天の川をはさんで左右にきらめく牽牛星(ワシ座のアルタイル)と織女星(コト座のヴェガ)が、1年に1度だけ逢える日。
幼い頃に、この物語を聞いて、一生懸命「てるてる坊主」を作ってお天気を祈った人も多いのでは?
その起源は、2000前の中国だそうです。中国では織女星は、裁縫をつかさどる星とされており、七月七日は女性が裁縫の上達を願う「乞巧奠(きっこうでん)」という祭りが行われていました。これは「巧みを乞う奠」という意味で、織女星にあやかった機織や裁縫だけでなく、歌舞、音楽、詩歌、文字などの上達を願う行事ともなっていました。
日本に伝わったのは奈良時代とも平安時代ともいわれています。
行事だけでなく、七夕の悲恋物語も、たちまち日本人の心をとらえたようで、『万葉集』には、約百三十もの七夕歌が詠まれているそうです。
そして江戸時代、七夕は武家の年中行事として五節句の一つに定められ、笹竹に五色の紙や糸を吊して軒端に立てるという現在のスタイルの原型が整ってきたようです。
今年の夏は、ゆっくりと星空を眺めてみたくなりました。