九州電力株式会社
指紋認証でセキュリティと利便性を同時に強化 労働生産性を向上させる超軽量モバイルノートPC16000台導入
モバイルノートPC導入事例
総合エネルギー事業をコア事業として、情報通信事業、環境リサイクル事業、生活サービス事業などさまざまな事業展開を図る九電グループの中核企業である九州電力株式会社(以下、九州電力)。同社では、働き方改革を推進していくにあたり、富士通のモバイルノートPCである「LIFEBOOK U9シリーズ」を採用した。軽量・薄型による持ち運びの利便性に加えて、指紋認証の導入による高いセキュリティを同時に実現することができた。
導入事例概要
- 課題PCへのログインは外付けのICカードとパスワードによる認証を行っていたため、利便性が悪かった
- 効果指紋センサー搭載のPCを採用したことで強固なセキュリティを手軽に実現。煩わしいICカードリーダーの持ち運びも不要に
- 課題テレワークへのニーズが高まる一方で、従来のノートPCは持ち運びがしにくく、社員から多くの不満が出ていた
- 効果端末重量が900gを切る、持ち運びやすい軽量・薄型PCの活用でテレワークを推進
導入の背景
持続的な成長に向けて
組織全体の生産性向上が必要
「ずっと先まで、明るくしたい。」というブランドメッセージのもと、総合エネルギー事業を中心に情報通信事業、環境リサイクル事業、生活サービス事業など、幅広いビジネスを展開する九電グループ。電力小売全面自由化、ガス小売全面自由化、カーボンニュートラルへの取り組みなどを背景に電力業界を取り巻く環境が変化する中で「九電グループ経営ビジョン2030」を策定し、地域・社会とともに持続的な成長をするための取り組みを進めている。
「長期的な成長に向けてさまざまな課題を解決していくためには、組織全体の生産性を向上させ、一人ひとりの社員がやりがいを持ち、活き活きと働くことができる職場をつくることが重要だと考えています」。そう話すのは、九州電力 テクニカルソリューション統括本部 情報通信本部 副部長の 佐野寛之氏だ。
時間や場所にとらわれない働き方の推進に向けて、IT環境の整備を進めていく中で同社が特に目をつけたのが従業員のPC環境である。新型コロナウイルスのような感染症対策としても、テレワークをスムーズに実現していくには軽量・薄型のノートPCが欠かせない。持ち運びやすさや性能面はもちろん、特に懸念事項であったのがセキュリティ面である。
「地域のインフラを守る企業として安定した電気をお届けするために、日々の業務におけるガバナンスの維持とセキュリティの確保は特に重要なものだと考えております。そのため、従業員が使うPCは軽量で持ち運びやすく、高度なセキュリティが求められていました」(佐野氏)
九州電力株式会社
テクニカルソリューション統括本部
情報通信本部 副部長
佐野 寛之 氏
導入のポイント
圧倒的な軽さと指紋認証による
高度なセキュリティを評価
九州電力では、これまで15.6型のノートPCが利用されていた。しかし、3kg近くの重量があり、外出・出張用には別途モバイルPCを貸し出して利用してもらう方式であったことから、利便性に欠けるのが課題であった。また、PCは導入からかなりの年月が経過しており、「起動が遅い」「PCの作業効率が悪い」といった不満も多く寄せられていたという。そうした課題解決のために、生産性向上と働き方改革を推進できる軽量なモバイルPC導入に向けた検討が進められていった。
九州電力 テクニカルソリューション統括本部 情報通信本部 副長の川原啓司氏は、「富士通をはじめ、複数のメーカーからPCをお借りして実際に触りながら、使いやすさ、持ち運びやすさ、画面サイズ、セキュリティ面などを軸に選定を進めていきました」と語る。
10機種を超えるPCを試用する中で、選ばれたのが富士通の13.3型のLIFEBOOK U9シリーズだ。選ばれた理由の1つが、その圧倒的な軽さと薄さである。
「さまざまな機種を実際に使ってみますと、画面サイズと打ちやすいフルサイズキーボードという視点では最低でも13.3型は必要だと感じました。その中でLIFEBOOK U9シリーズは軽さが群を抜いていました。もっとも、画面サイズは以前より小さくなりますが、外付けディスプレイを利用してもらうことで特に問題なく運用できています。導入担当としては要求仕様と価格のバランスが良く、費用対効果が高い点も評価ポイントになりました」(川原氏)
PC導入にあたり懸念事項であったのがセキュリティ要件だ。これまで同社では、PCログオンの認証強化のために外付けのICカードリーダーを用いていた。しかし持ち運ぶ機器が多ければその分、利用者のユーザビリティを損ねてしまう。その中でU9シリーズは指紋センサーを内蔵していることも導入の大きな後押しになった。
