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秋の七草:万葉集(第八巻)
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花
萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花
(山上憶良)
秋の七草は、実用的な春の七草に比べると鑑賞用に選ばれたように思えますが、万葉の時代にはやはり実用的な植物の花々でした。
尾花(ススキ)の茎や葉は屋根を葺く材料、葛花(クズ)の根はくず粉、撫子(ナデシコ)や女郎花(オミナエシ)も根は薬用、葉は食用、藤袴(フジバカマ)の草も薬用の他、香料にもなりました。
歌中の朝貌(アサガオ)は桔梗であると言われていますが、根は薬用だったそうです。
昔の人は、自然と上手くつきあってきたのですね。
◆季節の色--------------------------------
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【濃色】(こきいろ)
平安時代に美の象徴とされた紫。別名:濃紫(こきむらさき) |
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【江戸紫】(えどむらさき)
江戸時代に生まれた紫を表す色の1つで、青みによった紫のこと |
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【桔梗】(ききょう)
秋の七草の1つである桔梗(ききょう)の花のような鮮やかな青みの紫をさします |
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【桑の実色】(くわのみいろ)
桑の実色は熟した桑の実のような暗い紫をさした言葉。英語名はマルベリー |
*色はイメージです。
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