茂原市教育委員会・鎌ケ谷市教育委員会

手のひら静脈認証の採用でセキュリティを強化
教職員が安心して校務を行えるICT環境を構築

富士通LIFEBOOK A7シリーズ 手のひら静脈センサー内蔵 PC導入事例

富士通LIFEBOOK A7シリーズ

GIGAスクール構想を背景に教育機関においてデジタル化が進む現在、児童生徒の個人情報などを扱う教職員のPC環境においてもより一層のセキュリティ対策が求められている。教職員が安心してICTを活用しながら教育に取り組める環境を整備することを目指して、千葉県 茂原市教育委員会・鎌ケ谷市教育委員会では高精度の個人認証を実現できるPCの導入を検討。手のひら静脈センサーを内蔵可能な富士通のLIFEBOOK A7シリーズを採用し、より安全にPCを活用できる環境を構築している。

導入事例概要

業種
教育
ハードウェア
富士通LIFEBOOK A7シリーズ
OS
Windows 10 Pro
CPU
インテル® Core™ i3 プロセッサー
インテル® Core™ i5 プロセッサー
課題
効果
課題「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」により、校務用PCへのログオンの認証強化が求められていた
効果手のひら静脈センサーを搭載したPCを採用。PINコードと組み合わせた二要素認証を実現
課題盗難や不正アクセスによる情報漏えいリスクに対して、より安全にPCを扱えるセキュリティ対策が必要
効果学校が保有する情報をクラウドで管理してPC本体にデータを残さないシステムを併用することで、より安全なPC利用を加速

導入の背景

教育現場でのICT活用が進む一方で
情報漏えいを防ぐ対策が不可欠

 ビジネスの現場や日々の生活にデジタルツールが浸透する中、学校教育においてもGIGAスクール構想を背景に、子どもたち1人ひとりに個別最適化された創造性を育む教育を実施するため、ICT活用が進んでいる。

 一方、学校が保有する情報に対する不正アクセス事案も発生しており、十分な情報セキュリティ対策を行うことが重要視されている。その際の対策の指針とするのが、文部科学省により公表されている「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」だ。児童生徒の学習用端末向けのセキュリティ対策とともに、教職員端末に関するセキュリティ対策が定められている。不正アクセス防止という観点では、取り扱う情報の重要度に応じてパスワード以外に生体認証や物理認証などの多要素認証を設定しなければならないことは、新たにICT環境を整備する際の留意点だ。

導入のポイント

高度なセキュリティとユーザビリティを
両立する手のひら静脈認証を評価

 教育現場におけるセキュリティ対策が求められる中、校務用PCのリプレースに伴い対策を強化する自治体も増えている。千葉県東部に位置する茂原市もそうした自治体の1つだ。以前、教職員端末の認証セキュリティはログオンパスワードのみであったが、多要素認証ができる端末を条件として選定を開始した。茂原市教育委員会 教育部 学校教育課 係長 安藤隆史氏は「千葉県内でも情報漏えいに関する事件は多々ありますので、児童生徒の個人情報などを守るためにもPCのセキュリティ強化を進めたいと考えていました」と話す。多要素認証には複数の選択肢がある中、数年前から茂原市役所では手のひら静脈認証を活用しており、高く評価されていた。そのため、手のひら静脈認証を入札の要件に盛り込み、最終的に手のひら静脈センサーを内蔵可能な富士通の「LIFEBOOK A7シリーズ」の採用を決定した。

 一方、千葉県西部に位置する鎌ケ谷市では、セキュリティ対策に早期から取り組んでおり、2016年度から手のひら静脈認証を搭載したPCを導入している。2016年度のリプレース以前、今回取材した鎌ケ谷市立東部小学校では教職員端末はICカードとパスワードによる二要素認証を行っており、職員室の机に鍵をかけてICカードを保管するという形をとっていた。

 「二要素認証は実現できていましたが、ICカードの紛失リスクや管理の手間が課題となっていました。よりスムーズなログオンの実現と、なりすましが容易ではない生体認証の導入を目的として、手のひら静脈センサーを内蔵したPCを採用したのです」と、鎌ケ谷市教育委員会 学校教育課長の柳昌孝氏は当時を振り返る。その後、これまでの使用実績を経て、2021年に手のひら静脈センサーを要件として改めて入札を実施し、富士通LIFEBOOK A7シリーズが導入されることとなった。

写真:安藤 隆史 氏

茂原市教育委員会
教育部 学校教育課 係長
安藤 隆史

写真:柳 昌孝 氏

鎌ケ谷市教育委員会
学校教育課長
柳 昌孝

導入の効果

手のひら静脈認証の採用により
安心してPCを持ち運ぶことが可能に

 手のひら静脈センサーを搭載したPCとしてLIFEBOOK A7シリーズを導入した茂原市と鎌ケ谷市。PCログオンの際に生体認証とPINコードによる二要素認証を採用することにより、セキュリティ強化とユーザビリティの両立を実現している。なお、PC導入に関しては富士電機ITソリューション株式会社が支援し、導入後もIT支援員などがサポートを行っている。