九電グループの情報システムの導入から運用・保守までを担当し、今回のPC導入に携わった九電ビジネスソリューションズ株式会社ITソリューション事業部 デジタルプラットフォーム部 副長の佐々木伸也氏は「1台のPCを複数人で用いるケースもあるため、指紋の登録数が他の機種と比べて多い点も選定理由の1つになりました」と語る。こうして、高度なセキュリティ環境を確保しながら、働き方改革を推進するモバイルノートPCとして16000台のLIFEBOOK U9シリーズが導入されることとなった。
九州電力株式会社
テクニカルソリューション統括本部
情報通信本部 副長
川原 啓司 氏
九電ビジネスソリューションズ株式会
ITソリューション事業部
デジタルプラットフォーム部 副長
佐々木 伸也 氏
導入の効果
安心できるセキュリティ環境と
処理速度の向上により生産性アップ
新型コロナウイルスなどの影響もあり、世の中でテレワークのニーズが高まる中、軽量で頑丈なLIFEBOOK U9シリーズは有効に活用されている。これまでに比べテレワーク率が大幅に向上したことも導入の成果だ。「以前のPCは自宅に持ち帰るだけでも大きな負担でした。900gを切るLIFEBOOK U9シリーズと軽量なACアダプターは持ち帰りが容易になり、テレワークをする社員からも好評です」(川原氏)
指紋センサーが内蔵されているLIFEBOOK U9シリーズにしたことで、管理面からも成果が出ていると佐々木氏は話す。「以前は、外付けのICカードリーダーを用いて行っていたPCへのログオンを指紋認証によって行うことでより強固なセキュリティを実現できています。ICカードリーダーを使う必要がなくなったので、紛失するリスクがなくなり保守管理のしやすさにつながっています」
なお、同社ではPC導入のほかに、データ共有やチャット機能を核としたコミュニケーションツールを採用。会議においてもLIFEBOOK U9シリーズを活用することでペーパーレス化を進め、より効率的なワークスタイルを実現している。
なお今回は、HDD搭載のPCからSSD搭載のPCへリプレースされたことによって、処理速度が飛躍的に向上し、同社における生産性の向上につながっている。「以前のPCは起動が遅く、ファイルを開くだけでも時間がかかっていました。SSD内蔵のLIFEBOOK U9シリーズを使うことで、起動時間が大幅に短縮され従来の1/3ほどに改善しています。処理性能についても、画像を多用したPowerPoint資料を作成したりデータがたくさん入っているExcelを扱ったりする際もスムーズに作業ができるため、作業効率が上がったことを実感しています」(川原氏)
今後の展望
さまざまなICTツールを活用して
より働きやすい環境づくりを
九州電力には、離島を含めて約100カ所の事業所が存在する。その条件下でも16000台ものPCをスムーズに展開することができたという。その裏には、九電ビジネスソリューションズが独自開発した自動キッティングプログラムの活用がある。佐々木氏は「導入にあたっては、当社の大規模キッティングセンターを活用し、USB を挿入してボタン押すだけでPCの設定を完了できるキッティングツールを利用しました。富士通の協力で16000台のPCを短期納入していただけたことも、スピーディな導入を実現できた要因だと感じています」と成功の秘訣を語る。
今回、16000台のLIFEBOOK U9シリーズ導入により、九州電力では業務効率化や会議のペーパーレス化など、ワークスタイルの変革が進んでいる。また、外付けのデバイスを扱わず指紋認証できるセキュリティ環境によって、利便性を維持しながら安全性を確保できるようになったことも大きな成果だといえるだろう。
「近年のテクノロジーの進化は目覚ましく、これからも働き方は大きく変わっていくでしょう。今後もさまざまなICTツールを導入しながら働き方改革を推進していきたいと考えております。今回のPC導入では富士通には多大なるご尽力をいただきました。今後も引き続きパートナーとして一緒に協力していただければと考えています」(佐野氏)
九州電力株式会社 様
事業分野 | 電力 |
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ホームページ | https://www.kyuden.co.jp/ |
概要 | 九州地方を中心に電力・エネルギーの提供する総合エネルギー事業をコアとしながら、新たな事業領域である情報通信事業、環境リサイクル事業、生活サービス事業を九電グループ全体で展開。快適で豊かな社会の創造に貢献している。 |
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[2022年1月掲載]