目指す。

さらに、今回構築したシステムは今後実施が控えている内部統制にも活用できると、石川氏は次のように語る。「今現在ログの取得はしていませんが、基盤はできているので、これを内部統制に活用するつもりです」 企業の社会的責任を強く意識し、一貫して顧客や取引先の情報保護に取り組んできたササクラは、今後はこの基盤を内部統制などにも活かしつつ、より確実な情報ガバナンスに取り組んでいくことだろう。

User's Profile 株式会社ササクラ

株式会社ササクラ

株式会社ササクラは、1949年の創立以来、企業を通じて社会に貢献することを企業理念として、事業を行ってきた。 船舶用機器・海水淡水化プラント・空冷式熱交換器・環境保全機器などグローバルな視点で研究開発を推進し、現在ではそれぞれの分野で、リーディングカンパニーとして位置し、その評価も高い。「水を造り、熱を活かし、音を究め、よりよい環境をつくるササクラ」をテーマに、独創的な研究開発・人材の育成を図り、高度な技術力で豊かな地球環境創造に貢献している。

ホームページ http://www.sasakura.co.jp/

採用情報はこちら http://www.sasakura.co.jp/recruit/graduates/index.html

製品紹介 「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセス・プレミアム)」

FeliCa対応カード、指紋認証、セキュリティチップを利用して、不正なアクセスからPCを守るセキュリティソフトウェア。セキュリティデバイスの組み合わせは選択できるため、企業のポリシーに合わせた自在な運用が可能だ。クライアントソフトなので、サーバの導入やシステム構築の必要がなく、低コストで容易に強固なセキュリティを実現できる。PCのログオンのみならず、アプリケーションのログインにも活用可能。対象アプリケーションへの影響を最小限に、シングルサインオンを実現できる。

※アプリケーションの関連付けに対応しないものもありますので、ご注意ください。

→「SMARTACCESS/Premium(スマートアクセス・プレミアム)」ご紹介

富士通のセキュリティソフト「SMARTACCESS/Premium」をサポートするFMVシリーズの詳細は、以下のページをご覧ください。

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