 以前は、パスワードによる認証を行っていた茂原市立萩原小学校 校長の酒井昌史氏は「学校では児童生徒の個人情報を多く扱いますので、第三者でもログオンできてしまうパスワードのみの運用ではセキュリティ面に不安がありました。今回、登録した本人しかログオンできない手のひら静脈センサーを搭載したPCを導入することで、安心して校務を行えるようになったことは非常にありがたく感じています」と語る。

 今回のリプレース以前、萩原小学校ではPCを校外に持ち出すことは禁止されていたが、手のひら静脈センサー内蔵 PCの導入により出張や校外で行われる研修などにもPCを持ち出せるようになった点も大きなメリットになっている。

 「二要素認証のほかに、クラウド活用でPC本体にデータを残さない仕組みがあることで、安全にPCを持ち出せるようになりました。また、クラウド上にデータを共有することにより資料などをプリントして配布しなくてもよくなったため、ペーパーレス化にもつながっています」(酒井氏)

紛失リスクがあるICカードの管理が不要に

 2016年度から手のひら静脈センサーを搭載したPCを活用する鎌ケ谷市立東部小学校 校長の石川康氏は、以前のICT環境を以下のように振り返る。

 「以前は、PCログオンのために用いていたICカードの管理は教員個人に任せられていましたので、紛失などのリスクに対する心理的な負担がありました。手のひら静脈認証を採用することで、手のひらをかざして素早くログインできる点はもちろん、ICカードを管理する必要がなくなった点でも利便性を感じています」

 鎌ケ谷市では、これまでは4月の新年度の始まりから別の学校に移る教職員はICカードを返却しなければならず、年度末から年度初めに校務を行う場合は不便だったが、現在ではそうした不便は解消されている。これも生体認証を採用したことによる副次的な効果の1つである。

 加えて今回のPCリプレースでは、コロナ禍を背景にWeb会議へのニーズが高まる中で、カメラ内蔵のノートPCであることも役立っているという。石川氏も「新型コロナウイルスが蔓延した時期に、密を避けるため、職員全員が集まって会議を開くことが難しくなった際も教員が各教室に分散してWeb会議をすることができました。現在も校外で各学校の教員が集まる際に制限はありますが、オンラインで研修会に参加するなど、PC活用の幅は広がっています」と語る。

 なお鎌ケ谷市では、各人の認証を個々の端末に紐づけていないことで、校務用PCであればどのPCでも手のひら静脈認証でログオンできるシステムを構築している。そのため、仮にPCが壊れた時や不具合が発生した場合にも、予備のPCを使うことで問題なく迅速に職務を行うことが可能だ。もちろん、セキュリティ面を担保するためにログオンした人によって閲覧できるデータに制限が掛けられており、安心してPCを使うことができる。

写真:酒井 昌史 氏

茂原市立萩原小学校
校長
酒井 昌史

写真:石川 康 氏

鎌ケ谷市立東部小学校
校長
石川 康

今後の展望

世の中のニーズや変化に合わせて
教職員が安心して使えるICT環境を整備する

 教育機関において児童生徒の個人情報などが漏えいすることは、大きな事件に発展しかねない。そうした意味では「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が推奨するように、ログオン時の二要素認証はセキュリティ面では有用である。その一方で、校務を効率的に行うためにはスムーズにログオンを行うことができ、安全に持ち運べるPC環境を整えることも重要だ。

 「日々、教職員はさまざまな校務をしていますが、学校内でも校外の研修などでも安心してPCを利用できるよう、茂原市でもICT環境の構築に今後も注力していきたいと思います」と安藤氏は今後の目標を話す。

 早期から情報漏えいのリスク対策を進め、PCのセキュリティ強化に取り組んできた鎌ケ谷市においても、柳氏はこう語る。

 「日進月歩でITが進化していく現在、教職員の働き方改革という観点からも、問題なくPCなどのデバイスを活用できる環境を整えていくことは重要だと考えています。そのためにも、富士通には高度なセキュリティを実現しながら、効率的に校務が行えるためのPCを提供し続けていただければと願っています」

イメージ

手のひら静脈認証でスムーズかつ安全なログオンを実現している

茂原市教育委員会・鎌ケ谷市教育委員会 様

事業分野 教育
ホームページ https://www.city.mobara.chiba.jp/
http://www.city.kamagaya.chiba.jp/
概要 千葉県東部に位置する茂原市では、教育文化の基本テーマとして「人が育ち文化と歴史がとけあうまち」を定めている。千葉県西部に位置し「やがて故郷に変わる街」をスローガンに掲げる鎌ケ谷市は、早期からICTを取り入れた教育を行っている。

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[2023年1月掲載]

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