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別冊FROM

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会報Familyではお伝えしきれなかった情報を掲載。取材とは違う切り口で、
ご当地の見どころや名産をあらためてご覧いただけます。

【2016年度 CONTENTS】


会報Family 371号 別冊FROM山口

産業のまちだからこそ目指した、「緑と花と彫刻のまち」

宇部市のキャッチフレーズは「緑と花と彫刻のまち」。そのフレーズの通り、セメントや化学工業で栄えたまちのイメージからは意外なほどの緑の豊かさ、そしてまちなかに数々の彫刻が点在していることに驚かされる。そのシンボル的存在が山口宇部空港から車で数分の場所にあるときわ公園だ。


野外展示場のシンボル的存在、「蟻の城」

広大な池の周辺に、189ヘクタールもの広さを誇るこの公園には四季折々の花々が咲き、遊園地や動物園、そして植物と彫刻を融合させた全国的にも珍しい博物館「緑と花と彫刻の博物館(通称:ときわミュージアム)」がある。博物館の一翼を担う温室でランやサボテン、数々の熱帯の植物が育てられているほか、博物館前に広がる野外展示場では2年に一度、UBEビエンナーレと称して、日本最大級の野外彫刻展が開催されている。このコンクールは1961年に宇部市野外彫刻展としてスタートし、以後名称や形式を変えながらも世界で最も歴史ある野外彫刻の国際コンクールとして今に至っている。50年以上にわたる彫刻展の歴史の中で、毎回数点の出展作品が残されて公園内や市内の各所に設置されてきた。現在公園内には90点ほど、市内には200点以上の作品がそれぞれの存在感と個性をきらめかせている。



2015年の第26回UBEビエンナーレ
(現代日本彫刻展)本展

この「緑と花と彫刻のまち」づくりは、実は産業のまちならではの「公害問題」を克服しようという、官民一体となった取り組みに始まっている。戦後復興の槌音高い1951年、宇部市では当時世界一ひどいといわれたイギリス・マンチェスターをしのぐほどの降下煤塵(ばいじん)が問題化していた。そこで市は、全国に先駆けて「産・官・学・民」からなる「宇部市ばいじん対策委員会」を設置。後に「宇部方式」と呼ばれた、話し合いによる公害対策の取り組みを積極的に展開していった。 この公害対策の一環としてまちの緑化事業もスタートし、やがて「花いっぱい運動」など市民による緑と花のまちづくり運動が進められるようになった。さらには「宇部を彫刻で飾る運動」も市民によって提唱され、1961年に日本で初めての野外彫刻展へと結実、UBEビエンナーレへと発展していったのだ。


緑の公園や街路樹の間に点在する、抽象・具象を取り混ぜた彫刻の数々。その背後にも、産業のまちとしての物語が秘められている。


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会報Family 370号 別冊FROM秋田

山の恵みにあふれたマタギの食

クマはそうそう獲れるわけではなく、昔も今も阿仁では貴重品。ふるまわれれば誰もが笑顔になるご馳走で、もっともポピュラーなのがクマ肉を使ったクマ鍋だ。


阿仁の「打当温泉 マタギの湯」で供されているクマ鍋

クマ肉というと、いかにも匂いがありそうだが、新鮮なうちに処理した肉を使ったクマ鍋は、匂いもクセもほとんどない。クマ肉で美味しいのは脂の部分。脂とはいっても噛めば歯ごたえがあり、コクがありながら意外にあっさりした味わいなのは、脂の融点が低いからだという。具はクマ肉の他に大根やネギなどの野菜、ネマガリダケの筍やゼンマイ、山ウドといった山菜、サモダシ(ナラタケ)やブナカノカ(ブナハリタケ)といった森のキノコなどで、味噌や醤油で味付けする。山の恵みを満載した阿仁ならではの味だ。

クマ鍋以上においしいといわれるのがナガセ汁。これは骨を煮た鍋だが、骨といっても切り残した肉がたっぷりついている。肉はもちろん骨の髄から出た脂やうまみが加わった汁も、えもいわれぬ味わいだとか。ちなみにナガセ(ナガサ)とは、マタギ独特の山刀のこと。他にも肉や内臓を筍やウドなどと煮込んだ料理がある。昔は心臓を刺身で食べたり、ヤジといって腸に血を詰めて固めた腸詰めもあったそうだが、今では幻の味だ。

阿仁ではウサギも鍋や汁で、また馬肉は煮込みとしてよく賞味されている。ウサギは骨ごとぶつ切りにし、内臓も入れて鍋にするのがおいしさの秘訣。馬肉には鉱夫特有の病気を防ぐ効用があるといわれ、昔大いに栄えた阿仁鉱山の鉱夫たちが盛んに食べ、地元に根付いたものだという。

クマ鍋やウサギ鍋は阿仁の旅館や民宿などで、また馬肉の煮込みは食堂などでも手軽に味わえる。阿仁を訪れる機会があったら、旅の話題にぜひご賞味を。


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