天然の氷を切り出して貯蔵する方法は古代までさかのぼります。
冬、池で凍った氷を、山の麓に穴蔵を掘り、ワラビの穂が伸びてほうけたものを敷きつめ、その上に置いて保存していました。
当時は氷のことを「ひ」と呼んでおり、氷の貯蔵庫を氷室(ひむろ)と呼んでいたそうです。
平安時代には、宮中に氷を司る役所を設け、関西各地に氷を取るための池を540カ所定め、氷室を21カ所作りました。
4~9月までの間、荷車に積み、馬で都に運んでいました。馬には禁色の緋色(*)の旗が特別に許されていました。
清少納言の『枕草子』に、貴族たちが夏にかき氷を食べていたことが書かれています。シロップは、アマヅラというツタの汁を煮詰めて作ったそうです。かき氷の原点がここに。
現代では、冷蔵庫が普及しかき氷は特別なものではありませんが、昔は貴族階級だけのものだったようですね。
暑い夏には、キーンと冷えたかき氷が最高!
抹茶シロップのかかったかき氷の中央に伊勢名物「赤福餅」が2つ隠れている「赤福氷」が食べたくなりました(^.^)
*緋色(ひいろ):茜染めのわずかに黄みをおびた鮮やかな赤色。火色(ひいろ)とも書く